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庶民烈伝 中公文庫
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庶民烈伝 中公文庫

深沢七郎【著】

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庶民烈伝 中公文庫

定価 ¥775

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2013/01/23
JAN 9784122057456

庶民烈伝

¥385

商品レビュー

4

6件のお客様レビュー

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2022/12/15

んー、面白い。 別に唸る様な仕掛けも美しい表現も綺麗な締まりないが、表題通りの、当時の“庶民”の苛烈な生活がつらつらと描かれている。 序章の、“庶民”の定義を巡った作者と知人とのちょっとおバカっぽい掛け合いも、気が利いていて良い滑走路になっていた。

Posted by ブクログ

2021/08/13

面白い。 序は、まるで『果てしない物語』のよう。 カフェに置いてあって、まだ少ししか読めていないけど、手元に置いておきたい本。

Posted by ブクログ

2015/02/08

本読みの友が、いつだったか買っていた深沢七郎の本が発掘された!と読んだそうで、「おくまさんがね…」と内容にかかわるメールがきたところで、待って待って、まだ読んでないから待ってと、私も図書館で本を借りてきて読む。タイトルどおり、"庶民"の生き方が描かれたものであ...

本読みの友が、いつだったか買っていた深沢七郎の本が発掘された!と読んだそうで、「おくまさんがね…」と内容にかかわるメールがきたところで、待って待って、まだ読んでないから待ってと、私も図書館で本を借りてきて読む。タイトルどおり、"庶民"の生き方が描かれたものである。 友の「おくまさんがね…」というのは、周囲を気遣って決して本音を言わずにいる母親おくまの話「おくま嘘歌」であった。嫁の心を考え、嫁いだ娘の気持ちを考え、おくまは「こう思わせたい」行動をとる。 ほんとうは娘の顔が見たくて婚家へ訪ねてきたのに、「坊の顔を見たくて来たのオジャンけ」(p.68)とおくまは嘘を言う。孫の顔を見たくて来たと言った方が娘が喜ぶと思ったからだ。その孫をおぶったおくまは、ちょっとの間に大きくなった孫が肩が痛くなるほど重いと感じる。それでも、苦しげにおぶっていては、かえって娘に心配させるから、そんな重い子をずっとおぶっていたのかと問われたときには、「なーに、いっさら、クタビれんでごいす」(p.70)と嘘を言う。 おくまの言動はずっとこんな具合だ。娘の家から帰ってきたとき、嫁も息子も疲れただろうと言ってくれる。たしかにくたびれているのだが、娘の家へ行って疲れて帰ってくるのは申し訳ない気がするし、そう思われては次に行くときに気がひけるから、やはりおくまは「なに、いっさら」(p.73)と嘘を言う。そうして、死ぬときにも嘘を言ったおくまが描かれる。 そんな"庶民"の話が6つと、巻頭には「庶民というものは、どんな人達だか」(p.9)を書いた序章が収められている。 どの話もなんだかすさまじい。そのなかでも私がおもしろかったのは、「べえべえぶし」。歌の上手かった善兵衛さんの話だ。野良唄として歌われた「べえべえぶし」にことよせて、農業で生きる姿やその心を描いている。  やくざゴボータコの足  やくざ菜っパの傘のホネ  むすこも むすめも   あましもんだんべえ と、善兵衛さんが囃子のように歌うのは、役に立たないものたちを並べた文句だ。このやくざゴボーのまえに、善兵衛さんが   アア、「子褒め、役好き、出させ好き」 と叫ぶような言い方の合いの手を入れることもあった、と続く。 ▼百姓の生活は昔気質というのか、古い時代からの習慣からだろうか、農業は畑からとれる予定以外の収入は全然ないのである。大げさに表現すれば百姓は一生涯たっても予定の収入以外はないのである。これは、希望がない生活でもあった。農作物は高値のときもあるがそんな場合は収穫の少ない時である。豊作なら安値だから、高値でも安値でもほとんど変りはない。結局、百姓たちの希望は自分の子供に寄せられている。「子褒め」は自分の子供を褒めることだが、もし、予定以外の儲けを運んでくれるものがあるなら、それは子供以外にはないのである。なんとかして自分の子供のすぐれた点を見つけだそうとする。「画がうまい」、「野球がうまい」、「唄がうまい」、「自転車が速い」と、それは、幼稚園児でも小学生でも、ちょっと、すぐれた点があれば、将来、「競輪の選手になるだろう」「歌手になって」儲けてくれるではないだろうかと、捕らぬ狸の皮の代金を計ったりする、そこには溺れる者が藁をつかむように自分の子供への将来を讃えるのは自分の子供を褒めることしか希望がないからなのである。(p.219) そして、この後ろには「役好き」、生活の中にある組合のような隣組のような組織の「役」、いわば当番をすることに生きる重要性とプライドを見いだす「役がなければ生き甲斐がない」(p.220)百姓生活と、「出させ好き」、つまり余分の収入のない生活が「他人に出させる」という智恵を産み、「金銭、酒、食物等、他人から出させようとする。そのためには選挙でもなんでも自分の権利を放棄してしまう」(p.220)という百姓の哀れさが述べられている。 こういうところに、宮本常一が人の話をよくよく聞いて書いたのと似たものを感じる。生きていることのすさまじさ、そうして生きている庶民の姿を描いたからこそ、深沢は「烈」の字をあてて、庶民烈伝としたのだろうと思う。 (1/16了)

Posted by ブクログ

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