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冥王星を殺したのは私です 飛鳥新社ポピュラーサイエンス
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 飛鳥新社 |
| 発売年月日 | 2012/05/18 |
| JAN | 9784864101622 |
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冥王星を殺したのは私です
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商品レビュー
4.1
28件のお客様レビュー
再読したけど、やはり中盤での冥王星降格決定から著者の陥落していく人生の様子が、「冥王の道連れ」に見えてならない。 なぜ、冥王星は惑星から外れなければならなかったのか。恐らく、みんなが思うことだと思うが、「惑星」と「その他の遊星」は分ける必要があったからだ。太陽系にはあり得ないく...
再読したけど、やはり中盤での冥王星降格決定から著者の陥落していく人生の様子が、「冥王の道連れ」に見えてならない。 なぜ、冥王星は惑星から外れなければならなかったのか。恐らく、みんなが思うことだと思うが、「惑星」と「その他の遊星」は分ける必要があったからだ。太陽系にはあり得ないくらいの天体が、その重力圏に捕まっており、系外から飛来して重力に捕まる天体も少なくない。 惑星の数が増えて困ることの一つに、無個性のものにまで手当たり次第名前をつけられてしまうと、名前を残すだけ残して、その天体の研究は進まないことが挙げられる。読書家のみなさんなら心当たりがあるだろう。積読と似ている。本だけが増えて読めていないのと全く同じことだ。 このことからも、準惑星という定義を新たに設けた理由は明確だ。「惑星の定義に当てはまらない天体」。惑星の定義は非常に細かい。大気がある程度あり、衛星を持っていることなどの他に、「公転軌道が複雑じゃないこと」などが挙げられる。冥王星は、まさにこれに引っかかったのだ。 太陽系の惑星は楕円軌道を取っている。概ね、太陽が重心となっていて、配列は横並びのようになっている。しかし、冥王星は太陽が軌道円の中心でもなければ、軌道が傾いている。そのため著者は、「冥王星の軌道みたいな星って、単に重力に引っかかってる遊星じゃね?」と思ったのだ。この定義によってふるい落とされた第n惑星たちは、すべて「準惑星」となった。 著者はここから、様々な天文学者らから非難を受ける。中にはスピってる言いがかりのようなものまであった。しかしこれがどんどん拡大して、一般人からも苦情が相次いだ。著者はただの研究者の一人だ。メンタルがそこまでしっかりしている訳ではない。気力を失い、仕事もはかどらなくなった。 彼はただ、新たな惑星を探すために、宇宙を眺めていただけだったのに。天文学者として、我が名を施した天体を、後世の科学者が研究することは、矜持の頂点であり、至高の誉であると、真剣に信じていた。そこで感じた「違和感」に真剣に向き合っただけだった。 宇宙を見上げる力を失い、足元をすくわれないように、そのいい目は使われてしまった。 タイトル「冥王星を殺したのは私です」は、自戒の念が込められている。『それによって、罰を受けたのは私です』と。 本当に中盤からのスピード感は圧巻だった。
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実に面白かった。 冥王星が惑星でなくなったときのことはよく覚えているが、エリスの発見者自身が、エリスも冥王星も惑星に含めるべきでないと主張していたとは、知らなかった。 太陽系の惑星に全く興味のない人が読んだら、保証の限りではないけど、ユーモアたっぷりだし、全体の構成も良く、とて...
実に面白かった。 冥王星が惑星でなくなったときのことはよく覚えているが、エリスの発見者自身が、エリスも冥王星も惑星に含めるべきでないと主張していたとは、知らなかった。 太陽系の惑星に全く興味のない人が読んだら、保証の限りではないけど、ユーモアたっぷりだし、全体の構成も良く、とても読みやすい。訳も良いんだろうけど、元が良くないとここまでにはならない。
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水金地火木土天海冥。 ここから冥王星が外れたというのは中学生の時にニュースを見て知っていて、当時は矮惑星(現在では準惑星というのが通例らしい)に分類されたのも覚えていた。 しかし、それがどうしてなのかというのははっきりとは覚えていない。 山本弘の「ビブリオバトル部シリーズ」で紹介...
