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アサッテの人
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アサッテの人
¥220
在庫なし
商品レビュー
3.5
36件のお客様レビュー
平凡な日常から、脱するために奇異なことを始めてしまう「アサッテの人」。 描かれていることは、本当におかしな行動のようだが、読み進めるうちになんだか気持ちがわかってくるのだ。
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10代の終わりかそこらに読んだのが最初。 ただただ文章が美しい。 ここまで人の内面を言語化し、 他者から見れば狂人にしか見えない気狂いの、 しかしその人にだけ適用される整然とした思考回路の道筋をこうも丁寧に描けるものかと、当時衝撃を受けたことを覚えている。 吃音が故に不規則に...
10代の終わりかそこらに読んだのが最初。 ただただ文章が美しい。 ここまで人の内面を言語化し、 他者から見れば狂人にしか見えない気狂いの、 しかしその人にだけ適用される整然とした思考回路の道筋をこうも丁寧に描けるものかと、当時衝撃を受けたことを覚えている。 吃音が故に不規則に整えられてきたはずの叔父なりの内面の整然性が、 しかし吃音の変化によって正にアサッテの方向へと狂い出してしまう。 しかしこれはあくまで変調をきたした内部の回路をまた整然とした別の回路に組み立て直すための、叔父なりのチューニングなのである。 誰からも理解されない気狂いに成れ果てたとしても、 もう叔父にはそのアサッテの正しさにしか自分を整え直すよりほか突き進む道は残されてはいない。 他者には永劫理解されることのないアサッテの道へとズンズン突き進んでしまう叔父の孤独と苦しみの遷移があまりに綺麗で、 年を取り久しぶりに再読しても、やはり美しい。 最後の図による説明は確かに力量不足を暗に示しているという指摘もご尤もかもだが、 ここまで人の内面に大きく切り込み、 かつ繊細に書き起こせる人が何人いるのだろう。 他者から見ればただの狂人、 しかしその内部はあまりに美しくまた寂しい。 読了後の謎の多幸感。 個人的には一番好きな小説。
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【限りないノンフィクション感】 意味のない響きのいい言葉って好き。 愉快に、小気味よく、調子良く読んでたんだけど、 だけどあまりにも意味がありすぎて だんだんつらくなった 現実味がある
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