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女の旅 幕末維新から明治期の11人 中公新書
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女の旅 幕末維新から明治期の11人 中公新書

山本志乃【著】

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女の旅 幕末維新から明治期の11人 中公新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2012/03/24
JAN 9784121021557

女の旅

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商品レビュー

3.3

10件のお客様レビュー

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2024/06/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

この著者、文章が上手だなぁ。 過去の人間を一人称で語り、それがとても活き活きと表現されているような気がする。それにしても色々な人生もあったものだ。この頃の旅は命懸けだろうし、言葉も文化も風習も場所ごとに全然違って面白かったんだろうなぁ。旅行というより、まさに旅という感じ。ある意味、何かを成した人たちがこうして物語として蘇っているわけだが、それ以外にも色々な人生があったんだろうなと思わせられる本だった。そしてそれぞれの女性が強いこと。控えめな女性を演じながらところどころで芯の強さを発揮している。 津田梅子は言わずもがな、旅芸人花子、富士山で気象観測した野中千代子、欧州に結果的に居着くことになってしまったクーデンホーフ光子、モンゴルにスパイとして派遣された河原操子、日本で美容院を開いた山野千枝子などなど特に興味深かった。 P.13 民俗学者の宮本常一も指摘していることであるが、プライバシーがないことは、常に多数の人の目に触れるということでもある。このことが結果的に、危機の回避につながったとも考えられる。 日本の民家は、プライベートな空間がきわめて少なく、間取りの大半を来客や寄り合いのために割かれるという特徴がある。プライバシーを極力排除することで、互いの生活や安全を保ってきた社会の仕組みに、おそらくイザベラも旅をしながら気づいたのではないか。 P.83(黒田清隆) 黒田は、一八七一年一月、視察のために訪れたアメリカで、女性が社会的に優遇され、家庭でも大きな影響力を持っていることに衝撃を受ける。帰国後、黒田は建議書のなかで、「開拓」には人材が必要であること、その人材を育てるには、母である女性がまず、豊かな知識を身につけていなければならないことを力説した。日本が文明国として成長を遂げるには、女子に対する本格的な教育が不可欠と結論づけたのである。 P.152 日本政府が目をつけたのは、内蒙古49旗のうちの一旗、カラチン王府であった。(中略)まずは一九〇二年の春、カラチン王を大阪の内国勧業博覧会に招待した。王は日本の近代文明にすっかり感じ入り、日本式の教育を導入したいと言い出した。蒙人よりも漢人の人口比がはるかに多く、清とロシアという二つの大国の間にあって、主体的な近代化への道を模索していたカラチン王にとっては、アジアの小国である日本が果たした近代国家への脱皮は、緊急に見習うべき具体像でもあったのだ。 P.155 教育に関して、日清戦争の勝敗は、両国のあいだに特殊な結びつきをもたらした。列強に対して虚勢を張る日本は、「脱亜」を果たしたわが国が未開の清を教導するのだという驕慢な発想を抱いていた。清は清で、日本の教育制度のなかに近代化の鍵があるとみた。少なくとも一九一〇年代まで、教育面における清のお手本は日本であった。結果、何百という日本人が清国全土の教団に立つことになる。その初めての女性が、操子であった。 P.157 操子のカラチン行きは「官命」であった。職務は、王室の教育顧問として女学堂を設立することだが、同時に軍事的な諜報活動も課されていた。 しかし、彼女を送り込む真の目的は、さらに先を見越したところにあった。 それは、蒙古のなかに「日本」を作ることであった。政府にしてみれば、女学堂はあくまで、王室を日本的に感化するための道具のひとつであった。事実、開校後の時間割では、蒙古語と漢語に加えて、日本語の授業にどの言語よりも多くの時間が割かれていた。そればかりでなく、もうこの祝祭日と同様に、日本の紀元節や天長節までもが、休校日の中に組み込まれていた。操子は、明治期の教師が潜在的にそうであったように、お上が遣わす伝達者としてカラチンに不妊したのである。

Posted by ブクログ

2020/05/16

その時代のバックグラウンドの中で、困難と思われることも実行にうつすことはできる。女性の場合は男性よりもしがらみは多い。現代でも少なからずある。その中でどう考え実行するかがら自分の人生をつくるポイントである。

Posted by ブクログ

2015/04/06

江戸時代の女性放浪人の記録。 俗世を捨て、旅と和歌に生きるおんな。 波乱万丈な人生を抜け出し欧州で活躍し、ロダンに愛されたおんな。 逆境と動乱の時代にこそ偉大な人物は輝く、苦境をチャンスに変えていくことが重要。 強く美しく生きる女の歴史、必読です。

Posted by ブクログ

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