- 中古
- 書籍
- 新書
外務省革新派 世界新秩序の幻影 中公新書
定価 ¥968
440円 定価より528円(54%)おトク
獲得ポイント4P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2010/06/25 |
JAN | 9784121020598 |
- 書籍
- 新書
外務省革新派
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
外務省革新派
¥440
在庫なし
商品レビュー
3.7
8件のお客様レビュー
日米戦争への道を敷いたのは日本陸軍だけではなく、それを支える国民の声があったというところまでは認識していたのだが、さらに外務省革新派という人たちもいて、積極的に全体主義への流れを作っていったとのこと。 まずは、このことだけで驚くわけだが、それが省内でのディスカッションにとどまら...
日米戦争への道を敷いたのは日本陸軍だけではなく、それを支える国民の声があったというところまでは認識していたのだが、さらに外務省革新派という人たちもいて、積極的に全体主義への流れを作っていったとのこと。 まずは、このことだけで驚くわけだが、それが省内でのディスカッションにとどまらず、国の外交方針に対する批判を含むさまざまま論文などを発表し、世論の形成にも寄与したという。 日本て、まったく「全体主義」ではないと思う。これだけの意見の多様性があるわけなので。。。。 とはいえ、外務省革新派の政策は直接的に外交政策に影響したところは少ないという。その影響は過大視されているのかもしれないが、暗黙のプレッシャーにはなっていたようだ。 戦後、革新派の何人かに戦犯になり、公職をパージされたりしたわけだが、結局、大使になったり、重要な役職についていたりしたらしい。 きっと頭の良い実務的に優秀な人たちだったんだろうな。 そういう優秀な人たちも、時流のなかでは、意味不明の右翼的、精神論的な言説を繰り広げていたということで、なんだかな〜と思う。
Posted by
満州事変後の外務省革新派とよばれる外交官の派閥について書かれたもの。緻密な調査研究に基づき論理的かつ学術的に話が進められており、説得力がある。太平洋戦争に至る我が国の政策決定に与えた影響についてよくわかった。印象に残る箇所を記す。 「政党は政争に明け暮れ、党利党略にかまけて国民...
満州事変後の外務省革新派とよばれる外交官の派閥について書かれたもの。緻密な調査研究に基づき論理的かつ学術的に話が進められており、説得力がある。太平洋戦争に至る我が国の政策決定に与えた影響についてよくわかった。印象に残る箇所を記す。 「政党は政争に明け暮れ、党利党略にかまけて国民の要望に応えず、最も重大な国防を軽視しているように、少壮軍人たちの目には映った」 「利潤本意の資本主義経済や政党主体の議会政治は、既得権擁護に傾きがちで国民の要望に応えないばかりでなく、時代の要請つまり「世界史的大変動」にも対応できない、と彼らは批判し、経済の計画化と効率化、国民の経済的・社会的平等の実現、それを基盤とした国民の再統合を図る革新的な政策案を提示する」 「併しながら今日既に欧羅巴連邦といふ事が提唱され、東洋に於ても東亜連盟乃至共同体の主張を見るのであって、世界史は今後必然的にその方向に進展せざるを得ないものと信ずる」(文藝春秋1940.1) 「自給自足を営むのには、その圏内に於ける各国の間に、従来の如く小さい国も大きい国も絶対主権を主張し、国境を設け、税関を設け、貨幣を別々に持つ、さうして小さな国までが軍備を持つ、さういふことであってはならぬのであって、その間には言はば国境は殆ど撤去されねばならぬ」(白鳥敏夫、1940.10講演)
Posted by
まずは改めて満州事変の同時代における衝撃の大きさを痛感する。 幣原外交の寵児と言われた白鳥であったが、 満州事変を引き起こした者達の理念や理想をダイレクトに体感するこで それまでの価値観がふっとんだことであろう。 理解を超えた事変の展開の中で、理想は実現可能なのだ、 世界は変革す...
まずは改めて満州事変の同時代における衝撃の大きさを痛感する。 幣原外交の寵児と言われた白鳥であったが、 満州事変を引き起こした者達の理念や理想をダイレクトに体感するこで それまでの価値観がふっとんだことであろう。 理解を超えた事変の展開の中で、理想は実現可能なのだ、 世界は変革することができるのだと思ったことであろう。 それがどんどんエスカレートし敗戦前についに「世界維新」という 発想に至るとはなんて極端に突き詰めたのだとびっくりする。 これは革新派の性格にもよるのかもしれないが、 事変が勃発したり敗戦が濃厚となったときに従前の論理を覆し、 新秩序建設なり神懸り的言説なりが発信されているようだ。 ある見かたでは、ただ時勢の変化に対して後付けで様々理屈や根拠を つけようとしているだけにも見える。 本書では章立てている個所では比較的に出来事を淡々と描写し、 逆にエピローグでは様々な革新派の性質についての考察をしている。 その影響力の限界や、背景にある大衆化社会についてなど。 先にエピローグやプロローグを読んでから1章に入ると読みやすいと思う。
Posted by