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吉原はこんな所でございました 廓の女たちの昭和史 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2010/10/10 |
JAN | 9784480427625 |
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吉原はこんな所でございました
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商品レビュー
3.7
20件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
吉原で育ち、のちに元引手茶屋の料亭の女将となった著者による、吉原の辿ってきた道を振り返る一冊だった。 大正12年、引手茶屋の女将の養女になったことで三歳から吉原に移り住んだようだ。終始話し口調で、やわらかい印象なので読みやすい。吉原遊郭に関わって働いているさまざまな人々と、江戸時代から続いてきた文化に愛情を持っているようだった。 興味深かったのは吉原の商売の仕組み。貸座敷と引手茶屋の水揚帳の管理なども意外だったし、警察に届けをだして花魁になる手続きがあることなども知らなかった。 一度遊郭に入ったら女は二度と出られないようなイメージがあったけれど、年季が終わって出ていき、馴染みの客と結婚する元花魁もその当時は多くいたようだ。お客は座敷や花魁を取っ替え引っ替えすることはタブーだったようだし、決めた人のもとに通い詰めて最終的に結婚することもあるというのは、疑似恋愛が本当の恋愛になった例なのだろう。 吉原は外の世界とは違う独自の振る舞い方があるという印象。 昭和61年までの記録なので、戦争中や戦後にどんなことがあったかについても書かれていて、思わず涙が出そうになった。慰安所関連の話や、生活が困窮して娼婦になったり街角に立たざるを得なかった女性たち。生き残っただけで奇跡のようだが、食べなければ生きていけないのだ。この収入で家族を養っていた女性もいたようだ。 「新日本女性に告ぐ」の話は、女という存在が男社会にとってどんなものかまざまざと見せつけられたようで、気持ちの持って行き場がなくなってしまった。戦争はすべてのものを奪ってしまう。 全体を通して商売の暗い部分は読者にあまり見せないようにしているのかなと思った。 遊郭というのは花魁だけではなくて関係する職業の人たち全員でつくりあげる夢の舞台で、それをお客さんたちに売っている場所なのだと感じる。 戦後は遊郭も赤線になり西洋化して、そういった情緒のようなものが消え去ったようだった。働く女性の自由意志が通るとはいえ主に困窮した女性たちがいることには変わりなく、不特定多数を相手に仕事内容はむしろ大変になっているかもしれないことがまた悲しい。 実際に暮らしていた人の話が読めるのは大変貴重だと感じた。
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吉原の引手茶屋『松葉屋』の女将の回想記。太平洋戦争の前から、売春防止法施行後までが描かれている。近代吉原についての本は珍しいので、面白く読めた。
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著者は吉原の引手茶屋「松葉屋」の養女となり、のちに女将になった。その視点から描く吉原。 芸者や幇間、そのほか江戸から続く文化を継承する土地の重要性を感じた。ただ、それを吉原以外に作れなかったものか、今からでも何かできないかと考えた。 東京大空襲時やその後、戦後の吉原についても知ら...
著者は吉原の引手茶屋「松葉屋」の養女となり、のちに女将になった。その視点から描く吉原。 芸者や幇間、そのほか江戸から続く文化を継承する土地の重要性を感じた。ただ、それを吉原以外に作れなかったものか、今からでも何かできないかと考えた。 東京大空襲時やその後、戦後の吉原についても知らないことが多かった。
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