1,800円以上の注文で送料無料

アサッテの人 の商品レビュー

3.5

36件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/04/30

平凡な日常から、脱するために奇異なことを始めてしまう「アサッテの人」。 描かれていることは、本当におかしな行動のようだが、読み進めるうちになんだか気持ちがわかってくるのだ。

Posted byブクログ

2023/09/19

10代の終わりかそこらに読んだのが最初。 ただただ文章が美しい。 ここまで人の内面を言語化し、 他者から見れば狂人にしか見えない気狂いの、 しかしその人にだけ適用される整然とした思考回路の道筋をこうも丁寧に描けるものかと、当時衝撃を受けたことを覚えている。 吃音が故に不規則に...

10代の終わりかそこらに読んだのが最初。 ただただ文章が美しい。 ここまで人の内面を言語化し、 他者から見れば狂人にしか見えない気狂いの、 しかしその人にだけ適用される整然とした思考回路の道筋をこうも丁寧に描けるものかと、当時衝撃を受けたことを覚えている。 吃音が故に不規則に整えられてきたはずの叔父なりの内面の整然性が、 しかし吃音の変化によって正にアサッテの方向へと狂い出してしまう。 しかしこれはあくまで変調をきたした内部の回路をまた整然とした別の回路に組み立て直すための、叔父なりのチューニングなのである。 誰からも理解されない気狂いに成れ果てたとしても、 もう叔父にはそのアサッテの正しさにしか自分を整え直すよりほか突き進む道は残されてはいない。 他者には永劫理解されることのないアサッテの道へとズンズン突き進んでしまう叔父の孤独と苦しみの遷移があまりに綺麗で、 年を取り久しぶりに再読しても、やはり美しい。 最後の図による説明は確かに力量不足を暗に示しているという指摘もご尤もかもだが、 ここまで人の内面に大きく切り込み、 かつ繊細に書き起こせる人が何人いるのだろう。 他者から見ればただの狂人、 しかしその内部はあまりに美しくまた寂しい。 読了後の謎の多幸感。 個人的には一番好きな小説。

Posted byブクログ

2023/01/29

【限りないノンフィクション感】 意味のない響きのいい言葉って好き。 愉快に、小気味よく、調子良く読んでたんだけど、 だけどあまりにも意味がありすぎて だんだんつらくなった 現実味がある

Posted byブクログ

2022/09/26

読み辛かったです、内容を理解しようと最初は努力していましたが途中で断念して流し読んでしまいました。 群像新人賞と芥川賞のW受賞作品であるということで期待し過ぎてしまいました。

Posted byブクログ

2022/05/30

読書開始日:2022年5月18日 読書終了日:2022年5月29日 所感 とても引き込まれた。 作為から逃避し続けた叔父と、その叔父の気持ちを尊重する筆者の繋がりを、作品に感じる 定型や作為への極度の恐れ。 そこから叔父の奇行が生まれた。 朋子さんだけが、その奇行を受け入れようと...

読書開始日:2022年5月18日 読書終了日:2022年5月29日 所感 とても引き込まれた。 作為から逃避し続けた叔父と、その叔父の気持ちを尊重する筆者の繋がりを、作品に感じる 定型や作為への極度の恐れ。 そこから叔父の奇行が生まれた。 朋子さんだけが、その奇行を受け入れようと悩み、毎度打ちひしがれた。この一連こそが、叔父の定型からの逃避癖と安心を一挙に満たしていた。 朋子さんもいなくなり、奇行が飽和する。その飽和からも逃れるために、新たな奇行と安心を得るために、旅に出た。 と思う。 どこまでも作為無し。 面白い。 スノビズム 木阿弥 まるでジェット機の通過した直後のような重々しい余韻 厭人僻 夫の奇妙な言葉は、意味が這い出したあとの奇怪な抜け殻に過ぎない 佯狂 ポンパ=ブラックホール、意味はないのに、人間を吸い寄せ呑み込む 自家薬籠中 衒学 吃音が治ると、逆に恋焦がれた統一の言語世界が極めて狭隘な領域にみえた。自ら吃音的なものを求めた結果がアサッテ 嚆矢 意味、意志からの離脱。この世は目的概念で溢れているが根本の目的なんてない。落ちていくエスカレーターに初めから乗っている。そこから目を逸らすため血汗涙がある。そんな絶望から逃げたい。アサッテ漢 夭逝 蚕食 朋子がいなくなることによるアサッテの方向が自分になる。うちにうちに向かうどんどん小さくなって、アサッテが飽和する。アサッテの崩壊 作為への病的な恐れ

Posted byブクログ

2021/09/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ポンパッ! 友人カップルに突然放ったそのシーンが、とても恐ろしかった。 冒頭から意味の理解しにくい始まりで、叔父の不可解さも君が悪かったが、その過程が徐々にわかってきたとき、自分の中にもアサッテがあると気づいた。 この社会にある定型が怖くなり、叔父はアサッテの人になっていった。 山道をドライブ中、度重なるカーブが続き、ついアクセルを全開でガードレールを突っ切りたくなるような。 毎日の満員電車のなかで、前に立つ女性の首筋をかぶりつきたい衝動になるような。 それに叔父は飲まれていったのであろう。 タポンテュー つい言いたくなる。

Posted byブクログ

2020/09/21

過去に書いた初稿と日記を紐解くという形のメタな感じの小説。感覚的に何かモヤっとしたものが残るが、それが狙いなのかもしれない。モヤのしかたも、割と独特の不透明感でそれなりに良かったと思います。

Posted byブクログ

2020/06/09

なかなかによくわからない本だけど再読したら今度はすんなり入ってきた不思議な本 『りすん』はこの『アサッテの人』に関係する小説みたいなので読んでみようと思った

Posted byブクログ

2020/06/04

とあるきっかけで手に取ったのだが、思ったより面白かった。こういう小説もあるのかと。これで芥川賞とは思い切ったなw あまり文庫が流通してないようなので、他の作品は図書館で借りよう。タポンチュー

Posted byブクログ

2017/12/25

最初から最後まで解らないし共感もできない。その気になって読み解けば理解できるのかもしれないけど。これが文学的に上等だというならそんなもの解らなくてよいと思った。ポンパとか気持ち悪い

Posted byブクログ