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刑務所図書館の人びと ハーバードを出て司書になった男の日記
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 柏書房 |
発売年月日 | 2011/04/26 |
JAN | 9784760139804 |
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刑務所図書館の人びと
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商品レビュー
3.6
55件のお客様レビュー
原題は Running the Books The Adventures of an Accidental Prison Librarian Avi Steinberg 刑務所では本も図書室も様々な役割を果たす。 本は手紙を媒介とする郵便ポストになるし、武器やトレーニング器具に...
原題は Running the Books The Adventures of an Accidental Prison Librarian Avi Steinberg 刑務所では本も図書室も様々な役割を果たす。 本は手紙を媒介とする郵便ポストになるし、武器やトレーニング器具にも。図書室はコミュニケーションの場であり、エリート受刑者の仕事場でもある。 「氏曰く、ペンは慎重に持つべし、だが剣はさらに慎重に持つべし。剣はペンを守る。」 やはり刑務所内は物騒で、なにかを表明する時は慎重に、そして発言を守ってくれるのは暴力や権力であり、そういった力も大切という意味。 「ここ、本の場所、神聖な場所。祈るのにいい場所」彼女は手をさーっと回して図書館全体を示し、言った。あるムスリムの女子受刑者には刑務所図書館は祈りの場所でもある。 調理人を目指す受刑者が本を読み、味も香りも知らないバルサミコ酢やローズマリーを脳内シミュレーションし料理を学ぶ姿が描かれる。 著者は詩的と表し、読み手はその真摯な姿に感じ入ることになる。 <その他の書籍紹介> https://jtaniguchi.com/tag/%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e7%b4%b9%e4%bb%8b/
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ボストンの刑務所図書室で司書として2年ほど働いた著者による(たぶん)ノンフィクション。 シャバで生活していてはなかなかお目にかかれない刑務所内の人間模様だけでなく、正統ユダヤ教徒としての人生に挫折しかけて刑務所図書室に流れ着いてきた著者の成長小説として読める。最初は、ウィットに...
ボストンの刑務所図書室で司書として2年ほど働いた著者による(たぶん)ノンフィクション。 シャバで生活していてはなかなかお目にかかれない刑務所内の人間模様だけでなく、正統ユダヤ教徒としての人生に挫折しかけて刑務所図書室に流れ着いてきた著者の成長小説として読める。最初は、ウィットに富むものの軽すぎる文体に「500ページ以上この調子なのか?」と戸惑ったが、物語が進むにつれて文体や描写も締まってくる。 著者は自らを、図書館司書タイプ(モノを捨てる人)ではなく文書保管庫管理者タイプ(モノを捨てられない人)と分析する。だからこそ、こんな本が書けるのかも。 受刑者の生活。手紙=カイト(凧、本の間にはさんで残してある)、手信号=スカイライティングとか、拘束下でも意思疎通を図ろうとする人間の様子。 ゲスな刑務官は、まるでキングの小説の登場人物だ。 ピンプとかの悪人の魅力。それにどう距離を置くか悩む著者。
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刑務所図書館で働く司書が見聞きしたことが描かれている。作者自身のユダヤ教に対する思いや簡単な生い立ちを書いた部分は親しみがないからか、書き方が奥歯にものが挟まったようで読みづらかった。 刑務所図書館勤務に筆者が慣れるにつれ文章も読みやすくなった気がする。 本の間に挟んでやり取りす...
刑務所図書館で働く司書が見聞きしたことが描かれている。作者自身のユダヤ教に対する思いや簡単な生い立ちを書いた部分は親しみがないからか、書き方が奥歯にものが挟まったようで読みづらかった。 刑務所図書館勤務に筆者が慣れるにつれ文章も読みやすくなった気がする。 本の間に挟んでやり取りする「カイト(凧)」と呼ばれる手紙や、窓辺で光で文字を書いてほかの塔にいる囚人と連絡を取るスカイライティングはロマンティックだなと思った。 驚いたのは筆者も参加した刑務所で働く人々の研修で、講師が「副業をしている人」をたずねた時にほとんどの人が手を挙げたこと。日本も副業を容認する会社が出てきたが、アメリカでは当たり前なんだなと思うと同時に、「普通の人」が普通に働いているだけでは生活できないような世の中が来るのかなと思った。 そして、本のタイトルで強調されているハーバード卒は無意味というか、学歴はお金を儲けるための有能さを伴わなければアメリカでも役に立たないのだなと感じさせられた。
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