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ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる
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ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる

マイケルルイス【著】, 東江一紀【訳】, 藤沢数希【解説】

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ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2012/01/26
JAN 9784163749006

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商品レビュー

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2014/12/22

積読にしておいたら文庫本が出てしまったので慌てて読んでようやく読了。 2008年からのヨーロッパの財政危機に対して、なぜ危機が起こったのかについての各国のレポートである。 まずはじめにアイスランド。伝統的な漁師の国で危険を顧みず漁をしていた漁師が投資家になり、リスクを顧みずに投資...

積読にしておいたら文庫本が出てしまったので慌てて読んでようやく読了。 2008年からのヨーロッパの財政危機に対して、なぜ危機が起こったのかについての各国のレポートである。 まずはじめにアイスランド。伝統的な漁師の国で危険を顧みず漁をしていた漁師が投資家になり、リスクを顧みずに投資を続けたのが原因だとしている。もっとも、投資をするように勧めたのはウォール街の連中だったが。 次にギリシャ。公務員が民間企業の3倍の給料を取り、その上公務員が多い。脱税は当たり前で、賄賂も横行している。その上、国家支出を粉飾していたとなっては話にならない。税金もみんなで払わなければ怖くないと言うことだろうか。ギリシャ人は陽気でいい人が多いらしいが、自分の利益だけを追求するのであれば国家が破綻するのは当然だろう。 そして、アイルランド。国内不動産のバブルに乗って大きな開発をしたのはいいが、破綻。銀行の破綻を食い止めようと国が負債を肩代わりすることになるが、あとからあまりに額が多いことがわかり、結局税金として国民に大きな負担がかかっている。アイルランドから逃げ出した人もいるようだが、逃げられないアイルランド人はそれを堪え忍ぶしかない。 その次は優等生ドイツ。「なぜ、ギリシャの放蕩をドイツが助けなければならないか」と言う議論は記憶に新しい。ドイツは規則をきちんと守り銀行家の意識も高い。それでも、サブプライム問題でドイツはかなりの損害を受けている。ドイツは格付け機関の評価による AAAという債券を優良債券として信じ込んで投資してしまったのが問題で、ウォール街の連中にしてやられたと言える。また、形式的にきちんとしていることを重んじることが裏目に出たとも言える。さらに、アメリカ式の接待漬けに感覚が麻痺した様子もうかがえる。 そして、アメリカ。自由主義の名の下に自分の利益だけを考え、周りのことを考えない連中が州の財政を悪化させ、最後は自分の首を絞めている。州の財政が破綻し、警察官、消防士などの公務員が削減され、市役所が半ば閉鎖されているところもある。映画俳優のシュワルツェネッガーにカリフォルニア州知事時代のことをインタビューしており、議員が利益団体の意向に逆らえず重要ななすべき法案が成立しなかったことを語っている。 本書はアメリカのウォール街の飽くなき利益追求がヨーロッパの各国の財政危機招き、ブーメランのように自分のところ(アメリカ)にかえって来るというのが本書のタイトルの由来だと言える。 本書の訳者後書きにあるように、日本も国債を大量に発行しておりいったいどうなることか非常に心配である。結局は税金による処置しか考えられないのだろうが、税金を払っていない巨大企業が多いようなので、大いに矛盾を感じる。

Posted by ブクログ

2014/09/27

 ブラッド・ピット主演で映画化された『マネー・ボール』の著者が、欧州危機で瀕死の状態に陥ったギリシャ、アイスランド、アイルランド、そして一人勝ちとみられているドイツを訪れる。じゃぶじゃぶのバブルに踊った3カ国は、カネをつかんだときにどんな行動に出たのか? それがはじけたときどんな...

 ブラッド・ピット主演で映画化された『マネー・ボール』の著者が、欧州危機で瀕死の状態に陥ったギリシャ、アイスランド、アイルランド、そして一人勝ちとみられているドイツを訪れる。じゃぶじゃぶのバブルに踊った3カ国は、カネをつかんだときにどんな行動に出たのか? それがはじけたときどんな姿を見せたのか。  漁師の国から一転「金融立国」を目指したアイスランド。なぜ彼らは、ど素人の自分たちを「金融の才能がある」と思い込むことができたのか? 公務員が民間企業の三倍の給料を取るギリシャでは、GDP統計の粉飾、賄賂・地下経済の横行、収税吏までが不正をする徴税能力のなさなど、EU加盟国とは信じられない無残さがさらけだされる。アイルランド人は自分たちだけがうまい汁をすった銀行を国税で救ってじっと堪え忍ぶ。ドイツ人は自分たちで浪費はしないくせに、せっせと彼らに浪費のためのカネを貸しまくる。  ただの経済本ではなく、各国の国民性というところまで踏み込んだ観察がユニークだ。

Posted by ブクログ

2014/01/06

・ヘッジファンドのカイル・バスが保険であるCDSを買い、100万ドルの保険金に対する保険料は年間わずか1100ドル。保険料は終焉が近づくとともに一気に上がっていく。 ・アイスランド 漁師の国が、扱ったこともない金融取引で、価値のないものに、大きな価値をつけ、アイルランド人同士で...

・ヘッジファンドのカイル・バスが保険であるCDSを買い、100万ドルの保険金に対する保険料は年間わずか1100ドル。保険料は終焉が近づくとともに一気に上がっていく。 ・アイスランド 漁師の国が、扱ったこともない金融取引で、価値のないものに、大きな価値をつけ、アイルランド人同士で交換し、無価値な資産を築いてきた。 ・ギリシャ 仕事をしない公務員が民間の3倍の給与を得て、賄賂、年金と受取り、最後には銀行に火を付け出す。国民は税金を払わず、土地の登記簿はなく、国家予算のない国。 巨額の赤字、負債を帳簿から消してしまう図太さ、EUに加盟し調達コストを10%も引き下げたが、今の負債は結局ドイツが引き受けることになる。この国に、自らの責任を取る覚悟があるのか。 ・アイルランド 2007年の財政赤字がGDPの32%とユーロ一の数字。 かつてない不動産パブル、GDPの4分の1近くが建設業が占め(標準は10%以下)、5分の1の人口が従事している。街はからっぽの建物だらけのゴーストタウン。 銀行の破綻には、預金保証さえすれば良いのに、政府は税金による救済を行い。債務は国民に転嫁された。それでも国民は耐え忍ぶ。 返済見込みのある債務を持つものは銀行の言いなりになるが、途方もない債務を持つものは銀行を言いなりにできる。 ・ドイツ 最後のCDSの引き受けて。 ドイツはサブプライムローンからギリシャ国債に手を出した。そしてギリシャを救済することで、ギリシャ銀行からドイツの銀行に返済がなされるという構図を作り出した。 ・アメリカ 無駄使いで財政難を引き起こした知事をリコールして、選ばれた知事が改善案を出しても、市民は拒否する。自分の利益が縮小するからだ。 おかしな状況で選ばれたんだ。おかしな状況に乗り込んで行こう。 意味のある変化を起こすには、必要量の苦痛を与える環境が不可欠だ。

Posted by ブクログ