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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2012/05/17 |
JAN | 9784000229210 |
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片岡義男の書く「日本語と英語」論はいつも私の襟を正すものとして読める。彼は恐らく言葉の唯物論者なのだろうと思う。彼の中には少なくとも日本語と英語という2種類の言葉が備わっているわけだが、その言葉は単に話し言葉/書き言葉という次元を超えて彼の行動規範/価値観を左右するもの、思考回路...
片岡義男の書く「日本語と英語」論はいつも私の襟を正すものとして読める。彼は恐らく言葉の唯物論者なのだろうと思う。彼の中には少なくとも日本語と英語という2種類の言葉が備わっているわけだが、その言葉は単に話し言葉/書き言葉という次元を超えて彼の行動規範/価値観を左右するもの、思考回路を支えるものとして機能していることが話される。私たちだって同じように言葉を操りあるいは言葉に操られていると言えば言えるわけだが、彼の中で常に働くそうした「操る/操られる」という力学に彼は自覚的になり、こうした私小説的随筆に結実する
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片岡義男はこのところ『日本語/言葉』に関する言及をいろいろしているけれど、その立ち位置が「物書き」としてでも「学究的」なものでもないところがいかにも彼らしくて面白く読んでいる。 でもこの作品にはびっくりした。何と、自伝なのである。彼はいろいろなエッセイに自分の少年時代や就職前後...
片岡義男はこのところ『日本語/言葉』に関する言及をいろいろしているけれど、その立ち位置が「物書き」としてでも「学究的」なものでもないところがいかにも彼らしくて面白く読んでいる。 でもこの作品にはびっくりした。何と、自伝なのである。彼はいろいろなエッセイに自分の少年時代や就職前後の話などをちりばめているので、なんとなあくどういう経歴なのかはわかっていたつもりだったけれど、そんな「つもり」は吹き飛ばされるほどにユニークな生い立ちだったことに改めてへええ、と思わされた。 中味を書いちゃうとネタバレになるから抑えるけど、今までちょっと不思議に思っていた彼の文体、語彙の選択などについての理由が一挙(とまではいかないのだけれど)にわかったような気がさせられる内容といえる。 もちろん、彼とてこうやって分析をしながら育ってきたわけではないだろうけれど、今自分の職業の根幹にある『言葉』というツールをつかって、そのありようの変化をもとに自分の人生を見なおす、まさに「生きる」ということ、新しい視点をもらえたようでとても得した気分になった。
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学生時代は片岡義男にはまっていて、本棚が真っ赤な文庫本で埋め尽くされていた。あの、カッコいい世界に憧れていた。 そんな世界が描ける片岡義男ってひとは秘密のベールの向こう側にいるような感じだった。この本でそのベールがかなりとれた感じ。 それでも、居酒屋の壁にかかった品書き「塩らっき...
学生時代は片岡義男にはまっていて、本棚が真っ赤な文庫本で埋め尽くされていた。あの、カッコいい世界に憧れていた。 そんな世界が描ける片岡義男ってひとは秘密のベールの向こう側にいるような感じだった。この本でそのベールがかなりとれた感じ。 それでも、居酒屋の壁にかかった品書き「塩らっきょう」と「えんどう豆」だけで、如何に小説が書けるか は、さすが片岡義男ワールドです。 いいなぁ、やっぱり。
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