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菜食主義者
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菜食主義者

ハン・ガン(著者), きむふな(著者)

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菜食主義者

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 地方小出版流通センター
発売年月日 2011/05/25
JAN 9784904855027

菜食主義者

¥1,430

商品レビュー

4.1

64件のお客様レビュー

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2024/09/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ようやく読めました、ハン・ガン!! いろいろな友人に「まずは菜食主義者で」と言われて手に取ったのだけど、面白かった。。読了感は重いのだけど軽く、切なく身を切られるようなところもあれば、ほのかに日の光が射していつつあくまで感じるのは無機質な冷たさだけというような、なんとも言えない感じ。でも私はこういう感覚に私を落としてくれることを文学に期待しているので、よい作家にまた一人出会ってしまったな…と満足です。もう少し他の作品もいろいろ読んでみたいなと思います。 「菜食主義者」「蒙古斑」「木の花火」の三本立てで、難しいけど選ぶなら「蒙古斑」が一番好きでした。その次は「木の花火」かな。「菜食主義者」内で語られる「夢」から菜食になるのは一定分かりつつ、いわゆる精神障害はそこまで"重くない"のかなと思っていたが、「木の花火」でのヨンヘは完全に食を拒絶していて、真っすぐに死に向かっていくのが、姉視点から読むと理解不可能で、やるせなさというか無力感に打ちのめされる。作品を通して、姉であるインヘの人生がハードモードすぎ。。 「蒙古斑」 …まぶしい照明の下で彼女は長く横たわっていた。彼は注意深く彼女の上に体を重ねた。Jの体と彼女の体がそうであったように、今、二人の体は重なり合った花のようだろうか。花と獣と人間が入り混じった一つの体のようだろうか。… すべてが完璧だった。思い描いたとおりだった。彼女の蒙古斑の上に彼の赤い花が閉じては開く動作を繰り返し、彼の性器は巨大な花芯のように彼女の体の中を出入りした。彼は戦慄した。最も醜くて、同時に最も美しいイメージのぞっとする結びつきだった。目を閉じるたびに、彼は自分の下半身を染めて腹と股までを濡らすねばっこい草の青い汁を見た。… 永遠に、これらのすべてが永遠に……と彼が耐えがたい満足感に体を震わせたとき、彼女は泣きだした。… このイメージは絶頂も終わりも許さないまま繰り返さなければならなかった。沈黙の中で、その悦楽の中で、永遠に。…(p.184-185) ここのセックスの描写のイメージの美しさが圧倒的で私は好きだった。 「木の花火」 …夢の中でね、お姉さん、わたしが逆立ちをしたら、わたしの体から葉っぱが出て、手から根が生えて…土の中に根を下ろしたの。果てしなく、果てしなく…股から花が咲こうとしたので脚を広げたら、ぱっと広げたら…(p.236) …ごはんなんて食べなくてもいいの。生きていける。日差しさえあれば。 何を言ってるの。自分が本当に木にでもなったと思ってるの?植物がどうして話すことができるの。どうして考えることができる。 ヨンヘは目を輝かせた。不思議な笑みがヨンヘの顔を明るくした。 お姉さんの言うとおり…もうすぐ、言葉も考えも全部消えるの。もうすぐよ。 ヨンヘはくすくすと笑い出しては大きな息をした。 本当にもうすぐよ。少しだけ待って、お姉さん。(p.244-5) 書かれている通り、ヨンヘの魂は一足飛びに越えてしまって、それをこちら側から見ながら、自分ももしかしたらああなっていたかもしれない、自分の一部は一緒に飛び越えているのかもしれないと姉妹だから感じるのを見るのは、経験したこともないのにわかる気がした。 すぐ影響されて韓国料理を食べながら記す。

Posted by ブクログ

2024/08/21

植物になりたい女性とその家族を描いた小説 菜食主義や拒食症によって周りが翻弄されると同時に、その病というか状態自体は目的や手段でもなく、何か各人に問いを投げかけるようなものであった。 肯定も否定もなく、正解も不正解もない現実をうまく表現している作品で、心の豊かさを取り戻せる作...

植物になりたい女性とその家族を描いた小説 菜食主義や拒食症によって周りが翻弄されると同時に、その病というか状態自体は目的や手段でもなく、何か各人に問いを投げかけるようなものであった。 肯定も否定もなく、正解も不正解もない現実をうまく表現している作品で、心の豊かさを取り戻せる作品。 ただし、内容はかなり暗めなので、読み手のマインド状況もいい時に読むべき作品。 抗えないもの主義主張と、それを受け入れられない周囲という対比が印象的で、何が幸せなのか?何が不幸せなのか?常に問いを投げられているような感覚を持った。 日本の純文学を思い起こす素晴らしい作品

Posted by ブクログ

2024/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夢をきっかけに菜食主義者になり、果てには植物に、木になりたいと願ったヨンヘ そんなヨンヘに、失望や怒りを感じる夫、心配はするが理解はしないヨンヘの家族 義兄は、唯一理解するというところの近くにいたが、世間的に許されることではなかった 最後まで側にいた姉は、理解できないがそれでも気にかけてきた妹との過去を背負って、世話をする。糸が切れかけた時にやっと、自分の植物性に触れるが、動物として生きようとする息子に引き戻される 結局のところ姉は鳥にしかなれない ヨンヘも最後まで植物にはなりきれず 生かそうとする医師達は正しいのかと疑問に思ってしまう 植物の持つ美しさに、静けさに、恐ろしさに魅了されるが決してそれにはなれない人間。 人間は社会的な生き物で、生きていく社会の中での普通から外れたものは狂気と見なされること。社会の在り方について考える

Posted by ブクログ

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