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青い脂
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青い脂

ウラジーミルソローキン【著】, 望月哲男, 松下隆志【訳】

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青い脂

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2012/08/24
JAN 9784309206011

青い脂

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商品レビュー

3.9

22件のお客様レビュー

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2023/09/11

禍々しいものを受け取った。 さてこれはどんな風に転がっていくのだろうと読み進めたが、いわゆる「物語」を期待していると、壁に投げつけたくなる作品じゃないかなと思った。 わたしはあまりにもソ連の歴史や政治、ロシアのそれに対する知識に欠けており、もうそれでいいやと解像度粗く読んでみたら...

禍々しいものを受け取った。 さてこれはどんな風に転がっていくのだろうと読み進めたが、いわゆる「物語」を期待していると、壁に投げつけたくなる作品じゃないかなと思った。 わたしはあまりにもソ連の歴史や政治、ロシアのそれに対する知識に欠けており、もうそれでいいやと解像度粗く読んでみたら、やっぱりおかしかった。笑うしかない。 クローン作家たちが苦しんで生み出した作品の副産物である青脂。よくは分からないけど、確かにその見た目は、人の気を惹くものなのかも。かくして、手から手に、流転していくことになる。面白かったのは、それが(望んでないことがほとんどだと思うが)引き継がれる瞬間、それまで青脂の持ち主だった者が客観的に描写されるのがやけにおかしかった。 過去のロシア文学といえば、チェーホフやゴーゴリをいくつか読んだ程度であまり知識が無い。ましてや、詩など! しかし、ここに出てくるアフマートワの描かれ方を見ると、詩というものがロシアでは深く親しまれていて、詩人は少なくとも一部の人達には熱狂的に愛されていたことが伺える。非常に不潔で怪物のような見た目の(あくまでもこの作品の中では、だけれど)彼女の歩いたあとをキスをする人々。彼女が生んだものを受け継ぐ者が、次から次へと候補者は来るのになかなか現れないのを見ても、その世界の豊穣さが感じられる。 見た目でいえば、特にスターリンのパートに出てくる人々は実在の人物が多く、でも検索してみるその肖像とは大きく乖離しているように見受けられたりして、この辺も文章で表現することの面白さを感じることができた。 いろんな層で楽しむことができるので、あまり肩肘張らずに飛び込んでみるといいんじゃないかな。

Posted by ブクログ

2023/03/26

 面白い部分もあったけれど、多分、あまりロシア文学への造詣が深くない人間や、コンテンツ(≒物語)を受け取ることに比重を置いた読み方をしていると、100%は楽しめないのかなあ、という感じ。自分はそういう人間だと思う。  IFの歴史が紡がれるところや、青脂の実態が(全貌ではないにして...

 面白い部分もあったけれど、多分、あまりロシア文学への造詣が深くない人間や、コンテンツ(≒物語)を受け取ることに比重を置いた読み方をしていると、100%は楽しめないのかなあ、という感じ。自分はそういう人間だと思う。  IFの歴史が紡がれるところや、青脂の実態が(全貌ではないにしても)明かされる辺りなんかは、面白く読めた。  全体として、説明が(意図的に)不十分で、何にも結実していかない感じがあって、彼らは、これは一体どうなったのか、というのが何遍も続く。出てきたものの帰結が最後まで書かれないもどかしさは、ずーっとあった。  IFの歴史については、かなり細かい部分まで注釈が(訳注だと思われる)が入るお陰で、それなりに理解しながら享受することができる。ただ、ロシア文学の代表作の文体をパロディしているだとか、ロシア文学の流れをなぞるような話の展開は、楽しむために知識ではない、感覚的・経験的な理解が必要になる部分だと感じた。  (補足があって大分分かりやすいとは言え)コンテクストに多くを任せる小説がそもそもあまり好きではないのだけれど、こういうものもちゃんと楽しめるようになりたいな、と思う自分もいる。  筆者(ないし文学の)辿ってきた歴史・変遷を踏まえた上で、そのある種のカウンターのように書かれたと思われる本作は、なんというか、先行作品の把握が求められるという意味合いで、極めてアカデミックな感じがする。

Posted by ブクログ

2018/10/30

混乱した言語世界。生半可なものじゃない。理解という概念は持たないことにした。 エロとグロとSFです。なんて簡単にまとめることは口が裂けてもいいたくない。 翻訳した事がすごい。文章という宇宙に放り出されて訳もわからず陵辱された私でした。 模写。造語。やりたい放題だよ。ぶっ飛んだ...

混乱した言語世界。生半可なものじゃない。理解という概念は持たないことにした。 エロとグロとSFです。なんて簡単にまとめることは口が裂けてもいいたくない。 翻訳した事がすごい。文章という宇宙に放り出されて訳もわからず陵辱された私でした。 模写。造語。やりたい放題だよ。ぶっ飛んだ狂気だよ。文学の破壊だこんなもん。 もっとやれ!!といえない作品は初めてだ。この衝撃は墓場まで忘れて支障なし。笑 星なんてつけてもね。

Posted by ブクログ

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