- 中古
- 書籍
- 文庫
青春の門(第七部) 挑戦篇 講談社文庫
定価 ¥1,210
¥550 定価より660円(54%)おトク
獲得ポイント5P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/03/14 |
JAN | 9784062769099 |
- 書籍
- 文庫
青春の門(第七部)
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
青春の門(第七部)
¥550
在庫なし
商品レビュー
3.5
11件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
五木寛之さんの大河小説「青春の門」。1970年代に書かれた一部から六部は、1950年代の若者を描き、1980年に刊行の六部から七部は13年後の1993年に刊行。「第七部 挑戦篇」、2011.3発行、688頁。時は1960年の終り、昭和35年の冬、織江を大きなプロダクションの所属にし、個人マネージャーを降りた25歳の伊吹信介は江差の地に。第七部は北海道の函館、江差を舞台に、日本とソ連との利権を巡る争いが展開。信介は数人とハバロフスクに向かうことに。
Posted by
物語は昭和35(1960)年。水原弘 黒い花びらという歌が流行っていた頃。伊吹信介。25歳になった。舞台は、北海道の江差。風が強く吹く街で、伊吹信介は青春をする。 1980年に第六部再起篇が刊行された。それから、間を置いて1993年に、第七部挑戦篇が刊行される。 五木寛之は、...
物語は昭和35(1960)年。水原弘 黒い花びらという歌が流行っていた頃。伊吹信介。25歳になった。舞台は、北海道の江差。風が強く吹く街で、伊吹信介は青春をする。 1980年に第六部再起篇が刊行された。それから、間を置いて1993年に、第七部挑戦篇が刊行される。 五木寛之は、ライフワークにしている。1932年生まれなので、1993年は五木寛之61歳である。 その長い間の休みの間があっても、『青春の門』の雰囲気は変わらない。伊吹信介は、前向きに生きようとするが、成長はしていないような気がする。この挑戦篇、688ページもあるのだ。 伊吹信介は、トミ子の依頼で、トミ子の父親、アーナキストの丸谷玉吉の遺骨を北海道の江差の鴎島の海にばら撒こうとする。 伊吹信介は、高校生の立原襟子に出会うことで、恋に落ちる。立原襟子はロシア人の血が4分の1流れている。母 立原百合江は、バー「トスカ」を経営する。ジャズに詳しい。ロシア人の血が2分の1流れている。トスカは、ロシア語で「心が萎える」という状態で、「ふさぎの虫」と訳される。普通のトスカなら恋に生きると言う意味を持つが、五木寛之は「ふさぎの虫」と言う。百合江は、奔放で繊細。このふさぎの虫で自死行為をする。 伊吹信介を追いかける全学連の下部組織全文工に所属するの岸森猛志。岸森は、組織のお金を持ち出したと言う疑惑で伊吹信介をおう。二人は、鴎島で海に落ちそうになるところを海野に助けられ、丸谷玉吉の菩提寺である正覚院に居候することになる。岸森は、バーに通い、立原百合江と恋仲になる。岸森は、全文工の奴らに、組織を抜け出ると言うことで、査問を受け、目にタバコの火を突っ込まれ失明の直前にまでいく。査問という事で陰惨な暴力行為は許せない。百合江は岸森を大切にする。 正覚院にいるオーストラリア人のジョンは、北前船の研究をしている。北海道江差は、北前船の港だ。このジョンは、知識が深い。ジョンのおかげで物語の深みが出る。世界をバックパッカーで歩き回り、フィンランドにいるときには、イギリス情報員の手伝いもする。ロシアの諜報を手伝う。また、丸谷玉吉は、若いころエスペラントの普及に従事していた。エスペラントの歴史にも深い造詣がジョンにはあった。そういえば、エスパラントって昔あったね。現在は、AIによる自動通訳の時代。感慨深い。 なぜエスペラントが、広がらなかったのかの考察がよくされている。 ジョンは、信介に「あなたは一度日本を出てみるべきです」と言う。信介は、そうだと納得して、ロシア、ハバロスクに行くことにする。五木寛之の海外のイメージは、ロシアなんだね。中国、東南アジア、アメリカではないところに、五木寛之らしさが出る。 信介は、短期間で海外へ行く資金を確保するために、札幌で出会った新聞記者の西澤。正義感が溢れているが、新聞記者をやめて、やばい仕事をしている。北方領土問題は、意外とわからないものがある。そこに、お金の匂いがあり、右翼の大物の影之原隆元、公安警察の安川などが入り乱れてくる。伊吹信介は、西澤を頼る。ひょんなことから、カオルにも出会うことに。伊吹信介の周りは、西澤、カオル、ジョンなど怪しい人でいっぱいである。カオルが娼婦と言われるが、その知的水準は高い。ミステリアスな女だ。 どういうわけか、伊吹信介を中心にして、立原恵理子、西澤、カオル、ジョンたちのグループではバロスクに行くのだ。不思議な人の集まり。伊吹信介は、ソ連へ渡り、シベリアを横断し、ザメンホフのいたポーランドへ行こうと思う。
Posted by
良く練られた大河の展開で相変わらず面白いが、都合の良い出会いを積み重ねていくにつれてリアリティが欠けてくる。また、ロシアの蛮行が世界を混乱させている現在の読者としては、本作の魅力も幾分色褪せていると感じる。
Posted by