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砂の王国(下) の商品レビュー

3.5

113件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2024/10/18

ホームレスまで堕ちた元エリート証券マンが、ねぐら近くで知り合った怪しげな占い師をスカウトし、同じくホームレスの大柄な美青年を教祖に仕立て上げ、新興宗教団体を立ち上げて行く話。 約400ページ×上下2巻のエンタメ大作です。さすがに荻原さん「そうか、新興宗教なんてこんな風に作られて行...

ホームレスまで堕ちた元エリート証券マンが、ねぐら近くで知り合った怪しげな占い師をスカウトし、同じくホームレスの大柄な美青年を教祖に仕立て上げ、新興宗教団体を立ち上げて行く話。 約400ページ×上下2巻のエンタメ大作です。さすがに荻原さん「そうか、新興宗教なんてこんな風に作られて行くのか~」とか妙に納得させられます。緻密だけれど一切人に任すことができず、オバーワークで追い詰められていく主人公。一発屋で安易に走る占い師、そして何を考えているのか分からない青年教祖。大きくなるにつれ次第に妙な派閥ができ分裂して行く教団。最終盤、いよいよ教団の分解かと思いきや・・・。 まあある意味、2段3段と予想を上手く外してエンディングに持って行ったけど、ちょっと急展開過ぎる感もあります。このまま進むと月並みになってしまうと荻原さんが感じ、無理に外した結果ではないかと少々疑ってしまいます。 とはいえ、さすがにまとめ方は上手いですね。

Posted byブクログ

2024/08/18

全財産3円、見てろよ、ここからが、逆襲だ。 ホームレス生活で出会った男三人組、それぞれの能力を活かして宗教大地の会をたちあげた。 まさに砂で作られた王国のように、のしあがるごとに不安と恐怖がつのっていく。脆いこの王国と、弱い自分が崩れていく。 中弛みあるものの、上下ともにのめりこ...

全財産3円、見てろよ、ここからが、逆襲だ。 ホームレス生活で出会った男三人組、それぞれの能力を活かして宗教大地の会をたちあげた。 まさに砂で作られた王国のように、のしあがるごとに不安と恐怖がつのっていく。脆いこの王国と、弱い自分が崩れていく。 中弛みあるものの、上下ともにのめりこんだ。

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2024/05/18

元ホームレスによる、宗教設立物語。下巻はその、最盛期から破滅まで。 最後は主人公木島の精神不安による、自滅にしか感じられなかった。龍斎の教義論にはシビれた。

Posted byブクログ

2023/08/07

大ボリュームのエンタメ大作。ざっと書くと元証券マンがホームレスにまで地に落ち(ここからスタート)そこから這い上がり新興宗教団体を立ち上げ、崩れていく様を描く物語。言うなればホームレス期が1部、宗教黎明期が2部、衰退期が3部といったところか。とにかくホームレス時代の語りが面白い。地...

大ボリュームのエンタメ大作。ざっと書くと元証券マンがホームレスにまで地に落ち(ここからスタート)そこから這い上がり新興宗教団体を立ち上げ、崩れていく様を描く物語。言うなればホームレス期が1部、宗教黎明期が2部、衰退期が3部といったところか。とにかくホームレス時代の語りが面白い。地に落ちた主人公の絶妙ならざる語りが流石の荻原浩さんと思える。中盤で出て来る競馬の場面は圧巻。ある意味でこの小説の最大の盛り上がり場所かと思われる。 下巻では勢いを増してきた宗教「大地の会」とは裏腹に主人公である山崎(木島)の心労と体調がどんどん悪くなっていく様子が描かれる。それに加えて彼の過去が小出しに少しずつ出て来るようになり、何故宗教なのかが分かり始める。この物語のとんでもない所は過去の掘り返すことが極端に少ない点。これだけのページ数で主役3人の過去身辺が殆ど描かれないのは異例といってもいいくらい。ラストの不気味さも含めすべてがあいまいで虚構に満ちた作品に仕上げたい荻原さんの考えがあったのかもしれない。人間の「業」をまざまざと見せつけられた怪作。

Posted byブクログ

2022/09/11

率直な感想としては、怖い、が適当かと。 暴走していく組織をどこか冷めた目で見つめる様は不気味でもある。 最後まで読ませる力はさすがだと思うが。

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2022/08/05

三人で作り上げた宗教、大地の会は急膨張していき、ついには、手に負えないものへと変貌していく。全てを手に入れ、そしてまた全てを失っていく。ただし、悲壮感はなく、金があるときよりも生き生きとして、たくましく歩き始める。

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2021/09/14

とうとう下巻も終わってしまった。 最後もう少し何かあったら良かったな。 もしくは続きを見たい。 自分で作ったのに大きくなりすぎてコントロール出来なくなり始めた教団に追い詰められる木島。 犯罪にまで手を染める龍斎。 中村の過去。 木島目線のみで進む話だけど、途中一切飽きさせな...

とうとう下巻も終わってしまった。 最後もう少し何かあったら良かったな。 もしくは続きを見たい。 自分で作ったのに大きくなりすぎてコントロール出来なくなり始めた教団に追い詰められる木島。 犯罪にまで手を染める龍斎。 中村の過去。 木島目線のみで進む話だけど、途中一切飽きさせない読みやすさとテンポの良さ。 予想通りの結末だったけど、次が気になりスルスル読めて面白かった。 中村君がすごく気になる。強いて言えば中村君目線の話も欲しかったな

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2021/07/18

持たざる者になってしまったホームレスの主人公が、新興宗教を発足させてその会を徐々に大きくしていくまでの話。 前編〜後編の序盤までは、比較的順風満帆な気配が漂っているが、中盤から徐々にほつれがでできて、主人公の立場も危ういものとなっていく。 盲信的な教徒の恐ろしさと、自らが生み出...

持たざる者になってしまったホームレスの主人公が、新興宗教を発足させてその会を徐々に大きくしていくまでの話。 前編〜後編の序盤までは、比較的順風満帆な気配が漂っているが、中盤から徐々にほつれがでできて、主人公の立場も危ういものとなっていく。 盲信的な教徒の恐ろしさと、自らが生み出した組織に飲み込まれてしまう主人公のストーリー。

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2020/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。 けど、上巻の勢いはなかったかな。 内容はあんまり覚えていないけど、 篠田節子の仮想儀礼を思い出した。 やはり、宗教は怖い。 自分で興したはずが、自分の手からいつの間にか離れてしまい、収拾がつかなくなる。 終わり方が続編を思わせる感じだったけど、 今となればもう無いのかな?

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2019/02/28

上下巻に及ぶストーリーだけど、結局 胡散臭い新興宗教は目論見通りの拡大路線を走り、予測通りに内部から破綻する。そして主人公は振り出しに戻って又も心身すっからかんの道を歩き始めるという お話だね。ちょっと残念だった作品。

Posted byブクログ