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歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2010/09/25 |
JAN | 9784121020758 |
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歌う国民
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商品レビュー
3.8
13件のお客様レビュー
唱歌、卒業式の歌、校歌、県歌、労働者の歌をそれぞれが作られた社会状況に照らして分析する。 地理唱歌、唱歌遊戯、1891(明治24)年「小学校祝日大祭日儀式規程」の制定などなど
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明治~高度経済成長期あたりを中心に、唱歌、校歌、社歌、それにうたごえ喫茶などの背景にある時代背景やイデオロギーを語る。 度々筆者が言及しているのが、現在の価値観だけで捉えてはいけない、ということ。全体主義的と思えたりヘンテコな歌詞だと思えるものも、当時の社会情勢からするとそれが...
明治~高度経済成長期あたりを中心に、唱歌、校歌、社歌、それにうたごえ喫茶などの背景にある時代背景やイデオロギーを語る。 度々筆者が言及しているのが、現在の価値観だけで捉えてはいけない、ということ。全体主義的と思えたりヘンテコな歌詞だと思えるものも、当時の社会情勢からするとそれが当然だった可能性がある、と。また、例えば戦後のうたごえ喫茶は左翼的な政治活動と結びつけて考えられがちだが、「そういう人達もいた」というくらいに捉えた方が良いようだ。 しかし筆者がいくらフォローしても、昔の唱歌が政治的プロパガンダの色合いが濃い感は否めない。実際、明治政府は日本を近代国家にしていく過程において「日本国民としての統一感」「品性のある国民」づくりの一環として唱歌を制定してきたようだ。 他にも、昔は当たり前のように卒業式で歌われてきた「仰げば尊し」は色々思想的な物議をカモスコトガあって今ではあまり歌われなくなってきているという話などが興味深かった。
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音楽を巡る近代史、あるいは近代史における音楽に関する本、と言えば良いだろうか。 まず第一章では、維新政府がスタートして早々の明治12年に、後の東京音楽学校の前身である「音楽取調掛」が設置されたことから始まる。それは西洋の"芸術"を導入しようとしたものだった...
音楽を巡る近代史、あるいは近代史における音楽に関する本、と言えば良いだろうか。 まず第一章では、維新政府がスタートして早々の明治12年に、後の東京音楽学校の前身である「音楽取調掛」が設置されたことから始まる。それは西洋の"芸術"を導入しようとしたものだったのか?それは、近代国民国家を作るために、「国民」が共有できる「国民音楽」をつくり、皆で歌うことによって帰属意識や連帯意識を高めることを目的としていたとする。 続く「唱歌」の章では、鉄道唱歌を例に、地理唱歌、歴史唱歌といった啓蒙のための唱歌について、現在の我々がイメージする"音楽"よりも広く、帰属意識や連帯意識を形成、維持するために歌われる「コミュニティ・ソング」というコンテクストで捉えることが適当だという。 後の章では、卒業式の定番ソング《仰げば尊し》と《旅立ちの日に》の対照、校歌、県歌をめぐるドラマ、そして『うたごえ運動」について、事実の紹介とともに その意味合い、位置付けが語られる。 エピソードとして興味深い事実や内容がふんだんに紹介されていて、それだけでも面白いが、現在の常識や固定観念に囚われず、時代状況に即して見ていけば、全く違って見えてくるものがあることを学ぶことができた。
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