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エセー(4)
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エセー(4)

ミシェル・ドモンテーニュ【著】, 宮下志朗【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2010/06/28
JAN 9784560025772

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2023/04/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

白水社の『エセー』全7巻の折返しの第4巻にして最難解と言われる「レーモン・スボンの弁護」収録のこの巻。 これを読み終わったら肩の荷が少し降りるような気がして、気合いを入れて読み始める。 「レーモン・スボンの弁護」とは、理性によって信仰を立証しようとしたスボンの論をモンテーニュが弁護しようとしたものである…はず…なのだけど、気がつくと神に選ばれた人間という存在=特権的存在を徹底的に否定している。 あれれ? もしかしてこれは「レーモン・スボン(から)の弁護」ってことなの? ”人間にとっては、自分はものを知っているという思いが疫病神となる。だからこそ、われわれの宗教は、無知なることを、信仰と服従に合致した特性だとして、強く勧めたのである。” いやいや、キリスト教より前にソクラテスが言ってるやん。無知の知。 ”どれほど多くの人間が、想像力の力だけで病気になったことか。(中略)おまけに、本当の病気が足りなければ、学問が手持ちの病気をちゃんと貸してくれる。(中略)そのあげくに学問は、健康にもあからさまに文句をつける――「いいですか、はつらつたる青春の元気さなんていうものは、いつまでもその調子で続くわけがないのです。(後略)” なんか今の時代そのまんまのような気も。 ”われわれは、ほんのかすり傷にも痛がるくせに、健康に対してはなにも感じていない。” 健康も幸せも、失くしてから気づくんだよねー。 ”《苦痛の不在は、粗野な精神と麻痺した身体という、大きな代償を支払わなければ得られない》キケロ” 痛いこと、辛いことを避けたまま成長した挙句、人の痛みがわからない人が増えてしまったのが今の世の中のような気がします。 ”それにしても人間とは、常軌を逸した存在というしかない。ダニ一匹作れないくせに、神々を何ダースも作るのだから” 神さまって作るものではなく、最初からそこにある存在なんじゃないの?って思ったけど、日本でも神様大量生産してましたね。 菅原道真とか徳川家康とか。 後半は信仰についての肯定。 ここでようやくレーモン・スボンを弁護しようという気になったのか。 だけど、クリスチャンではないので、後半はあまり刺さりませんでした。 さ、難解な部分も終えて、エセ―の坂も下りに差しかかります。 とおもったら、次巻はもっとも分厚い巻になるらしい。 1巻も相当長く感じたんだけどなあ。 毎回が勝負巻の『エセー』。 頑張らねば。

Posted by ブクログ

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