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あなたのための物語 ハヤカワ文庫JA
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2011/06/13 |
JAN | 9784150310363 |
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あなたのための物語
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商品レビュー
3.8
66件のお客様レビュー
#あなたのための物語 #読了 今日、AIが生活を便利にしているけれど、人間の感情と肉体をAIが真に理解する日はこないだろうなと思った。 だからこそ人間は人間らしく生きることが大事だ。 #長谷敏司 #早川書房 #読書
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うーん、面白いは面白いのだけれど、どうしても理屈が先に立つというか、その理屈がややくどくて物語に入り込めない
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
仮想人格である《彼》が健気で健気すぎて、スキィ!!ですが、読み終えて頭に浮かんできたのは人間のことばかりでした。 病と死の容赦なさが疑似体験したかのように迫ってきた本でした。親しい人間の闘病や死に立ち会ったこともないわたしには、死はまだ身近に感じられない現象で。入院手術の経験があっても、それは死病じゃなかったから、小説に描かれるサマンサの身体の痛みも、死の予感と恐怖も、健康な人間と社会への嫉妬や疎外感も、本当にリアルな意味では受け取れてはいないはず。だけれど、サマンサのすぐ隣で彼女を見て体験したような気分がしたのです。 サマンサは、科学は不満足への抵抗だとし、信仰を否定し、仮想人格を道具として扱え、傲慢でエゴイストで、孤独だけど強い人。 死ぬときはひとり。そうなの?そうかも。サマンサはひとりきりで苦しい死を迎える。ほんとうに容赦がない。 仮想人格の《wanna be》は脳神経の網を言語化するITPという技術の実験とパフォーマンスのために創られた。用が済んだら削除される存在だった《彼》は、そうはされずに、サマンサの研究室に残され、彼女のために物語を創作し続け、ただひとりの読者である彼女へ無私の好意を向けるようになる。 《彼》の「私は何かのお役に立てますか?」は、そのように創られたから出る言葉なのだと知っていても、なぜか暖かく沁みるし、次第に成長していく様子は、健気だな、崇高だな、と思わせてくれる。そんな風に声をかけられて、優しくされたら、わたしはサマンサほど冷静でいられないかもしれないなぁ… 「死」について《彼》が出した答えは、古くから擦り切れるくらい作られてきた物語を思い起こさせるドラマチックさで、《彼》の成り立ちが《物語》であることをよく表しているように思う。 サマンサはそれを受け止める事で、《彼》のリアルに描き込まれた登場人物になり《彼》はきっと満足していったのだろう。だから、《彼》の遺作をサマンサが読む箇所は、当然のように感情を揺さぶられた。救済と断罪が同時に描かれていて、心の中が嵐のようだった。 恋とか愛とかそんなので表せない、存在そのものを向けられるというのは、最高の幸せなのでは? だけど多分、真のクライマックスは、ITP人工人格として書き出された《サマンサ》と死にゆくサマンサとの会話なのかも。全てを曝け出す自分自身との対話。人格とは、肉体と死とは、物語とリアルとは。読後はしばらく放心したようになっていて、わたしはきっと「言葉を奪われる」良い読書体験をしていたんだろうなぁ… この本と出会えてよかった。
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