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れくいえむ 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1975/07/10 |
JAN | 9784167149017 |
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れくいえむ
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商品レビュー
4
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
戦時下を必死に生きた女学生の物語。 横浜の空襲が描かれていて、この時代に生まれなければ平和に過ごせたであろう主人公の苦しみと無念を思い絶句した。 懸命に生きる人々が選んだ道はどれも尊重されるべきであり、そういう世の中であって欲しい。どれを取っても正解がなく、途方に暮れる。 お国のため、戦争に勝つために、家族友人そして自分の体の健康から心まで、全てを捧げなければならなかった主人公が不憫でならない。
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戦中、川崎で両親を失い、兄を失い、親友も失った少女の最期を描いた作品。 中学で学徒動員を志望し、電球を作る工場に就職した節子。兄は親友とともに戦地に赴いたまま音信不通となる。中学の親友であった、なおみとの文通だけが心の支えになり、『チボー家の人々』等の感想を送り合う。そんな中、...
戦中、川崎で両親を失い、兄を失い、親友も失った少女の最期を描いた作品。 中学で学徒動員を志望し、電球を作る工場に就職した節子。兄は親友とともに戦地に赴いたまま音信不通となる。中学の親友であった、なおみとの文通だけが心の支えになり、『チボー家の人々』等の感想を送り合う。そんな中、父親が出かけたきり行方不明となり、節子も肺病を患う…。 タイトル通り、最後には死しかない物語である。おそらく多くの部分は作者の経験に基づくものであろう。芥川賞っぽいなと思って読んでいたが、芥川賞受賞作品集にも収められているらしいので、間違いない。生々しさという点では、花村萬月の受賞作を読んだときの感覚と近く、重いタイプの芥川賞作である。 作品は、一貫して少女の視点で描かれ、世界を俯瞰するような話はない。戦争の悲惨さという部分もあるが、それ以上にやりたいことが出来ない無念さというところが大きいであろう。 一方で、最後はどうなるか解っているとはいえ、最初の方で全体の総括を行い、手紙ごとにエピソードがランダムかのように引き出される書き方で、時系列を考えてしまうタイプには、読むのが辛い。死んでしまったと思っていた母親が、一行改行のあとには生きていて、また敵機の機銃掃射で殺される。走馬灯のように思い起こす効果を狙ったのかもしれないが、少々読者を混乱させているのではないか。 会話をカッコを使わずに改行無しで続けたり、独特の記述の癖はあるものの、ストーリー全体は良かったと思う。ただ、いろいろと読みにくいのが難。
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とても素直で、とても勤勉で、 だからこそ太平洋戦争の渦中で戦争を全面的に支持して、 戦争の終わりに悲しい結末を選ばざるを得なかった女学生の話。 太平洋戦争を主題とした小説の中では、 これが一番心に残っている。 親や学校に「素直ないい子」として褒められて その期待に沿うように頑...
とても素直で、とても勤勉で、 だからこそ太平洋戦争の渦中で戦争を全面的に支持して、 戦争の終わりに悲しい結末を選ばざるを得なかった女学生の話。 太平洋戦争を主題とした小説の中では、 これが一番心に残っている。 親や学校に「素直ないい子」として褒められて その期待に沿うように頑張っている子は、現代でもそうだけれど、 世間の常識とかで、むしろ、ものすごく捻じ曲がらざるを得ないことが多いと思う。 捻じ曲がって、苦しくて、その状態が大人のいう「素直な良い子」となる。 「素直な良い子」だったから、どうしても別の道を選ぶことのできなかった、主人公。 戦争という狂った世界を作り上げた大人たちが、 心の底から憎くなる。
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