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吉原十二月
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吉原十二月

松井今朝子【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 幻冬舎
発売年月日 2011/01/15
JAN 9784344019348

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商品レビュー

4

41件のお客様レビュー

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2019/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

豪華絢爛な世界で日々行われている駆け引きの中にも、それぞれの人情が見え隠れして面白かった。客側も粋かどうかが問われるという、大人の遊び。 トップで競い合う花魁も、中身は10代の娘で幼馴染というのが切なかった。生まれが違っていれば、どんな人生を歩んだだろうか。病や死の話はほとんど出てこないので気楽に読めたが、2人が笑い合うシーンで、運命に胸がぎゅっと締め付けられた。

Posted by ブクログ

2014/10/21

さすが直木賞作家、吉原の遊女たちを華やかに艶っぽく描く。胡蝶と小夜衣、幼い頃より競いながらそれぞれの魅力を磨いてきた2人は晴れて昼三の花魁となる…。 苦界と言われる廓が舞台だが、月々の行事の優雅さやお大尽たちの豪傑っぷりを中心に語られるので悲壮感は薄い。

Posted by ブクログ

2014/04/25

吉原の名妓二人を抱えた楼主が彼女たちの吉原に来る最初から年季明けまでを、 十二ヶ月の暦に沿って語り聞かせる趣向。 同じ作者の吉原を舞台にした前作にも登場した妓楼が舞台。 淡々とした筆致でお職を張ったふたりの女の生き方を語る。 風俗の描写や廓の決まりごとなどが丁寧に描かれ 前作...

吉原の名妓二人を抱えた楼主が彼女たちの吉原に来る最初から年季明けまでを、 十二ヶ月の暦に沿って語り聞かせる趣向。 同じ作者の吉原を舞台にした前作にも登場した妓楼が舞台。 淡々とした筆致でお職を張ったふたりの女の生き方を語る。 風俗の描写や廓の決まりごとなどが丁寧に描かれ 前作同様湿った感じの空気感はない。 読者のほうも膝を乗り出し、美しい絵巻物でも見るように どこか遠いお伽噺を聴くようで悲壮感はない。 決着のつき方も、どちらの花魁もまずまず幸福なところへ 落ち着くので、終わりまで読むとほっと肩の荷が下りる。 ただ、花魁側からの心理描写はあえてドライなので 彼女たちの内心に切り込んだ時、その場面で本当は 何を考えていたか、本心はわからない。 つまり、彼女たちが表に向けて見せていた顔しか 私達読者も見せてもらえない。 だから、どこかつかみどころがなくて 「この女は本当は何を考えているんだ。」 と思いながら、最後まで手が切れない男のように どこかもやもやとした、 「これが全部かな?」 という感覚が拭えない。 それさえ除けば、面白い小説であったと思う。 欠点と言うよりむしろこれは持ち味であると思うので 決して批判的なコメントではないことを申し添えておく。 白眉は胡蝶花魁が袖にした、大店の主人が 彼女に花魁としての心がけを説く場面。 お定まりの言葉でなく、率直でよかった。 べたべたしていないが、時代小説の「情」を読む楽しみを 存分に満足させてくれる。 他の作品にはちょっと見ないところだと思うので これから読む方は注目されたい。

Posted by ブクログ

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