きことわ

朝吹真理子【著】

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2011/01/26
• JAN: 9784103284628

商品レビュー

2025/03/11

１５歳の永遠子と８歳の貴子。
かつて葉山の別荘で幾度の夏を過ごした二人が、２５年という歳月を経て久しぶりの再開を果たす……
遠い昔の記憶と溢れる思い出を丁寧に描写した日常物語。

とにかく一文一文の描写の情報量が多くて、一行一行噛み締めながら読み進めた。
ひたすらゆったりと流れている物語だけど読むと凝縮されている情報量に驚いた。
あまり展開がないが、短いため読みやすくなっている
カーテンにくるまって過去に思いを馳せるときに読みたい作品。

2025/01/13

ゆらりゆらりふわりふわりと空気が漂って、私も昔に姉妹のように仲良くしていた友達を思い出したりなんかして。その子と再会したらこんな空気感になれるかなぁ？なんて想像しながら読んでた。

カーブミラーもひまわりもあったのかもしれないしなかったのかもしれないし、雪が降ったのが夏の話か冬の話しか、そんなこともどうでもよくて、ただ懐かしさやあの頃の空気感をお互いにしっかり胸に抱いているという事実が尊いのだと思った。

2024/12/17

しっとりした美しい文章。(ちょっと昭和っぽい。懐かしい感じ。)雨のにおいや潮のにおいがしてきそう。葉山が舞台っていうのがいいのかも。茫洋としてて、輪郭がはっきりしない、こういう感じ嫌いじゃない。