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ぬばたま の商品レビュー

2.9

34件のお客様レビュー

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2024/06/07

幼少期、山間の小さな町に住んでいた。 大人になった今、山に呼ばれてまた故郷へと帰る。 4人の男女の、山に纏わる怖くも哀しい四つの物語。 『壱』☆ 仕事も家族も失った。絶望に打ちひしがれた男は 幼少期に過ごした山深い田舎へ帰る。母の消えたあの山の奥へ入ってみよう。幼い頃に祖母から...

幼少期、山間の小さな町に住んでいた。 大人になった今、山に呼ばれてまた故郷へと帰る。 4人の男女の、山に纏わる怖くも哀しい四つの物語。 『壱』☆ 仕事も家族も失った。絶望に打ちひしがれた男は 幼少期に過ごした山深い田舎へ帰る。母の消えたあの山の奥へ入ってみよう。幼い頃に祖母から聞いた話が甦る。「新月の夜には供物を捧げるんだよ」 山を彷徨ううちに見る恐ろしい幻影。だんだん男は自分の名前も 本来の姿も失っていき 四本の足で山を駆ける。空に月は見えない。新月の夜。こんな日は供物が必要だ。 『弐』☆☆ 上原家の電話が鳴った。表示された電話番号の市外局番は、中学まで過ごした山間の小さな町のもの?もう知り合いは誰も住んでいないはず。誰?受話器の向こうから聞こえる声。「成美、おれじゃけど…」「おれ、まだここにおるで」すすり泣く少年の声。「晶くん…」。晶くんの声は十二歳の少年のままだった。 小学生の頃 ずっと好きだった晶くん。ある日 山へ出かけたまま帰ってこなくなった晶くん。必ず迎えに行くと約束したあの日。成美は生まれ故郷の山へと帰り晶のいる場所へと向かう─。 『参』☆☆☆☆ 小学校 夏休み前日のキラキラ輝いていたあの日。 あのとき…。釣りをやめなければ、おれが山へ行こうと言わなければ、おれたちの運命は変わっていただろうか─。幼なじみ三人で入った山。そこで見た数万匹の黄色い蝶。それは死体に群がっていた─。忘れられないおぞましい光景。 輝樹が焼身自殺した。遺書は見つからない。葬儀のため田舎へ帰省した恭平に卓也は言う「輝樹が言っていた。黄色い蝶の夢を見ると…」。輝樹はノイローゼだったのか?だとしたら、恭平は思う「あの日、山へ行こうと言い出した俺のせいだな。」 葬儀のあと、「もう一度、あの山へ行ってみよう」と恭平を誘う卓也。黄色い蝶を見たあの場所で、輝樹の死の真相を知るために─。 『四』☆☆ 「山へ還りなさい」 死者は全て山に還る。それが慣わしなのだから。 幼い頃から死んだものが見える久美子。いつしか死者を山へ還らせる力を手に入れる。 その日も 公園で見かけた青いブラウスの女性を追っていた。たぶん死者。その時 チャラそうな青年に声をかけられる。ナンパかと無視しようとしたがどうやら青年も死者が見えるらしい。 青年と二人 死者を山へ還らせる。そして青年は久美子に言う。「ねぇ、名前 聞いてもいいかな」 ✎ 怖い話が読みたくて買ったけど 怖くなかった。 『参』が一番ゾワッとしたかな。 『四』の青いブラウスの死者はたぶんあの人。 『終話』でん?となる。この話を書いた人が『四』の青年の言ってた「土砂崩れで死んだ老婆」だとしたら、ん?どーなってる??

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2024/05/11

「壱」 喰われたのは。 長年かけて築きあげてきたものは、崩れる時はあっけなく思っている以上に変化はないのかもしれないな。 「弐」 ずっと一緒に。 何があったのか分からなかったとしても、その時にちゃんと報告をしていれば帰ってこなかっただろうな。 「参」 蝶が待ってる。 子供たち...

