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失われた時を求めて(4) 花咲く乙女たちのかげに Ⅱ 岩波文庫
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失われた時を求めて(4) 花咲く乙女たちのかげに Ⅱ 岩波文庫

プルースト【作】, 吉川一義【訳】

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失われた時を求めて(4) 花咲く乙女たちのかげに Ⅱ 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2012/06/18
JAN 9784003751138

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商品レビュー

4.1

7件のお客様レビュー

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2024/07/23

ジルベルトとの恋は、つかのまの輝きを残して、春の淡雪のように潰え去ってしまう。 この間の精緻な心理描写には舌を巻かざるを得ない。 巻末で、いまや自らサロンの女主人となったオデットが、ボワ・ド・ブーローニュ大通りを散策する。 このシーンは、映画「スワンの恋」でもラストシーンに使わ...

ジルベルトとの恋は、つかのまの輝きを残して、春の淡雪のように潰え去ってしまう。 この間の精緻な心理描写には舌を巻かざるを得ない。 巻末で、いまや自らサロンの女主人となったオデットが、ボワ・ド・ブーローニュ大通りを散策する。 このシーンは、映画「スワンの恋」でもラストシーンに使われていた。 オデットのあまりに優雅で堂々たる存在感に、おそらく彼女も「花咲く乙女たち」の一輪に違いないと思えてくる。 『今や歳をとり、そのほとんどの女性が美しさを失った。ところがスワン夫人は、厳かに笑みをうかべ善意にあふれてボワ・ド・ブーローニュ大通りを進みながら、その気高い富の絶頂から、いまだ色香のあせない円熟の夏の栄光の極みから、 ゆったりした足どりのもとに多様な世界が流れてゆくのをヒュパティアのように見ていたのである。 ―中 略― ジルベルトのせいで当時の私が味わった心痛が消えてかなり経ったあとにまで生き残ったのは、五月の十二時十五分から一時までの時刻を日時計の文字盤に読もうとするたびに、こうしてスワン夫人と語らう私のすがたを夫人の日傘のかげに、藤棚の色に映えるようにありありと目に浮かべる楽しみである。』(第二篇花咲く乙女たちのかげに 第一部スワン夫人をめぐって) 訳者の吉川先生が、あとがきで「『失われた時を求めて』は、たんなる小説ではなく、小説と評論の総合であり、みずからの根拠を提示する小説だからである。プルーストの小説が二十世紀の「ヌーヴォー・ロマン」と呼ばれた新しい小説を触発する前衛となった所以もそこにある。」と書いているのも、極めて興味深い。

Posted by ブクログ

2022/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「かつてシャンゼリゼで漠然と気づいたことで、その後もっとよく理解できるようになったことがある。それによると、ある女性を愛しているとき、われわれは相手に自分の心の状態を投影しているだけであり、それゆえ重要なのはその女性の価値ではなく自分の心の状態の深さであり、それゆえつまらぬ娘の与えてくれる感動のほうが、優れた人と話したり、いや、その作品を賞讃をこめて眺めたりすることで与えられる喜びよりも、われわれ自身のずっと内密で個人的や、また深遠で本質的な部分を意識のうえに浮かびあがらせることがあるのだ」p.415

Posted by ブクログ

2020/03/20

訳者あとがきで改めて認識するが、読みどころの多い小説である。芸術論、社会の法則、人間心理観察など色々な読み方ができる。 良きことを為そうとして悪しくなる。257〜258p 観察より創造。283p 陽キャの女性ティーンズの巧みな描き方

Posted by ブクログ

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