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幻 百年文庫39
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2010/10/01 |
JAN | 9784591119211 |
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幻
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商品レビュー
3.1
12件のお客様レビュー
好きな作家さん3人の短篇集『幻』 百年文庫を初めて手に取った。 『白い満月』川端康成 情景描写はさすが!1925年に発表された作品だが、洗練された言葉の美しさに魅了される。 「谷間には靄が湧いたらしい。山々の姿が月の光に仄白く浮いている。私に遠い海の幻が見えた。月に引っぱられて...
好きな作家さん3人の短篇集『幻』 百年文庫を初めて手に取った。 『白い満月』川端康成 情景描写はさすが!1925年に発表された作品だが、洗練された言葉の美しさに魅了される。 「谷間には靄が湧いたらしい。山々の姿が月の光に仄白く浮いている。私に遠い海の幻が見えた。月に引っぱられて膨らんでいる海面の幻が見えた。」 私と女中お夏、異父姉妹の八重子と静江。人間の不確かさや、まとわりつく死のかげを白い月の薄明かりと重ねているように思えた。 『壁の染み』ヴァージニア・ウルフ ふと一点の染みに目が止まる。そこから想像が次々と膨らんでいく。難解だが、蝸牛だったとの落とし所は納得。 『途上にて』尾崎翠 読みやすい。ただ『歩行』の冒頭の詩(おもかげをわすれかねつつ〜)を読んだ時の震えるような感覚はなかった。
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ウルフは全く理解できなかった。 川端は少しオカルトじみた内容。 尾崎翠は初めてだったが、どこか宮沢賢治を思わせる。時代的にも近いから?
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川端康成「白い満月」 おそらく自分と血の繋がっていないであろう妹の存在を知ったとき、主人公は母を憎むのではなく愛した。 母の不貞に対する責めや許しといった感情を超えて、妹の美しさから母の生の美しさを知った。 この辺りの述懐がとても良い。無からこの記述を思いつくの凄まじすぎる。文...
川端康成「白い満月」 おそらく自分と血の繋がっていないであろう妹の存在を知ったとき、主人公は母を憎むのではなく愛した。 母の不貞に対する責めや許しといった感情を超えて、妹の美しさから母の生の美しさを知った。 この辺りの述懐がとても良い。無からこの記述を思いつくの凄まじすぎる。文豪…。 たまに出てくる「青い焔」は良い意味で使われているっぽいがどういうことなのだろうな。 穏やかな熱情という感じかな? だから妹の美しさを軸にした話かと思ったらなんならそれはおまけみたいな展開。なんで? 登場人物は納得しているらしいが、なんで?と思うポイント、沢山ある。 そういうぼんやりとした不安感みたいなのも、読者を引き込むテクニックだったりするのかな。 現代小説は逆になんでも説明しすぎなのだ、という言説があると予想します。 来歴のところに川端康成のエピソードが書いてあって、 芥川賞の選考委員の際、太宰治の作品を「お前の素行がヤバいので落とす」って言っちゃって太宰治にめちゃくちゃ恨まれ、「てめーなんか遊んでるだけのくせによ」というような文章を発表されてるのみんな正直で面白すぎる。 ヴァージニア・ウルフ「壁の染み」 壁の染みを見た女性の散文的な考えを全て書き起こしたような内容。 精神分析的心理療法みたいだけど、あれは喋るし聞き手がいるから有効なのであって、自分の手で書いて誰の介入もなしに何度も推敲してたら頭おかしくなりそう。 実際作者は有名すぎる遺書を残して自殺している。 尾崎翠「途上にて」 夜の散歩を回顧しながら書いたお話で、内容も胸が詰まるような終わりをするのに何故か爽やかでいい。大らかな女性の視点で書かれてるからかな。 この本の中では一番好き。
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