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死刑と正義 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2012/11/17 |
JAN | 9784062881838 |
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死刑と正義
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商品レビュー
3.9
9件のお客様レビュー
裁判員裁判が行われるようになったことによって死刑のあり方が大きな変容を遂げた事実をふまえた死刑論である。 専門家の裁判官のみで行われていた裁判では死刑の認定はいわばポイント制であったという。いくつかの要素を満たしたものが死刑とされた。そのため死刑と無期懲役との境界線は一般人の...
裁判員裁判が行われるようになったことによって死刑のあり方が大きな変容を遂げた事実をふまえた死刑論である。 専門家の裁判官のみで行われていた裁判では死刑の認定はいわばポイント制であったという。いくつかの要素を満たしたものが死刑とされた。そのため死刑と無期懲役との境界線は一般人の感覚からは理解しがたいこともあったという。 裁判員裁判が始まってからは正義の基準はいわば同情の度合いになったという。そのために裁判の判例は多様になり、その統一性はしばしば破られる。 筆者は死刑の最終判断基準に関しては慎重ににして歯切れが悪い。ただ死刑制度自体は社会制度の維持に不可欠なものとして存在価値を認めている。 同様の事件で被害者の数や残忍性などが同じでも死刑と無期懲役刑量の絶対的基準にはなっていないという事実を私たちは知っていなくてはならない。
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基本的に死刑存置論の立場から書かれている。第9章の「死刑の功利主義」では、賠償金を払うと死刑を避けられるという立場を功利主義と呼んでいる。いろいろな章で死刑に関する議論があるが、最終章でまとまった議論がなされている。死刑は正当防衛だという議論、死刑は最大の贖罪だという議論、死刑は...
基本的に死刑存置論の立場から書かれている。第9章の「死刑の功利主義」では、賠償金を払うと死刑を避けられるという立場を功利主義と呼んでいる。いろいろな章で死刑に関する議論があるが、最終章でまとまった議論がなされている。死刑は正当防衛だという議論、死刑は最大の贖罪だという議論、死刑は被害者の人命を尊重することにつながるという議論などがなされている。「人命尊重、人権尊重は、死刑に関する限り、ただひたすら永劫回帰するばかりである」(238頁)といった記述が若干鼻につく。
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未だに各方面が議題として挙げている『死刑』という制度について著者なりの見解を示したものです。 死刑となり得る(なった)事件を幾つかピックアップし、事件の性質に基づいて細分化することで、『死刑』について多角的な視点を持って眺めることが出来るようになっています。 事件のピックアッ...
未だに各方面が議題として挙げている『死刑』という制度について著者なりの見解を示したものです。 死刑となり得る(なった)事件を幾つかピックアップし、事件の性質に基づいて細分化することで、『死刑』について多角的な視点を持って眺めることが出来るようになっています。 事件のピックアップのみならず色んな哲学者の考え方なども引用してきているため、哲学の勉強にもなりました。 著者自体は中立的な視点を持っているような記載っぷりでごじましたが、若干死刑廃止派に傾いているような感覚を覚えました。 難しい部分もチラホラございますが、概ねスラスラ読み進めることが出来るため、暇な時に『死刑』について見つめ直すには打ってつけの書物かと思われます。
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