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「もじゃペー」に〈しつけ〉を学ぶ 日常の「文明化」という悩みごと
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 鍬谷書店 |
発売年月日 | 2012/09/01 |
JAN | 9784901665285 |
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教育の暴力性について考えさせられる絵本、『もじゃもじゃペーター』。 それは悪い子のままだったり、 社会規範に馴染まないと、 疎外されたり、命を落としたり、バッドエンドを迎える物語である。 悪い子が不幸になる物語。 それは、よい子になることを、教訓的に残している。 一種の怖さを...
教育の暴力性について考えさせられる絵本、『もじゃもじゃペーター』。 それは悪い子のままだったり、 社会規範に馴染まないと、 疎外されたり、命を落としたり、バッドエンドを迎える物語である。 悪い子が不幸になる物語。 それは、よい子になることを、教訓的に残している。 一種の怖さを伴わせて。 本書は、その『もじゃもじゃペーター』という絵本が、なぜできて、 なぜ世界に広がり、読み継がれてきているのかを考えることで、 教育の暴力性やしつけについて探求していくものである。 文明化された社会では、 二重の意味でしつけが必要であるとされる。 それは、文明の利器という危険性から、子どもたちを守るためと、 子どもたちの無邪気さから文明を守るためである。 そこではたらくのが、しつけではないか。 高度な社会では、街に危険がいっぱいであり、 それこそ、しつけがなされていないと、命を落とす危険があふれている。 子どもの自由意志に任せっぱなしで、好き放題させるのがよいことではない。 社会に適応させるために、子どもを抑圧する部分も生じてしまうのではないか。 一方で、子どもの無邪気さは、これまで受け継がれてきた文明を破壊する力を持っている。 子どもが社会に変容をせまるのである。 なぜ青信号を守らないといけないのか、なぜ歯磨きをしないといけないのか、なぜ、なぜ、なぜ。 子どものなぜや自由奔放さは、 社会の前提を疑い、文明の根底を揺さぶるまなざしをもっている。 そして、これまで築きあげてきた文明や社会のルールがなくなってしまっては、 生きにくさが生じてしまうこともあるのではないか。 文明の暴力性から子どもを守るため、 子どもの暴力性から文明を守るため、 しつけが機能している。 どんなしつけが望ましいか、どんな教育が望ましいかを、 即座に回答する類のものではないが、 子どもの主体性を尊重することと、しつけや叱りをなくしていいということは、 まったく異なるということを頭に入れておかねばならないだろう。 教えないこともまた、一種の暴力なのであると考えさせられはしないだろうか。 “『もじゃペー』をめぐってあれやこれやと議論しながらみえてくるのは、私の見通しが正しければ、子どもとは何か、大人とは何か、そして大人が子どもに働きかけること-とくに<しつけ>と呼ばれる働きかけ-とは何か、ということに対する回答であるはずです。”
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