水金地火木土天海冥。 ここから冥王星が外れたというのは中学生の時にニュースを見て知っていて、当時は矮惑星(現在では準惑星というのが通例らしい)に分類されたのも覚えていた。 しかし、それがどうしてなのかというのははっきりとは覚えていない。 山本弘の「ビブリオバトル部シリーズ」で紹介されていたことがきっかけで本書を知り、ずっと読みたいとは思っていたが、文庫がないために後回しにしていた。 最近図書館を利用するようになったので、すぐに借りられる中から本書を選んだ。 冥王星がどうして惑星の枠から外れることになったのかが主題ではあるが、予備知識は全く必要ない。 読み進める上で必要な事柄についてはジョーク交じりにわかりやすく教えてくれる。 いくつかあるので箇条書きでメモ。 ・英語圏の人は惑星の順番を覚えるときに「My Very Excellent Mother Just Served Us Nine Pizzas.」を使うらしい。英語圏の人に聞いてみたらやはり知っていた。 ・天体には命名規則がある。水星のクレーターには亡き芸術家の名前、天王星の衛星にはシェイクスピアの作品の登場人物の名前、カイパーベルト天体には神話に登場する創世神の名前。そういう一種の縛りがあるのに、その天体の特性にあった物語を持つ名前が見つかったりするのはロマンチック。 ・惑星が見つかると、それを記念して新しい元素に名前が使われる。天王星(Uranus)→ウラン(Uranium)、ケレス(Ceres)→セリウム(Cerium)、パラス(Pallas)→パラジウム(Palladium)、海王星(Neptune)→ネプツニウム(Neptunium)、冥王星(Pluto)→プルトニウム(Plutonium) ・新しい天体の発見には「ブリンク・コンパレーター(点滅比較計)」というものを使う。同じ空の領域を時間差で撮影した2枚の写真を見比べる……結構原始的!もちろん今はプログラムがある。 ・宇宙船を遠くに行かせたいときには宇宙船を木星に向かわせ、その重力を利用する。同じようにカイパーベルト天体が海王星に近づくと弾き飛ばされてしまうが、海王星の重力が小さいために、太陽系外まで飛ばす力はない。そのため、軌道が楕円形になる。これを散乱カイパーベルト天体という。 こういう知識を得られるのもおもしろいが、個人的には天文学が科学という学問でありながらとても人間臭い一面を持っているということが興味深かった。 学者には誰かに先を越されないかという不安があり、そして早く発表したい気持ちと正確にまとめなければいけないという責務の間の葛藤と戦っているということ。 研究には膨大な作業と時間が必要で、優秀な学者でも甘えたくなる気持ちがあるということ。 そして話は「惑星」の定義に及んでいくが、そこには天文学会内での政治が影響していたり、科学が文化とも結びついているせいで科学における判断だけでは決めきれないものごとがあったりする。 こういう自然界には関係のない人間界のごちゃごちゃを見せられると、言葉の定義などというものは人間が勝手に決めているただの言葉遊びで、必要ないんじゃないかと思えてくる。 実際にそういう学者もいるらしい。 でも、著者は何かを科学的に理解するときには分類が必要だという話をしていて、彼の科学に対するスタンスが見える。 「分類とは、自然界がもつ無限の多様性をそのままにせずに、最終的に理解できるようなもっと小さなかたまりに分けるための方法だ。」 冥王星をどこに分類するかという話の中で、準惑星(Dwarf Planet)という名前は形容詞がついているだけで惑星の仲間だと誤解される可能性について触れていたが、私は「じゃあ小惑星はどうなんだ?」と思った。 それで調べたら小惑星は英語だとAsteroidでplanetってついてないんだな……。 これは本文中に訳注であってもいいと思った。 今や8個になってしまった太陽系の惑星だが、最近の研究だと9個目が存在する可能性が提唱されているらしい。 そして、惑星を8個にしてしまった著者がまたも関係しているとのこと。 これらの研究にまつわる本も読んでみたい。 このレビューを読んだ方で、何か関連する本をご存じの方がいましたらぜひ教えていただけると幸いです。
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