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東京震災記 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2011/08/06 |
| JAN | 9784309411002 |
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東京震災記
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東京震災記
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商品レビュー
4
8件のお客様レビュー
田山花袋といえば『蒲団』、と思う人が大半であろう。代表的な自然主義作家の一人として、人間の内なる醜悪さを化学の客観的精神でもって描き出した作家、教科書通りに彼を紹介するのであればこんな説明になる。しかし、彼は西洋的な自然主義的文学よりも紀行文やルポルタージュを多く執筆していた上、...
田山花袋といえば『蒲団』、と思う人が大半であろう。代表的な自然主義作家の一人として、人間の内なる醜悪さを化学の客観的精神でもって描き出した作家、教科書通りに彼を紹介するのであればこんな説明になる。しかし、彼は西洋的な自然主義的文学よりも紀行文やルポルタージュを多く執筆していた上、それらの作品の方が遥かに完成度が高いことはあまり一般に知られていない。 田山花袋における「自然」とは、人間に向けられたものではなかったと私には思えてならない。紀行文は勿論、初期の傑作『重右衛門の最後』における凛として瑞々しい自然描写のなんと美しいことか。彼の筆にかかると、山川の姿は誰も足を踏み入れていない純な雪景色のように映る。未踏の美しさ、純であどけなく、汚れを知らない世界。 尾崎紅葉などの明治の文豪達が認めた才能は、どういうわけか歪な方向に向かい、『蒲団』というあまりにも小さく見窄らしい小説へ結実してしまった。 作家の最晩年の作である本書は、『蒲団』から何年も経て、『重右衛門の最後』に回帰したかのような印象を与える。回帰というより、螺旋が巡るように原点へ戻りつつ上昇したと言うべきだろうか。焼野原となった東京各地の惨事を冷静な視線で見つめ、地獄の日々を過ごした人々の思いを淡々と記していくジャーナリストの姿勢を保ちつつも、焦土に芽吹いた希望の予感を見出す著者の心理には、往年の作品群からは見られなかった成長が窺える。 変容しつつも繁栄を維持してきた東京の過去の姿が10年周期で作者の中に思い出され、現実に投影される。幾重にも折り重なるこれまでの都市の情景、見惚れて時を忘れていた花袋の目の前で、栄華は崩れ落ち、なんとか命脈を保ってきた江戸の姿は完全に死に絶える。我に返り見渡せば、あたり一面は黒く焦げついた大地に変貌しており、醜悪な見た目で吐き気を催す臭いを放つ死体が散らばっている。そう、見るからに再起など不可能と思えるような惨状。しかし、作者は見たのだ。荒れ果てた焦土の向こうに聳え立つ、青く染められたように鮮やかに空に映える筑波の双峰の、あの美しく凛々しい姿を。 恐ろしく速い速度で都市を飲み込んでいった業火、あまりの熱さのために川に飛び込んだものの、溺れたり熱波にやられたりして死んでいった人々、震災後疑心暗鬼になり、ちょっとした事に怯え、外に出れば朝鮮人を捕らえようとあたりを徘徊する自警団に怯えながら過ごす日々、まさに地獄のような世界を生きる人々をとらえる花袋だが、惨状を他所に色彩美を発散させる不忍池の蓮の花や、富士、秩父連峰などの山々の雄々しい姿をも描き、希望を見出そうとする。そして美しさから見出した希望と、ゼロから始まる新たな東京の姿を夢想し、重ね合わせていく。小さな作品に囚われていた著者の姿はここにはない。より大きな世界を捉え、悲劇に貶める事なく夢を語る作家の大きな背中が本書から見えてくる。 田山花袋という文豪は、本書で完成したのだ。冷酷非道な世界の秩序の中に僅かな希望を見出し、無限に広げていこうとする哲人として。悲劇的な美しさに耽溺した多くの作家達を彼は超えたのだ。もし私がこの時代に生き、本書を読んでいたとしたら、最大限の賛辞を送っていたことであろう。 ちなみに、本書は力強く筆を走らせてはいるが、最後に往年の作家らしい醜悪な不安の種を残していったことも忘れてはならない。仄かに香り、じわじわと人々に浸透していき恐怖を煽る幕引き、見逃すことなくその目で確かめて頂きたい。
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大正に起こった関東大震災の実際のリアルな風景を描いた随筆。 やっぱ地震は、二次災害が一番怖いなって。
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読み助2013年9月24日(火)を参照のこと。http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2013/09/post-afd9.html
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