1,800円以上の注文で送料無料

8・15と3・11 戦後史の死角 NHK出版新書388
  • 中古
  • 書籍
  • 新書

8・15と3・11 戦後史の死角 NHK出版新書388

笠井潔【著】

追加する に追加する

8・15と3・11 戦後史の死角 NHK出版新書388

定価 ¥858

220 定価より638円(74%)おトク

獲得ポイント2P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NHK出版
発売年月日 2012/09/10
JAN 9784140883884

8・15と3・11

¥220

商品レビュー

3.5

6件のお客様レビュー

レビューを投稿

2016/09/13

3.11以後も原発に依存する組織の論理がいっこうに改まらない現代日本を批判するとともに、かつて日米戦争を回避する機会があったにもかかわらず無謀な戦争に突き進み、戦後は8.15という破局を忘却してきたこの国の歴史のなかに見いだされる「ニッポン・イデオロギー」について論じています。 ...

3.11以後も原発に依存する組織の論理がいっこうに改まらない現代日本を批判するとともに、かつて日米戦争を回避する機会があったにもかかわらず無謀な戦争に突き進み、戦後は8.15という破局を忘却してきたこの国の歴史のなかに見いだされる「ニッポン・イデオロギー」について論じています。 著者は、日露戦争が最後の国民戦争であり、それ以降の戦争は世界戦争としての性格をもっていると主張します。太平洋戦争を経て、アメリカは従来の国民国家に対するメタ・レヴェルの審級に立つことになったにもかかわらず、戦後の日本ではそのことの意味が明確に把握されていませんでした。憲法九条を護持する左派も、日本の伝統を守るべきだと主張する右派も、この点では変わりがありません。さらに著者は、武谷三男に代表される「原子力の平和利用」論も、保守の政治家が説く「潜在的核保有」論も、この通弊をまぬかれていないと主張し、そのことが福島第一原発事故以降の議論における思想的根拠の欠如につながっていると指摘しています。そのうえで、こうした戦後日本の思想的問題の根底に、「ニッポン・イデオロギー」と呼ばれている問題がひそんでいるという著者の考えが提出されています。 著者自身のことばでは、「ニッポン・イデオロギーとは、挫折し頽落したアニミズムの精神的基層と、原型をとどめないまでに変形された輸入観念や外来思想の、アメーバのように無定形な複合体である」と説明されています。そこに、山本七平の「空気」に関する論考や、丸山真男の「古層」論などがかさねあわされて、歴史意識の欠如としての「ニッポン・イデオロギー」の内容を明らかにしようとしています。ただ、著者がその克服の道筋をどのように描こうとしているのか、明確に見えてこないように感じます。

Posted by ブクログ

2014/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者が本書を執筆するモチベーションは何なんだろうかと考えてみると、それは歴史を俯瞰してみることで真理を追究しようという発想ではないということがわかった。学問の世界では一般的であるこうした真理追究というのは、欧州キリスト教による宗教観によるもので、日本を含む欧州以外の地域においては、そのような価値観にもとづく世界史というものを押し付けられ、そうした世界秩序を強要されているに過ぎないと評しているからだ。 筆者のモチベーションは、何の論理もない単なる空気によって、先の大戦で200万人もの国民を死においやりながら、その責任に対峙せず、更に3・11における原発問題においても、事実に向き合わない「ニッポン・イデオロギー」というものに対する怒りである。 本書においては、護憲平和主義を唱える左派をも、歴史修正主義の右派同様に自己欺瞞だると切り捨てている。その意味で左翼自虐史観論などとは全く一線を画す意義があると思うのだが、最終章に書かれる結論は難解だ。近代的な論理思考をも否定してしまっているので理解が難しく、読みようによっては、従来の左翼的な発想と混同され、批判されてしまうだろうと懸念する。

Posted by ブクログ

2013/04/12

なぜ日本人は、負けると知ってて対米開戦に踏みきったのか そしてなぜ日本人は、 津波やテロや仮想敵国からのミサイルといった危険を知りつつ 海岸ぞいにいくつもの原発を建設してしまったのか このふたつの「自爆」は ニッポン・イデオロギーとでも呼ぶべきものによって通低している 日本人は、...

なぜ日本人は、負けると知ってて対米開戦に踏みきったのか そしてなぜ日本人は、 津波やテロや仮想敵国からのミサイルといった危険を知りつつ 海岸ぞいにいくつもの原発を建設してしまったのか このふたつの「自爆」は ニッポン・イデオロギーとでも呼ぶべきものによって通低している 日本人は、現実的あるいは精神的な危機に直面するたびに ニッポン・イデオロギーを発露させることで切り抜けてきた しかし同時に、それこそが「自爆」の呼び水でもあったわけだ この本では、3.11から対米敗戦、 日露戦争、黒船来航、さらにヘーゲルの言う「世界史の終わり」 果ては日本の成立といったところまでさかのぼり、 ニッポン・イデオロギーとはいかなるものか検証している

Posted by ブクログ

関連ワードから探す

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品