あじさい日記(下) の商品レビュー
妻の志摩子に、詩織という愛人の存在が知られたあとも、あいかわらず省吾は愛人関係を清算することもなく、妻と別れるという決断もせず、冷え切った夫婦生活をつづけていきます。 その後も、しばしば妻の日記を盗み読みすることを繰り返していた省吾は、志摩子がカルチャー・センターに通い出し、大...
妻の志摩子に、詩織という愛人の存在が知られたあとも、あいかわらず省吾は愛人関係を清算することもなく、妻と別れるという決断もせず、冷え切った夫婦生活をつづけていきます。 その後も、しばしば妻の日記を盗み読みすることを繰り返していた省吾は、志摩子がカルチャー・センターに通い出し、大学時代にほのかな好意を寄せていた教授と再会してデートをかさねるようになったことを知ります。今度は省吾のほうが、妻の浮気に気を揉む日々を送ることになります。 倦怠期の夫婦の心情の機微に迫る作品というよりはむしろ、読者にストーリーのゆくえを追うおもしろさをあじわわせてくれる小説と言ってよいのではないかと思います。そうした意味では、十分にたのしんで読むことができましたが、妻の浮気相手である清原光彦という国文学の研究者の人物造形には、ちょっと首をひねってしまいます。 妻の日記のなかで清原教授の『源氏物語』解釈が披露されるのですが、引っかかったのはそこに著者自身の男性観がそのままのかたちで語られている点です。じっさいのところ、文学研究者が、源氏の行動原理について「男の本能」などといった社会生物学的な説明をするとはとうてい考えられませんが、それは筒井康隆の『文学部唯野教授』におけるソシュール解釈が誤っているといった類の批判で、小説に対する批判としては意味がないといってよいでしょう。それはいいのですが、この大学教授の男性観が、省吾のそれとまったくおなじで、著者自身の男性観をそのまま写しとったものになってしまっているのは、やはり小説の幅を狭めているような気がします。ひょっとすると、著者はこうした類型以外の男を書くことができないのか、と疑ってしまいます。
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ひたすら夫の裏切りに耐え、愛人と対決しつつ自分の道を探っていた妻の反逆。 それは自身も夫以外に愛を求めることであった… 妻としての誇り、女のプライド… 夫が精一杯裏をかいたつもりでも全て一枚上手なのが妻である。全てお見通し。これに尽きる。
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妻に知られながらも開き直って付き合いをやめない省吾に対して、妻は気持ちを外へ向けるようになる。 夫も同じなのだからと思うと、志麻子は後ろめたいながらも先生と親しくなってしまう。 省吾は自分を棚に上げて日記を読みながら怒りに燃える。 みんなに綺麗になったと言われ、化粧品に気を使い、...
妻に知られながらも開き直って付き合いをやめない省吾に対して、妻は気持ちを外へ向けるようになる。 夫も同じなのだからと思うと、志麻子は後ろめたいながらも先生と親しくなってしまう。 省吾は自分を棚に上げて日記を読みながら怒りに燃える。 みんなに綺麗になったと言われ、化粧品に気を使い、新しい洋服が欲しくなってどんどんと女を取り戻していくさまは共感できる。その先生が本当に好きであるかどうかというと、きっとそうなのではないと思う。 そのように女性として扱われて会話を楽しみ、綺麗になっていく自分が楽しくてやめられなくなるのではないか。
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妻はいつから夫が日記を盗見していたことを 知っていたのか? 妻は夫以外の男性とどの様に付き合っていたか? 渡辺淳一表現方法異色作とも言ってもいい。 日記がかたりかけてくる表現、そして最後の結末!
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なんだか、すごくしんどい話です。むかつくような、納得出来るような、そんな夫婦にはなりたくないような…
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自身の不倫も、妻の「あじさい日記」を盗み読むこともやめられない夫は、妻がかつての恩師と再会し次第にただならぬ関係にまで発展したことを知る。 自身を棚に上げ、日記に向かって「おい、しっかりしろ!」と妻の貞操観念を批判している姿は滑稽なのだが、男性にとっての浮気と女性にとっての浮気で...
自身の不倫も、妻の「あじさい日記」を盗み読むこともやめられない夫は、妻がかつての恩師と再会し次第にただならぬ関係にまで発展したことを知る。 自身を棚に上げ、日記に向かって「おい、しっかりしろ!」と妻の貞操観念を批判している姿は滑稽なのだが、男性にとっての浮気と女性にとっての浮気では重みが違うという彼の考えには共感できる。 妻・志麻子のような融通のきかなさを持っている私にとって、志麻子の女友達や恩師の示唆に富んだセリフの数々は、しみ入るものだった。
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最後にちょっとしたどんでん返しがあったものの 全体的にどろどろした内容で終わりました。 夫婦というのは未婚の僕にはよくわからんものです。
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2011/12/6(火) 愛人の気持ちが次第に離れていくのは非常によくわかる。でも物品で機嫌をとり、引き止めるのはよくわからない。今どきそんな愛人いるかな?
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上巻で立ち止まったりしましたが、下巻に入ると、あっという間に読んでしまいました。 思うのは、所詮作者は男性、ということです。 結末はあっけなく、女性の気持ちは男性には分らないと思いました。
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東野圭吾の「夜明けの街で」の影響か?初めて不倫をテーマにした本を読んだ。まだわたしには関係のないテーマ(あ、わたしが不倫する場合もあるとすると無関係ではない)。 結婚しても、恋愛といっしょなんだな。と読み終わって思う。私の世界と彼の世界は全く別。相手の世界を認めながら、自分は自分...
東野圭吾の「夜明けの街で」の影響か?初めて不倫をテーマにした本を読んだ。まだわたしには関係のないテーマ(あ、わたしが不倫する場合もあるとすると無関係ではない)。 結婚しても、恋愛といっしょなんだな。と読み終わって思う。私の世界と彼の世界は全く別。相手の世界を認めながら、自分は自分の世界を大事に。でも、やっぱり不倫は。。。
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