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ぬばたま 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2010/07/28 |
JAN | 9784101340319 |
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商品レビュー
2.9
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幼少期、山間の小さな町に住んでいた。 大人になった今、山に呼ばれてまた故郷へと帰る。 4人の男女の、山に纏わる怖くも哀しい四つの物語。 『壱』☆ 仕事も家族も失った。絶望に打ちひしがれた男は 幼少期に過ごした山深い田舎へ帰る。母の消えたあの山の奥へ入ってみよう。幼い頃に祖母から...
幼少期、山間の小さな町に住んでいた。 大人になった今、山に呼ばれてまた故郷へと帰る。 4人の男女の、山に纏わる怖くも哀しい四つの物語。 『壱』☆ 仕事も家族も失った。絶望に打ちひしがれた男は 幼少期に過ごした山深い田舎へ帰る。母の消えたあの山の奥へ入ってみよう。幼い頃に祖母から聞いた話が甦る。「新月の夜には供物を捧げるんだよ」 山を彷徨ううちに見る恐ろしい幻影。だんだん男は自分の名前も 本来の姿も失っていき 四本の足で山を駆ける。空に月は見えない。新月の夜。こんな日は供物が必要だ。 『弐』☆☆ 上原家の電話が鳴った。表示された電話番号の市外局番は、中学まで過ごした山間の小さな町のもの?もう知り合いは誰も住んでいないはず。誰?受話器の向こうから聞こえる声。「成美、おれじゃけど…」「おれ、まだここにおるで」すすり泣く少年の声。「晶くん…」。晶くんの声は十二歳の少年のままだった。 小学生の頃 ずっと好きだった晶くん。ある日 山へ出かけたまま帰ってこなくなった晶くん。必ず迎えに行くと約束したあの日。成美は生まれ故郷の山へと帰り晶のいる場所へと向かう─。 『参』☆☆☆☆ 小学校 夏休み前日のキラキラ輝いていたあの日。 あのとき…。釣りをやめなければ、おれが山へ行こうと言わなければ、おれたちの運命は変わっていただろうか─。幼なじみ三人で入った山。そこで見た数万匹の黄色い蝶。それは死体に群がっていた─。忘れられないおぞましい光景。 輝樹が焼身自殺した。遺書は見つからない。葬儀のため田舎へ帰省した恭平に卓也は言う「輝樹が言っていた。黄色い蝶の夢を見ると…」。輝樹はノイローゼだったのか?だとしたら、恭平は思う「あの日、山へ行こうと言い出した俺のせいだな。」 葬儀のあと、「もう一度、あの山へ行ってみよう」と恭平を誘う卓也。黄色い蝶を見たあの場所で、輝樹の死の真相を知るために─。 『四』☆☆ 「山へ還りなさい」 死者は全て山に還る。それが慣わしなのだから。 幼い頃から死んだものが見える久美子。いつしか死者を山へ還らせる力を手に入れる。 その日も 公園で見かけた青いブラウスの女性を追っていた。たぶん死者。その時 チャラそうな青年に声をかけられる。ナンパかと無視しようとしたがどうやら青年も死者が見えるらしい。 青年と二人 死者を山へ還らせる。そして青年は久美子に言う。「ねぇ、名前 聞いてもいいかな」 ✎ 怖い話が読みたくて買ったけど 怖くなかった。 『参』が一番ゾワッとしたかな。 『四』の青いブラウスの死者はたぶんあの人。 『終話』でん?となる。この話を書いた人が『四』の青年の言ってた「土砂崩れで死んだ老婆」だとしたら、ん?どーなってる??
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「壱」 喰われたのは。 長年かけて築きあげてきたものは、崩れる時はあっけなく思っている以上に変化はないのかもしれないな。 「弐」 ずっと一緒に。 何があったのか分からなかったとしても、その時にちゃんと報告をしていれば帰ってこなかっただろうな。 「参」 蝶が待ってる。 子供たち...
「壱」 喰われたのは。 長年かけて築きあげてきたものは、崩れる時はあっけなく思っている以上に変化はないのかもしれないな。 「弐」 ずっと一緒に。 何があったのか分からなかったとしても、その時にちゃんと報告をしていれば帰ってこなかっただろうな。 「参」 蝶が待ってる。 子供たちで行ってはいけない場所だったとしても、誰かが散策しにいかなければ見つからなかっただろう。 「四」 山へ還るもの。 自分の中では終わっていないからこそ、死んだことに気付けず普通に紛れて暮らしてしまっているのだろ。
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1話目はよくわからなかった。山月記の李徴みたいな話。 2話目、3話目は過去に自分が犯した過ちを大人になってから思い出す話。 別の短編のようで繋がりがあるところが良かった。
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