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アランの戦争 アラン・イングラム・コープの回想録 BDコレクション
定価 ¥2,750
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 国書刊行会 |
| 発売年月日 | 2011/01/10 |
| JAN | 9784336052940 |
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アランの戦争
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商品レビュー
4.4
6件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
今回のうつ状態からの帰還はバンド・デシネ作品となった。 フランスかぶれの僕は、これまでにも何冊かバンド・デシネを読んできた。 初めてバンド・デシネに触れたのは、ステファヌ・ ウエがプルーストに挑んだ『スワン家のほうへ』と『花咲く乙女たちのかげに』だったが、これは原作が原作なので、どうしても物足りなさの方が強く残った。 その後、カミュをバンド・デシネ化したジャック・フェランデスの『異邦人』と『最初の人間』も読んでみたが、原作への良き誘いにはなったものの、作品自体としてはあまりインパクトを感じなかった。 先日バンド・デシネ作品を探していたら、国書刊行会から「BDコレクション」というバンド・デシネ作品のシリーズが出ているのを知った。 最初に読んだクリストフ・シャブテの『ひとりぼっち』は、それほどとは思わなかったが、この『アランの戦争』は作品全体に文学の薫りが濃厚に立ちこめていて心に残った。 物語は、主人公アランが第二次世界大戦のヨーロッパの戦場を巡るロード・ムービーのようでもあり、はたまた青年アランが大人になって行くビルドゥングスロマンのようでもある。 通り過ぎて行く街々での忘れ難き人々との出会いと別れ。 そして、その中に散りばめられたエズラ・パウンド、ヘンリー・ミラー、ガストン・バシュラールなどの詩や言葉の数々。 これぞ再読に耐え得るバンド・デシネ作品だ! 国書刊行会さん、これ、もう一杯おかわり!/ 【僕は大学に戻らなかった。 やっと自分が望んでいるものが、わかったんだ。 それはヨーロッパだった。もうアメリカはたくさんだった。 アメリカではもう生きていけない。 アメリカという国、土地、人びとは好きだった。 でも この国の思考方法がもはや僕には合わなくなってきた。 もちろん、いいところもたくさんある。 だけどその思考方法には存在の深みが欠けていた。 だからこそ、この国はある面で悪い方向に向かっていた。 ほとんどのアメリカ人は存在の表面だけで生きていた。 僕はもっと奥深くで生きたかった。】/ 【私はずっと考えつづけていた。 そしてだんだんといまの文明は (略) 自分とは相容れないような気がしてきた。 僕は人生に挫折した。 だが人類は全員挫折しているのだと思った。 ─中略─ ゲルハルトへの手紙にはこう書いた。 “私はみなの意見とまったく反対のようです。 みなの意見も私とは逆のようです。 信じられません。 けれども私は目覚めてしまったのです!” 彼はこの知らせを読んで、よろこんだ。 そして私たちはそれからたくさんの 手紙をやりとりした。 彼によれば、私は彼に残された唯一の人間だった。 おそらく私は、彼の人生の最期から 少しだけ苦味を取りさってあげたと思う。 彼の目はだんだんと悪くなっていったが、 私をちがう場所に連れていこうと 蔵書のなかから本をえらびとり 重要だと思うページを 何枚も手で書き写して送ってきた。 何ページものバシュラール 何ページものアンリ・ボスコ 何ページものフレデリック・ミストラル そのなかでもとりわけ プロヴァンス語で書かれた「ローヌの詩」。 あるいは、ルネ・シャールや ジュール・シュペルヴィエル。 それから彼によれば“あらゆる世紀において もっとも幻想的な作品”である ホフマンの幻想小説を読むようにすすめられ “至高なる神の預言者”である ヘルダーリンをすすめられた。 オリヴィエ・メシアン ピエール・ブーレーズ それからゲルハルトがメキシコに紹介した カールハインツ・シュトックハウゼンを 可能なかぎり聴いた。 ひとりちいさなトラックのなかで 意識は目覚め、ゲルハルトと再開して 55歳のときに、私は生まれた。】/ 【注10 (略) 「われわれはイメージを原初の状態ではいきない。偉大なイメージにはみな底しれぬ夢の根抵があり、この夢の根抵のうえに個人の過去が特殊な色彩をほどこしている。またわれわれが、記憶のなかに定着した歴史のかなたに、イメージの根を発見し、このイメージをほんとうに崇拝するようになるのは、生涯のはるかのちの時期のことである。絶対的想像力の世界では、ひとはのちのちまで若い。その世界において真にいき、そのイメージの実在を体験し、一切の情念を超越する絶対昇華においてこの世界を体験するには、地上楽園を喪失しなければならない。」】(ガストン・バシュラール『空間の詩学』より。)
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戦争はたやすく人を死に追いやる。悲惨だ。 ただ、 皮肉にも、アランの人生を形づくる人びとと出会い、文化に触れ、仕事を得、生活の糧となったのも、戦争。 その時代の多くの兵士と同じように。
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絵の一コマ一コマが素晴らしい。 戦争の日常。自軍の戦車にひかれる兵隊。 あやうく同じ目にあいそうになる語りて。 ヨーロッパに上陸したが武器が行方不明になる。 ところで従軍神父のE牧師(p191) という翻訳がある。 いやいや、これはまずいでしょ。
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