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あじさい日記(下) 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2010/07/14 |
JAN | 9784062767316 |
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商品レビュー
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妻の志摩子に、詩織という愛人の存在が知られたあとも、あいかわらず省吾は愛人関係を清算することもなく、妻と別れるという決断もせず、冷え切った夫婦生活をつづけていきます。 その後も、しばしば妻の日記を盗み読みすることを繰り返していた省吾は、志摩子がカルチャー・センターに通い出し、大...
妻の志摩子に、詩織という愛人の存在が知られたあとも、あいかわらず省吾は愛人関係を清算することもなく、妻と別れるという決断もせず、冷え切った夫婦生活をつづけていきます。 その後も、しばしば妻の日記を盗み読みすることを繰り返していた省吾は、志摩子がカルチャー・センターに通い出し、大学時代にほのかな好意を寄せていた教授と再会してデートをかさねるようになったことを知ります。今度は省吾のほうが、妻の浮気に気を揉む日々を送ることになります。 倦怠期の夫婦の心情の機微に迫る作品というよりはむしろ、読者にストーリーのゆくえを追うおもしろさをあじわわせてくれる小説と言ってよいのではないかと思います。そうした意味では、十分にたのしんで読むことができましたが、妻の浮気相手である清原光彦という国文学の研究者の人物造形には、ちょっと首をひねってしまいます。 妻の日記のなかで清原教授の『源氏物語』解釈が披露されるのですが、引っかかったのはそこに著者自身の男性観がそのままのかたちで語られている点です。じっさいのところ、文学研究者が、源氏の行動原理について「男の本能」などといった社会生物学的な説明をするとはとうてい考えられませんが、それは筒井康隆の『文学部唯野教授』におけるソシュール解釈が誤っているといった類の批判で、小説に対する批判としては意味がないといってよいでしょう。それはいいのですが、この大学教授の男性観が、省吾のそれとまったくおなじで、著者自身の男性観をそのまま写しとったものになってしまっているのは、やはり小説の幅を狭めているような気がします。ひょっとすると、著者はこうした類型以外の男を書くことができないのか、と疑ってしまいます。
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ひたすら夫の裏切りに耐え、愛人と対決しつつ自分の道を探っていた妻の反逆。 それは自身も夫以外に愛を求めることであった… 妻としての誇り、女のプライド… 夫が精一杯裏をかいたつもりでも全て一枚上手なのが妻である。全てお見通し。これに尽きる。
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妻に知られながらも開き直って付き合いをやめない省吾に対して、妻は気持ちを外へ向けるようになる。 夫も同じなのだからと思うと、志麻子は後ろめたいながらも先生と親しくなってしまう。 省吾は自分を棚に上げて日記を読みながら怒りに燃える。 みんなに綺麗になったと言われ、化粧品に気を使い、...
妻に知られながらも開き直って付き合いをやめない省吾に対して、妻は気持ちを外へ向けるようになる。 夫も同じなのだからと思うと、志麻子は後ろめたいながらも先生と親しくなってしまう。 省吾は自分を棚に上げて日記を読みながら怒りに燃える。 みんなに綺麗になったと言われ、化粧品に気を使い、新しい洋服が欲しくなってどんどんと女を取り戻していくさまは共感できる。その先生が本当に好きであるかどうかというと、きっとそうなのではないと思う。 そのように女性として扱われて会話を楽しみ、綺麗になっていく自分が楽しくてやめられなくなるのではないか。
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