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山のトムさん ほか一篇 福音館文庫 物語S-60
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 福音館書店 |
発売年月日 | 2011/05/12 |
JAN | 9784834026658 |
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山のトムさん ほか一篇
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商品レビュー
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戦後、北の山中で開墾生活を始めたトシちゃん家族の家に、大量のネズミが出て、困り果てた一家は仔猫をもらうことにする。名前をトムと名づける。 田舎の日々の生活で、忙しくはしているものの、家族の会話が多く、心が通い合っている様子が伝わってきて、心が温かくなる。黒白のトムはなんともおと...
戦後、北の山中で開墾生活を始めたトシちゃん家族の家に、大量のネズミが出て、困り果てた一家は仔猫をもらうことにする。名前をトムと名づける。 田舎の日々の生活で、忙しくはしているものの、家族の会話が多く、心が通い合っている様子が伝わってきて、心が温かくなる。黒白のトムはなんともおとぼけていて、それはそれは魅力的な猫。家族はトムに首ったけになっていく。トムがいることで、家族みんなが和やかになれる。そして、やれトムが帰ってこない、やれ、トムがカエルを捕ったなど、日々の話題にはこと欠かない。 猫を取り巻く家族の様子が目に浮かぶように描かれていて、独特な世界観がある。わずか数ページで、この本の世界にのめり込んで行った。全体ががユーモアと愛に溢れている。 時々、表現がわかりにくくて、読む楽しみが少し削がれてしまうのが残念。石井桃子さんの実体験を描いているそう。 猫が登場する好きな本がまた一つ増えた。小学生のお子さんへの読み聞かせにも良さそう。
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家族とネコの心温まる児童小説ですね。 福音館書店版の「ピーター・ラビット」の訳者の、いしいももこ(石井桃子 1907~2008)さんが気になりましたので、図書館で探して見つけました。 1968年に出版されたものを、2011年に文庫に改訂版にされたものです。 初出しは1957年。 ...
家族とネコの心温まる児童小説ですね。 福音館書店版の「ピーター・ラビット」の訳者の、いしいももこ(石井桃子 1907~2008)さんが気になりましたので、図書館で探して見つけました。 1968年に出版されたものを、2011年に文庫に改訂版にされたものです。 初出しは1957年。 石井桃子さんの体験をもとにした物語です。 北国の山の中で開墾生活をはじめた家族が、ネズミの被害に困って、雄ネコをもらった。 ネコの名前は「トム」。 野性味あふれるトムの活躍と、家族一人一人の頑張りが伝わってきます。 戦後まもなくの、山の生活が語られています。 トムとの生活が愉快に、また厳しさもあり、家族との絆を、やさしい文章で綴られています。 トムへの詩もあり、トムの写真もあります。 トムへの愛情あふれる本ですね。
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WOWOWでドラマ化されていたのを見て、原作に興味を持って読んでみたら、原作はドラマとは全然違った! 原作は戦後すぐの田舎が舞台で、自分たちで食料を調達するために開墾して野菜を栽培し、家畜を飼っていたのだけれど、ドラマは舞台を現代に置き換えてしまっているので、何故彼女たちが田舎に...
WOWOWでドラマ化されていたのを見て、原作に興味を持って読んでみたら、原作はドラマとは全然違った! 原作は戦後すぐの田舎が舞台で、自分たちで食料を調達するために開墾して野菜を栽培し、家畜を飼っていたのだけれど、ドラマは舞台を現代に置き換えてしまっているので、何故彼女たちが田舎に住んでいるのかの意味合いが全く違う。 また、大人の女性である「おかあさん」とその娘のトシちゃん、「おかあさん」の友達であるハナおばさんとその甥のアキラさんが一緒に住んでいるのだけれど、原作では「おかあさん」の連れ合いやアキラさんの両親たちは戦争で亡くなってしまったか、あるいはまだ戦地から戻ってこないために彼らだけで一緒に住んでいるのだが、ドラマでは現代に設定を変えているので、彼らが一緒に住んでいる背景も異なる。 ドラマでは、自然に囲まれた美しい土地でお日様を浴びながらみんなで育てた野菜を調理して食べる暮らしに充足感があったのだけれど、原作は時代柄、食べることにもっと切迫感があった。住み着いたネズミ退治のために猫のトムを飼うのだけれど、原作ではネズミの害はもっと切実だし、トムの飼い方も今とは違う。 それでも、原作は原作の、ドラマにはドラマの魅力があったように思う。 福音館文庫に同時収録されているもう一遍もたいへん良かった。あの時代の空気をリアルに感じられた。
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