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密林の語り部 岩波文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2011/10/17 |
| JAN | 9784003279632 |
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密林の語り部
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商品レビュー
4.1
36件のお客様レビュー
”《大切なことは、焦らず、起こるべきことが起こるに任せることだよ》と、彼は言った。《もし人間が苛々せずに、静かに生きていたら、迷走し、考える余裕ができる》そうすれば、人間は運命と出遭うだろう。”(p.259) 日本の遥か彼方、ペルーの密林で語られる人生の構え方にこうして聞き入る...
”《大切なことは、焦らず、起こるべきことが起こるに任せることだよ》と、彼は言った。《もし人間が苛々せずに、静かに生きていたら、迷走し、考える余裕ができる》そうすれば、人間は運命と出遭うだろう。”(p.259) 日本の遥か彼方、ペルーの密林で語られる人生の構え方にこうして聞き入ることが出来ること、それが、私にとって翻訳文学を楽しむ理由の一つである。 ”文明(≒西欧的、キリスト教世界的進化)”と切り離されたアマゾンの先住民の世界に身を投げ出したユダヤ人の友人を探すというストーリーをベースに、マチゲンガ族の神話がたっぷりと語られる本作。神話の部分、最初は多少読みづらさを感じるかもしれないが、すぐさま、自分がまるでアマゾンを歩いているような感覚に襲われることは確実である。
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真に他者、異文化を理解することと、それと同化することの間に大きな隔たりがある。理解は対象を分析し自身のコードに合わせて再構築すること。同化は自身がそれまでに得た世界観を捨て、生まれ変わること。同化には完全な理解は必要ないのかもしれない。サウルはマチゲンガ族が不具の子供を殺す理由を...
真に他者、異文化を理解することと、それと同化することの間に大きな隔たりがある。理解は対象を分析し自身のコードに合わせて再構築すること。同化は自身がそれまでに得た世界観を捨て、生まれ変わること。同化には完全な理解は必要ないのかもしれない。サウルはマチゲンガ族が不具の子供を殺す理由を理解できなかった。 サウルは西洋的な価値観は捨てたが物語は捨てなかった。カフカやユダヤ教、キリスト教の物語。サウルは密林の物語の中に自身の物語を自然に織り交ぜて同化した。これは宣教師や学者の理解とは違う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ひとつの文化に魅せられ、回心してその内部へと踏み込み"語り部"となるサウルと、文化を外側から物語にしようと試みる筆者(?)の2人の物語が交互に折り重ねられている。 初め語り部の物語が始まった時、なれない情景や言葉に戸惑いつつも引き込まれている自分がいた。
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