警察庁長官を撃った男 新潮文庫

鹿島圭介【著】

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2012/06/28
• JAN: 9784101362816

商品レビュー

2025/08/21

1995年の警察庁長官狙撃事件について、警察が流していた「オウム真理教犯人説」ではなく、別に真犯人がいる（本人が認めている）という内容。

真犯人がいることの意外性はあまりない。
普通に捜査していればたどり着いたであろう容疑者を「オウムのテロだ」と決めつける警視庁公安幹部のメンツと引き換えに無視する様子が描かれる。
一言でいえば無能なのだが、彼らがイメージされている「有能」さは実在するのか？　という疑問は当然のものだ。
左翼活動家へのスパイ活動という、特定の時代における、特定の活動にだけ秀でていて、時代の変化に対応できない組織なのでは？

公安の無能を感じさせるのはこの事件だけに限らないのだし。有能さが庶民に理解されるようでは困る、という言い分もありうるが、それが言い訳になっているのでは？

2024/12/07

警察の保身とプライドの為真実が封殺される現実。　オウムの仕業と固執する警察。
中村と呼ばれる老スナイパー（自白、証拠となる裏付けも次々と固められた）が現れるのにも関わらず警察がその真実をもみけした。
歴代の公安部長達、そしてその後警視総監を歴任する者達の愚行としかいいようがない。

この著者の取材力にも恐れいる。

2022/09/23

上司に勧められて読みました。
とにかく面白くて、読む手が止まらなかった。
自分はこの時まだまだ幼くて、正直、この話の舞台すら知りません。しかし、歴史として日本で大変なことがあったのだと言うことは認識しています。
真実が全てこの物語に詰め込まれているのではないかと思うくらいよく調べられており、興味深い内容ばかりでした。