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つげ義春の温泉 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2012/06/08 |
JAN | 9784480429537 |
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つげ義春の温泉
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商品レビュー
3.6
13件のお客様レビュー
2024年3月読了。 200ページ程度の小著の内の140ページが著書による温泉場の写真、残りのページは地方別に温泉地探訪記で構成されている。 1960〜80年代初頭にかけての記録なので、掲載されている温泉宿の多くは既に廃業してしまっているので再訪は叶わない宿が多いと思われる。...
2024年3月読了。 200ページ程度の小著の内の140ページが著書による温泉場の写真、残りのページは地方別に温泉地探訪記で構成されている。 1960〜80年代初頭にかけての記録なので、掲載されている温泉宿の多くは既に廃業してしまっているので再訪は叶わない宿が多いと思われる。 161ページ(群馬県・湯平温泉) 私は、無口でひかえめな人柄の主人に親しみを覚え、こんな粗末な宿で、家族ぐるみ住み込んでいる境遇を想ってみたりした。質素で慎ましい埋もれたような人生は、不遇にみえることもあるけれど、こういう辺鄙な片隅ではあっても、平穏無事に過ごせるなら悪くはないのではないか、不遇なら厄災も張合をなくして相手にしなくなるのではないかと、自分の不調のことも思い巡らせていると、何かしら癒しに似た心持ちも兆し、いつか眠りに落ちた。 →ここまでの心境に至るにはまだまだ俗世の垢に塗れないと至ることはできなさそうだ。 163ページ(埼玉県・秩父地方) 鉱泉は素朴な田舎宿のほうが味も濃いわけで… →華やかな温泉地もよいがしみじみとした鉱泉で心静かに数日過ごしてまた都会に帰る、みたいな生活に憧れがあるが未だ達成できずにいる。 168ページ(同上) →柴原鉱泉の「白百合荘」という宿が紹介されているが、今はもう存在しないようだ。でも柴原鉱泉自体は存在しており宿もある模様。西武鉄道がレッドアロー号の運行を頻りに宣伝していて往時の静かさをあまりに期待し過ぎると裏切られそうだが、次の旅行地には好適かもしれない。 177ページ(山梨県・下部温泉) →ここでは大市館という宿が紹介されているが、この宿もどうやら廃業済みのようだ。下部温泉には身延山に行く途中に立ち寄ったことがある。当時(10年近く前)でも大型観光ホテルは廃墟化していてなかなか寂しげな雰囲気であったが、公衆浴場は渓流を眺めることができる場所にあり、なかなか良い場所だったと記憶している。井伏鱒二が投宿したという源泉館は今も稼働中なので、今度行く時は是非宿泊してみたい。望むらくはオーバーツーリズムを起こしていないことのみ。でも大した観光地はなかったと記憶している。都心からのアクセスも良くはない。 190ページ(伊豆半島・松崎) →「長八の宿・山光荘」に投宿したとのこと。ここは現存している。 温泉に行くというと一大イベントだったような気もするが、もう少し気楽に、「何もすることないからとりあえず温泉にでも行くか」くらいの軽い感じで温泉に行けるようになりたい。 こんな条件を満たす温泉宿を探している。 ・東京から遠すぎない(電車で2時間圏内くらい) ・メジャー観光地ではなく、大して見るべきものはない ・温泉は加水や沸かしをしていない、でも洗い場はそこそこ綺麗に保たれている ・宿主やスタッフとの距離感は近過ぎず遠過ぎず ・渓流の流れか海の波の音が聞こえてきたら尚可 ・山の中なのに海鮮が出てきたり、海の近くなのに山の幸が出てくるといった矛盾を生じない ・価格は「節度感」次第。安ければよいというわけではない。
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ネガティブでうつ傾向の筆者が、質素で地味な温泉や鉱泉宿を訪ねる旅行記。 静かな環境で鉱泉宿を営むことまで夢想する。
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写真3分の2、残りが紀行文の構成。 女湯の中も撮りまくっていて、当時はおおらかだったのかと思ったが、文章の中ではやはり地元の人から咎められている。いくら昭和とはいえそりゃそうだ。 鄙びたところ、何もないところに味を求めるのは百閒先生にも通じるところ。
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