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昔日の客

関口良雄【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 夏葉社
発売年月日 2010/10/30
JAN 9784904816011

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商品レビュー

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2025/01/21

 かつて東京・大森にあった古書店「山王書房」。店主である故・関口良雄さんの随筆集です。  還暦祝いで出版へ向け準備を進めるも、病のため本の完成を見ず59歳で逝去されました。その翌年に完成し1000部発行(1978年)した本は入手困難になり、"幻の一冊"と呼ばれ...

 かつて東京・大森にあった古書店「山王書房」。店主である故・関口良雄さんの随筆集です。  還暦祝いで出版へ向け準備を進めるも、病のため本の完成を見ず59歳で逝去されました。その翌年に完成し1000部発行(1978年)した本は入手困難になり、"幻の一冊"と呼ばれたそうです。  ご家族の復刊への思いと、ひとり出版社「夏葉社」の島田潤一郎さんの思いが一致し、2010年に初版2500部で実現。以来、版を重ねるロングセラーになっているとのこと…。  実際に手にした印象は、なんとも心地よい手触り感、装幀の美しさに惹かれます。若草色の布張りの装幀、関口さんの自筆から取った題字や署名など、細部まで丁寧に作られていて魅力的です。  全30編の随筆の初出は1959〜1977です。現代仮名遣いや漢字表記等の変更・整理の為か、文字ポイント、行間、上下余白が絶妙で、全く抵抗なく読むことができます。不思議と古さを感じさせない筆致も見事です。  多くの交流から作家の素顔も垣間見え、また、古書店主ならではの客とのやりとりや失敗談も味わい深いものがあります。  表題の『昔日の客』の文言は、芥川賞作家の野呂邦暢が、かつて世話になった関口さんに自著を贈った際、本の見返しに「昔日の客より感謝をもって」と達筆で書かれていたことが明かされています。  家族や島田さんの努力で32年ぶりに復刊し、私たちがこうして関口さんの随筆を読めることに感謝したいですし、関口さんも自書が読み継がれていることを喜んでいるのではないでしょうか。

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2024/12/08

沢山の人との出会いがあり、その分の別れがある、温かくもどこか切ない作品。 お手紙をお送りしたや、お伺いした、という話しが出る度、今は無い交流の気軽さを率直に羨ましいと感じた。 表紙を開くのがまるで古本屋の扉を開けるかの様で、あっという間に読み干してしまった。 何度も読み返したい...

沢山の人との出会いがあり、その分の別れがある、温かくもどこか切ない作品。 お手紙をお送りしたや、お伺いした、という話しが出る度、今は無い交流の気軽さを率直に羨ましいと感じた。 表紙を開くのがまるで古本屋の扉を開けるかの様で、あっという間に読み干してしまった。 何度も読み返したい作品です。

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2024/11/16

▼つまりは、「昭和の純文学系古本屋主人のエッセイ」なんです。地味か派手かと言われれば、それはもう、かなり割りきって振り切ったレベルの地味さです。 なにしろ、2024年現在からすると、 ・1950年代60年代くらいの、 ・著者本人は何もセレブでもない人のエッセイ、日常雑記で、 ・...

▼つまりは、「昭和の純文学系古本屋主人のエッセイ」なんです。地味か派手かと言われれば、それはもう、かなり割りきって振り切ったレベルの地味さです。 なにしろ、2024年現在からすると、 ・1950年代60年代くらいの、 ・著者本人は何もセレブでもない人のエッセイ、日常雑記で、 ・古本屋のジャンルは、当時の「近代現代日本文学」で、 ・尾崎士郎・・・尾崎一雄・・・上林暁・・・という小説家たちとの交流・・・  (僕もほとんと読んでいません。令和の今、ほぼたれも読まないですよね) というだけなので。 ただ、それが文章が、語り口が、うまい。そして本への愛が溢れている。 そこが美点です。それはなかなかです。 もともと昭和50年代にひそやかーに出た本なんだそう。作者の古書店主さんが、直前に60台で亡くなられているそうで、つまりは「人生ただ1冊の本」。そして別になんとかエッセイ賞を取る訳でもベストセラーになるわけでもなく、絶版になっていた。ただ、知ってる人は「あれいい本だよね」。 それを、夏葉社さんが2010年に復刊した、という話です。 僕は夏葉社さんの本(あるいは関係する本)は、読んだ順で言うと「冬の本」「本屋図鑑」「あしたから出版社」。大まか言うとそれで夏葉社ファン(笑)になったので、それが興味の入り口で読みました。 ▼さすが夏葉社だなーーーと思うのは、装丁とかデザインとか文字の大きさとかが、スバラシイ。手に取って気持ちいい。読んで読みやすい。なんだかこれだけで褒めたくなってしまいます。  肝心の中身ですが、これがまた、地味は地味なんですけれど、たしかに素敵な日本語です。文章が良い。 どんなお話かというと、 <自分が好きな純文学作家が、数年前に店にきてくれて知人になった> <その先生のおうちで酔って歌を歌ったりしてしまった。反省> <自分の父親の思い出> <日本文学系古書店屋として思う日常のよしなしごと> <昔日の客が、その後、文学者として成功した> みたいな話なんです。それでもって、ぐぐぐっと引き付けられるもんぢゃありません。 (夏葉社の社長の島田さんのプチ半生自伝エッセイなんかは、もっと断然、多少品は薄くても、エンタメでヒキがある作りになっていました(笑)) ただ、文がこう、良き水墨画を見ているような。イケてます(笑)。 難解なわけではなく、読みやすく。 謙虚さがにじみ出ますね。 それが全体のこう、無名性というか庶民性?というか、そういうくすんだ旨味によく合っています。  さすが夏葉社、なるほど美味かったな、という(笑)。

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