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f植物園の巣穴 朝日文庫
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f植物園の巣穴 朝日文庫

梨木香歩【著】

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f植物園の巣穴 朝日文庫

638

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日新聞出版
発売年月日 2012/06/07
JAN 9784022646675

f植物園の巣穴

¥638

商品レビュー

3.7

129件のお客様レビュー

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2024/08/24

「椿宿の辺りに」の書評で皆さんが本書のことを触れている。椿宿はそんなに感銘した本ではなかったが、手を出してみる。 植物園の水生植物園の園丁である主人公。歯医者の家内の前生は犬、下宿の女大家の頭は鳥に見える。子どもの頃のねえやの千代、妻の千代、レストランの女給の千代が混然としてく...

「椿宿の辺りに」の書評で皆さんが本書のことを触れている。椿宿はそんなに感銘した本ではなかったが、手を出してみる。 植物園の水生植物園の園丁である主人公。歯医者の家内の前生は犬、下宿の女大家の頭は鳥に見える。子どもの頃のねえやの千代、妻の千代、レストランの女給の千代が混然としてくる奇妙な暮らし。やがて植物園の水辺で椋の木の巣穴に落ちたことを思い出す。 大叔母から聴いたアイルランドの妖精譚、アイルランドからの招聘教授マルクーニ先生から貰ったウェリントン・ブーツ、ねえやの千代や妻の千代との昆虫や木花の思い出。やがて水の中に入り、相棒と出会い、川に沿って進んでいく。 次々に奇想天外なことが起こり、ジェットコースターに乗ったようでもあり、夢の中にいるような感覚。 神話を引用した象徴的な意味もあるのかも知れないが判らない。 著者の「裏庭」も思い出したが、関係あるかどうかも判らない。 つまり巣穴に落ちた時期が胡麻化されていたんだな。 なんだかホッとして読み終えた。

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2024/06/29

あれ? おっかしいな~。 「家守奇譚」は大好きだったのに……。 はい。あらすじ。 【月下香の匂ひ漂ふ一夜。歯が痛む植物園の園丁は、誘われるように椋の木の巣穴に落ちた。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、烏帽子を被った鯉、アイルランドの治水神と出会う。動植物と地理を豊かに描き...

あれ? おっかしいな~。 「家守奇譚」は大好きだったのに……。 はい。あらすじ。 【月下香の匂ひ漂ふ一夜。歯が痛む植物園の園丁は、誘われるように椋の木の巣穴に落ちた。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、烏帽子を被った鯉、アイルランドの治水神と出会う。動植物と地理を豊かに描き、命の連なりをえがく会心の異界譚。】 もうこれは完全にこちら側(私)の読解力の問題だろう。 読みづらい。 薄い本なのにちっともページをめくっていけない。 ちょっとユーモアが足りない。というか高尚過ぎてうまく受け取れないだけかな。 主人公にイマイチ思い入れが出来なかった。 でも、本作の続編というか姉妹編?の作品はまだ読んでる最中だが、そこそこ楽しく読めてるのに。 う~ん。期待し過ぎたのかな。 なんか村上春樹の「騎士団長殺し」の後半を読んでるような感じでした。 出たのはこっちが先か。 次に期待しよう。

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2024/03/20

f植物園に転任してきた佐田豊彦。 造成された水生植物園が担当だ。 彼はそこを「隠り江」と名付けて情熱を注ぐ。 が、ある日大切にしていた日本水仙がなぎ倒されていることに気付く。 何物かが通ったように、椋の大木の"うろ"から水辺へと倒れていたのだ。 思い起こせば...

f植物園に転任してきた佐田豊彦。 造成された水生植物園が担当だ。 彼はそこを「隠り江」と名付けて情熱を注ぐ。 が、ある日大切にしていた日本水仙がなぎ倒されていることに気付く。 何物かが通ったように、椋の大木の"うろ"から水辺へと倒れていたのだ。 思い起こせば、自分はその"うろ"に落ちたのではなかったか? なのに、そこからの記憶がない。 次の記憶は唐突に自室で寝ている場面。 そして歯痛の為に歯科医へ。 前世は犬だったという歯科医の妻、ナマズの神主…次々現れる不思議な人物と、交錯する千代との思い出、ねえやのお千代との思い出、椋の大木、かつて抜いてしまった白木蓮。。。 "うろ"に落ちて以来、何かがおかしい。 「論理的に考えると、うろに落ちてうろから出た記憶がない場合は、未だにうろの中にいるということになる。が、それは論理的には正しくとも私を取り巻くこの現実の展開にはそぐわない。」 これは一体…。 主人公は歯痛に悩まされながら"うろ"に落ちる。 そして、不思議な現状と過去の思い出を行ったり来たりしながら、 蓋をして忘れていた大切な思い出、関わった人の思い、時の流れ、人の生き死にや連なりとに、少しずつ向かい直す。 時は川のように流れてゆくもの。 水は正しき方向へ流してやらなくてはならない。 止水しては滞りを生んでしまう。 主人公はこの不思議な世界で自らを形作っている人や風景を再確認し、過去を取り戻し、真実と向き合っていく。 「しくしくとした歯の痛みは、そのまま軽い陰鬱の気を呼び、それが気配のしんしんとした雰囲気とよく狎れ合って、何所とも知れぬ深みへ持って行かれるような心地。」 「それにしても「千代」が寄ってくる人生である。」 「おや、この千代はその千代かこの千代かあの千代か。ふと、箸を止めて考え込む。どうも「千代なるもの」が渾然一体としてきている。」 「この木、以前は目につかなかったのだが。」 「ーはあ。けれどそんなこと、誰にも分かりませんよ、見えてくるまでは。」 「そうだ、すっかり忘れていたが、月下香は妻の千代の好きな花であった。」 「……とにかくこの滞りを取り、水を流さねばならぬ、……」 「カクスナ。アラワレル。」 土瓶さんのレビューを参考にし、積んであった『裏庭』を避け、代わりに…と手に取ったのが本書だった。 面白かった!! 後半から様々なことが明らかになってゆく。 梨木香歩さんだとやはり『家守綺譚』には敵わないのだけれど、ユーモアもありながら感動する作品。 読み終えても暫く余韻に浸ることとなった。 不思議に可愛らしい河童の坊(道彦)には情が湧く。 ☆大気都比売(おおげつひめ) 日本神話における食物の神。

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