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戦争体験 朝日新聞への手紙 朝日文庫
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戦争体験 朝日新聞への手紙 朝日文庫

朝日新聞社【編】

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戦争体験 朝日新聞への手紙 朝日文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日新聞出版
発売年月日 2012/07/06
JAN 9784022617323

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2023/05/20

戦争は将校や兵士たち軍人だけでなく、一般市民の心の奥にも大きな傷を負わせた。わたしの父も東京大空襲の夜は南の空が真っ赤だったと、埼玉に居ながら幼い頃の記憶を持ち続けている。埼玉の片田舎にも進駐軍として米国兵士が来ていた事も覚えている。この時代は食料もなく親族を軍に捧げるなど、どの...

戦争は将校や兵士たち軍人だけでなく、一般市民の心の奥にも大きな傷を負わせた。わたしの父も東京大空襲の夜は南の空が真っ赤だったと、埼玉に居ながら幼い頃の記憶を持ち続けている。埼玉の片田舎にも進駐軍として米国兵士が来ていた事も覚えている。この時代は食料もなく親族を軍に捧げるなど、どの家庭も何らかの形で戦争の影響を受けている。勿論それらは大半が辛く悲しい想いであろう。 本書は朝日新聞社に寄せられた戦争体験を綴った内容となっている。主に戦場体験よりも一般市民のものが中心となっており、特に戦地に夫や親族を兵隊として取られた後に残された妻の記憶や、当時まだ幼かった人々の記憶も多く含まれる。 特に空襲を扱った章は地獄の様な凄惨なシーンが脳裏に深く刻まれる、読み進めるのが辛いほど惨たらしい現実がそこに見える。 その他、満州からの引き上げも、戦後の食糧難についても母親の子に対する愛情を深く感じられる記憶が多い。引き揚げ船で泣き叫ぶ子を守る母親、残飯を漁り笑顔で頬張る子供を見て人知れず涙する母親。満足に食べさせる事もできず、痩せ細っていく子供を見た母親の悲しみも想像に耐えられない。 兵士たちの記憶では仲間が戦場で飢えで亡くなっていく姿や、銃撃されて目の前で消し飛ぶ姿など、戦後も長く記憶から消えずに、時には夢に魘される。現代戦争でもあまりに凄惨な状況に陥ると精神が崩壊し、戦後も長い間苦しむ兵士は多い。十分なケアが制度化されていない昭和2、30年代なら今よりももっと状況は酷かったであろう。さらにそれを見る家族の苦しみも大きかったであろう。 本書後半はシベリア抑留も多く扱っており、1956年に最後の引き上げ船が出るまで長いと10年以上も強制労働に従事していた。中にはソ連崩壊まで帰国できなかった人もいるとのこと、大半の人生を兵士と捕虜として生きた人々もいた。なお私も幼い記憶でニュースで満州の残留孤児問題が流れていたのを記憶している。 戦争は戦時の悲惨さだけではなく、その後の食糧難や戦争孤児、抑留者など長期に渡り人々を苦しめ、そして心も肉体も破壊し続ける。 まだ世界中ではウクライナ戦争だけでなく、内戦含め数十の戦争が現在進行中で発生している。過去に日本人が体験した悲惨な状況は世界各地で続いている。戦争がなくならない限り、同じ様な悲しみや苦しみはどこかで続く。戦後80年近く過ぎようとしている。寄せられた手紙の中に現代の学生が伝えていく事の大切さに触れている。 生の声を聞ける時間はそう長くないかもしれないが、過去に起こした戦争を記録し、記憶として残すことが重要だ。G7首脳は広島の原爆資料館で何を思ったであろうか。

Posted by ブクログ

2017/08/15

年を取った人は、それだけで耳を傾けるべき何事かを持っていると、少し前までは思ってた。誰でもそれぞれに語れる何かは持っている。でも、耳を傾ける価値のある人はごくわずかだ。 現代の私には理解しがたい教育を受けた人の中には、年を取っても眉をひそめたくなる考え方をする人が多い。

Posted by ブクログ

2014/05/22

戦争体験をした世代から戦争を知らない世代まで幅広い年代の読者から朝日新聞に寄せられた戦争の話の投書。私は戦争を知らないうえに戦争を経験した世代から話を聞く機会がないため、この本を手にとって読んだがリアルすぎて苦しくなる。それほど、戦争というものは重いのだと感じる。

Posted by ブクログ

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