「壱」 喰われたのは。 長年かけて築きあげてきたものは、崩れる時はあっけなく思っている以上に変化はないのかもしれないな。 「弐」 ずっと一緒に。 何があったのか分からなかったとしても、その時にちゃんと報告をしていれば帰ってこなかっただろうな。 「参」 蝶が待ってる。 子供たちで行ってはいけない場所だったとしても、誰かが散策しにいかなければ見つからなかっただろう。 「四」 山へ還るもの。 自分の中では終わっていないからこそ、死んだことに気付けず普通に紛れて暮らしてしまっているのだろ。

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2021/08/27

1話目はよくわからなかった。山月記の李徴みたいな話。 2話目、3話目は過去に自分が犯した過ちを大人になってから思い出す話。 別の短編のようで繋がりがあるところが良かった。

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2019/11/01

 この本を読んだら、なんとなく緑繁る山には行きたくなくなってしまう。そんな妖しさを秘めた4つの物語を収録。  物語の中には高校時代に習った中島敦の『山月記』を彷彿とさせる場面や種田山頭火の「分け入っても 分け入っても 山の中」という俳句が頭をよぎるものがある。  『バッテリー』や...

 この本を読んだら、なんとなく緑繁る山には行きたくなくなってしまう。そんな妖しさを秘めた4つの物語を収録。  物語の中には高校時代に習った中島敦の『山月記』を彷彿とさせる場面や種田山頭火の「分け入っても 分け入っても 山の中」という俳句が頭をよぎるものがある。  『バッテリー』や『ランナー』など青春小説のイメージが強い作者の別の魅力が垣間見られる作品。

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2018/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

話がつながって最後にネタ明かしがあるのかと思いきや、結局よくわからず少し残念。ただただ山が人を狂わせた、というだけなのか。 1. 蜥蜴の尻尾切りで長年勤めた銀行を首になり、家族をも失った男が深い恨みと絶望を抱えながら山に迷い込むと、不思議な舞を踊る女たちの集団に出会う。気が付くと男は、その中の一人の女に看病されているのだが、女の様子も、至る所から蛇が這い出てくる屋敷の様子もなんだか変。男は牛の頭を食らい、女を食らい・・・。 2. 小学校の時に恋心を抱いていた少年が自分のせいで山に取り込まれて帰ってこれなくなってしまった。時が経ち、小学生の娘を持つ彼女は、未だに山から出られない少年からの電話を受ける。現在の生活の大切さを冷静に見つめる一方で、しごく当たり前に復讐を成し遂げる。 3. 仲の良い3人の少年グループ。ゲーム感覚で山で行方不明になった老人を探しに出かけた三人は、縊死した老人、黄色い蝶の幻影に生涯悩まされ続けることとなる。しかし、一番恐ろしいのは・・・。 4. 死んだ人が見える少女。幼い頃から、そのことは人に言わないように、そして、普通にしているようにときつく言い含められている。部屋の隅に座る縊死した叔父。彼に鏡を見せると・・・。 そして彼女は街で自分と同じ能力を持った軽薄そうな男に出会う。二人は死んだことに気づかない者を山に返してまわるのだが・・・。 終話 この物語の”作者”のつぶやき。 終話を読んだとき、ああ、皆川博子っぽいなーと思って久しぶりに読みたくなった。 それにしても、人は死んだら山に帰るのだろうか?山というもの自体にあまり馴染みがない私としては、なぜみんながみんなそんな恐ろしい場所へ帰らねばならないのだろう、という違和感。

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2016/08/15

 あさのあつこさんは本当にたまたまって言っていいほどワタシの手には引っかかってこない作家さんで、いろいろ本は読みますが今までに読んだのは「グリーングリーン」「桜舞う」の2作だけでした。  この文庫も、古書店で108円で購入したものの中の一冊です。ワタシにはドスン!というインパクト...

