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f植物園の巣穴 朝日文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
| 発売年月日 | 2012/06/07 |
| JAN | 9784022646675 |
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f植物園の巣穴
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f植物園の巣穴
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商品レビュー
3.7
131件のお客様レビュー
独特の世界観に心が折れかけたけれど、最後まで読んでよかった。 過去と向き合うことは苦しいこともあるけれど おかげで前に進むことができる。 そういうこともある。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
うわぁ・・・(まだまだわかっていないことがたくさんあるけど)そういうことかぁ。と、こうなんというかラストスパートでこれまでの緊張がふわっと解けるような読後感でした。 どうしてもネタバレしないと書き続けられそうにないので、未読の方はここから注意です。 主人公の名は後半になって判明しますが、佐田豊彦さんといいます。(確かまだ未読ですが、「椿宿の辺りに」の主人公の曾祖父にあたるそうです。) 豊彦さん、歯が痛いから歯医者に行くというところから物語が始まりますが、行った歯科医の奥さんが前世で犬だったため、忙しくなってなりふり構わなくなると犬になってしまうなどと、初めから妖しい空気感が漂います。風雨の中訪れた温かな光がともるスターレストランもなんだか不思議な雰囲気。そこで見た親子は何だったんだろう・・・下宿先の大家はふと気づくと、雌鶏の頭をしているように見えるし、思わぬところで思わぬ人(歯科医の奥さんだったり、スターレストランの給仕係だったり)に会い、思いもかけない言葉を投げかけられる。あげくに、豊彦さんはずっと女性ものの靴で歩いていたという衝撃の事実を大家さんに指摘される・・・今がいつで、どこにいるのか。読書はもちろんのこと、豊彦さん自身もよくわからなくなってくるけれど、とにかく仕事(豊彦さんはf植物園の園丁をしている)に行かなければならないし、歯の治療にも行かなくてはならない。その合間合間に豊彦さんの過去がわかってくる。千代という名のねえやについての思い出が不思議と鮮明なようで不鮮明。何かがおかしい。 そこで、豊彦さんはふと思い出す。大木のうろをのぞき込んで落ちた後、そこから出た記憶がない、と。 はーん、そういうこと。と少し納得がいくものの、不思議な世界は続く。ナマズ神主や烏帽子をかぶった鯉が出てきたり、また過去の記憶がよみがえり、大叔母が語ってくれたアイルランドの治水神を思い出したり。そして坊に会う。坊との行動はまるで冒険のようでもある。そこで、過去のトラウマからか、ねえやの千代に関する記憶が改変されていたことに気づく。まるでそのことに関する心の傷を隠していたものを取り去ったかのように、豊彦さんは過去の出来事をやっと事実として受け入れた(ように、私には思えました)。坊が行ってしまって、目が覚めた豊彦さんは、不思議な世界では亡き者となっていた妻が、うろに落ちてから意識がなかった自分を看病してくれていたことに気づく。 「あの子に会った」というだけで妻には通じた、というところにまたこの夫婦が抱いてきた大きな喪失が表れています。 豊彦さんが現実に戻ってすぐに物語は幕を閉じます。 不思議な世界でのあれは何を表していたのか、と考え始めるとまだまだ読み込みが足りないと思わされます。この物語は、たぶん複数回読むべきなんだろうと思いました。 この心地の良い不安定感は、たくさんの人が感想に書かれているように、「家守綺譚」に通じるものがありますし、和製「不思議の国のアリス」というのも、なるほどうまい表現だなと思います。 「海うそ」を読んだ後だからか、「喪失」の描き方が非常にうまい、さすが梨木香歩さんだと思いました。
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「椿宿の辺りに」の書評で皆さんが本書のことを触れている。椿宿はそんなに感銘した本ではなかったが、手を出してみる。 植物園の水生植物園の園丁である主人公。歯医者の家内の前生は犬、下宿の女大家の頭は鳥に見える。子どもの頃のねえやの千代、妻の千代、レストランの女給の千代が混然としてく...
「椿宿の辺りに」の書評で皆さんが本書のことを触れている。椿宿はそんなに感銘した本ではなかったが、手を出してみる。 植物園の水生植物園の園丁である主人公。歯医者の家内の前生は犬、下宿の女大家の頭は鳥に見える。子どもの頃のねえやの千代、妻の千代、レストランの女給の千代が混然としてくる奇妙な暮らし。やがて植物園の水辺で椋の木の巣穴に落ちたことを思い出す。 大叔母から聴いたアイルランドの妖精譚、アイルランドからの招聘教授マルクーニ先生から貰ったウェリントン・ブーツ、ねえやの千代や妻の千代との昆虫や木花の思い出。やがて水の中に入り、相棒と出会い、川に沿って進んでいく。 次々に奇想天外なことが起こり、ジェットコースターに乗ったようでもあり、夢の中にいるような感覚。 神話を引用した象徴的な意味もあるのかも知れないが判らない。 著者の「裏庭」も思い出したが、関係あるかどうかも判らない。 つまり巣穴に落ちた時期が胡麻化されていたんだな。 なんだかホッとして読み終えた。
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