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ティンブクトゥ 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2010/06/28 |
| JAN | 9784102451137 |
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ティンブクトゥ
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商品レビュー
3.8
32件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
放浪するホームレス詩人ウィリーと、彼の余命を知ってひとりぼっちになることを恐れる忠犬ミスター・ボーンズの物語。設定はやや悲惨ながらも、ホームレスであるが故の自由と犬の自由が噛み合っていて、決して裕福な生活ではないにしろ唯一無二の相棒となっているのが面白い。時折フラッシュフォワードとして挟まる夢や幻覚により人語で主人と会話したり少し先の未来を予知するなどの展開も文学的な面白みがあり、音楽的かつテンポのいい文章と相まって地に足がつきそうでつかない独特の雰囲気を醸し出している。 物語はウィリーの死で第一部・完という感じであり、そこからの野良犬としての遍歴や人との出会いなどは胸が詰まる場面が多いながらもいずれもドラマティックであり、作中でも言及されている通り、資本主義に背を向けたホームレスの詩人の元から、最終的に理想的なアメリカ夫婦の元に身を寄せるという展開きよって、犬の視点を通しての格差と階層による分断と、以前の主人が全て正しいわけではなく、道を誤ったことに対しての哀れみなどを描いた点は凄まじいとさえ思う。 他の作品、例えば『ブルックリン・フォリーズ』でもそうなのだが、ポール・オースターは孤独と偶然性の人であり、そこに物語的な救済や定型は存在しない。それ故に落ちるべき所に落ちない不安感が彷徨う野良犬の孤独感とガッチリ噛み合い、読み手として不安になると同時に、幸せな家族に貰われて過ごすことで安易にハッピーエンドとして幕を閉じることもない。最後のライトが光り、多数の車が行き交う車道に飛び出すというのは一見すると自殺的な悲劇でありながらも、犬視点だと人間社会へのチャレンジであり、作中で一度そのことによる恐怖を描いたからこそ、老いた犬が若い時を思い出す「抗い」なのである。コートを分断するネットの上のテニスボールの如く博打的に偶然性に身を委ね、結果不幸が訪れたとしても、ウィリーのいる「ティンブクトゥ」に行けるという塩梅の話の落し方には舌を巻いてしまった。
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夢と現実がリアルに入れ替わる話。ポール・オースターで一二を争う好きな作品かというとそうではないけど、ところどころクスッとさせられ、過度に感傷的にもならない良い作品だと思いました。英語で読めたらもっと違う感想になるのかも。 最後は夢だったのか現実なのか。
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ペットと主人の絆を“人語を理解する老犬”の一人称視点で描く著者随一の異色作。延々続くMr.ボーンズの思索と全十五頁にも亘るウィリーの語りが炸裂する前半戦は(私的に)オースター作品屈指の難関で、読み進めるのに苦戦したが、後半戦は一気に拓けた展開へ突入していく。従来の様なストーリーテ...
ペットと主人の絆を“人語を理解する老犬”の一人称視点で描く著者随一の異色作。延々続くMr.ボーンズの思索と全十五頁にも亘るウィリーの語りが炸裂する前半戦は(私的に)オースター作品屈指の難関で、読み進めるのに苦戦したが、後半戦は一気に拓けた展開へ突入していく。従来の様なストーリーテリングの技巧は形を潜めている印象だが、犬視点で紡がれる現世の苦難は読者を作品世界へ誘う牽引力を持っている。悲愴的…否、悲壮的なラストシーンは正に氏の真骨頂と言えるのでは。約束の地<ティンブクトゥ>で二人が再び出逢えるのを祈って―。
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