 あさのあつこさんは本当にたまたまって言っていいほどワタシの手には引っかかってこない作家さんで、いろいろ本は読みますが今までに読んだのは「グリーングリーン」「桜舞う」の2作だけでした。  この文庫も、古書店で108円で購入したものの中の一冊です。ワタシにはドスン!というインパクトはなく不思議な話だなあ…って感じでした。しかも、読み終えるまで宮部みゆきさんの作品だと勘違いしていて、「この作品、宮部さんらしくないな~」なんて思っていました。  山にまつわる、生と死の境界のお話4話です。昔でいう「神隠し」のような出来事についての物語でした。

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2016/02/24

はいはい、楽しい☆1つのクソ本のお時間です。これでも金だして買ってますからね(古本ですが)。 地方の、死者が集まる山と、その山に関わった人たちの人生の悲哀を連作に。人を食う鬼(?)になっていく元サラリーマン、子供の頃に神隠しにあった友達を探して死ぬ女など、テーマはそれなりのホラ...

はいはい、楽しい☆1つのクソ本のお時間です。これでも金だして買ってますからね(古本ですが)。 地方の、死者が集まる山と、その山に関わった人たちの人生の悲哀を連作に。人を食う鬼(?)になっていく元サラリーマン、子供の頃に神隠しにあった友達を探して死ぬ女など、テーマはそれなりのホラー風味の作品だが、読んでいて「はあ?」となることが数度ではすまない。 というのも、ほぼすべての作品で過去(サラリーマン時代、子供時代など)と現在を行ったり来たりするのだが、何の断りも無い上に、書き出しでぼかしてわかりにくくしている。さらに、情景や行動の説明に主語がほとんどないため、誰がどうしたのかを把握が出来ない。 また、他の文章では「闇の重みに」だの「青い焰」だの「紅蓮に染まる」だの、中二病的な言語センスに辟易させられる。いろんな人が「惨い」をやたらつかったりねえ。語彙力が無さ過ぎ。 さらに気になるのが「うぇっ、うぇっ」「カナカナカナカナ」など、ここから怖くなりますよーみたいな擬音類の繰り返しでげんなり。2chで怪談を書いている素人と同じレベルの言語感覚だ。 そういう中二病的な言葉が "刺さる人"向けに、同人誌として売るのは良いが、こんなものを金を出して買うもんじゃない。 本筋はわかるので、丁寧な言葉、文章で書きなおせば、それなりに読める話になるのだろう。それを文体でぶち壊しにしたという良い例である。

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2015/09/07

ときどき、こんな人がいるのです。 山に入ったまま、帰ってこられなくなってしまった人が。 これはとてもすき。 自然って癒しとか優しいだけではない。不気味でおそろしい場所でもある。だけどその自然をただ忌避するのではなく、自然が畏敬の対象であることを改めて感じさせてくれる幻想的なはな...

ときどき、こんな人がいるのです。 山に入ったまま、帰ってこられなくなってしまった人が。 これはとてもすき。 自然って癒しとか優しいだけではない。不気味でおそろしい場所でもある。だけどその自然をただ忌避するのではなく、自然が畏敬の対象であることを改めて感じさせてくれる幻想的なはなし。 一番すきだったのは「四」。 そこでの朝の光についての文章がなるほどと思った。 わたしはそれまで朝の光と聞くと元気さだとか温かさを思い浮かべていたけれど、ここでは刺すような光だと表現されていた。それを自分で常に感じるほど山を近い存在として感じていたわけではなかったけど、なんとなくわかる。 不気味だけど美しい本だと思います。ぞわぞわする。 自分は現実と夢の間をみたことがない?

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2015/02/27

山にまつわる四篇のストーリー。 山に畏敬とも畏怖ともわからない境界があやふやな異界と捉えたもの。 怖いと云うよりエロかった1話から始まるのが少しとっかかり辛いけれど。 シックスセンス的な叙述トリックミステリは面白かった。 閉鎖空間に色々な想いを巡らせるのは楽しいものだ。

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2015/02/06

この人の文章は、潜りやすい。その物語の中に違和感なく入り込むことができる。 この物語は暗いし辛いしだったけど。

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