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動く指 ハヤカワ・ミステリ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 1991/10/31 |
JAN | 9784150700270 |
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
※再読。新訳版を読んで記載。 マープルシリーズだが、終盤まで彼女は登場しない。しかし、マープルの登場はとても効果的に作用し、「彼女のシリーズにしなくても・・・」という残念な感情は一切ない。むしろ、一般人であるマープルが何でもかんでも警察から依頼が来たり殺人事件が起きたりする事の...
※再読。新訳版を読んで記載。 マープルシリーズだが、終盤まで彼女は登場しない。しかし、マープルの登場はとても効果的に作用し、「彼女のシリーズにしなくても・・・」という残念な感情は一切ない。むしろ、一般人であるマープルが何でもかんでも警察から依頼が来たり殺人事件が起きたりする事の方が異質であり、今回の様な関わり方の方が理にかなっている様に思う。また、マープルを軸とすれば、短編の事件であり、短編が起きる過程を上手に描写している様なイメージの作品だ。巻末にはミス•マープルが若い二人の探偵指南役を務めると記載があるが、指南役まで至っておらず、少しニュアンスが違うのではと残念に思った。 ストーリーはジェリーとジョアナのバートン兄妹が療養の為にリムストックの屋敷をレンタルし生活する事になるが、間も無くバートン兄妹含め住人達に匿名の手紙が届く様になる。そして、手紙をきっかけに地域の名士の妻が服毒自殺をしてしまう。 田舎で起こるいやらしい部分はよくクリスティの作品で取り上げられるが、悪意のある嫌な噂話が瞬く間に広がり、女性はこうしなければならないという様な昔からの風習や固定概念が蔓延る。そんな舞台にいやらしい「匿名の手紙」とくれば完璧なる舞台装置として作用する。 今作ではバートン兄妹の人物像や彼らの恋愛なども上手に表現しながら進行していくが、兄目線の描写がベースになる為、妹側の感情の変化や雰囲気の捉え方が少しわかりにくい部分がある。少なからずミステリー好きとしては兄妹をも疑ってかかるため、一時、あれ?と疑問に感じる所もあったが、その辺りは現代との生活様式の違いなのかも知れない。 マープルは牧師夫婦の招待でリムストックを訪れる。牧師婦人曰く、マープルは人間観察の専門家である訳だが、マープルは過去未来も含め、「安楽椅子探偵」の見本の様な人物なのだが、今作は「パディントン発4時50分」の時の様な関わり方では無く、上記作品が「指南役」のイメージだった為、物足りなさもある。但し兄妹では無くミーガンという女性を踏まえると、マープルがミーガンと警察に助言し、事件が解決に至る為、「指南役」のイメージはわかるが、残念な事に兄目線での物語展開の為、マープルとミーガンのやり取り描写はほとんどなく少し勿体無い様な気がした。 動く指のタイトルについて、僕が読んだ版の解説で丁寧に述べられているが、正直ちょっと難しい。ニュアンス的な要素はわかるが、何故そこをピックアップするのか、そして解説でもある様に「煙幕」の方がピンとくる。まあ、タイプライターだったり、マープルの編み物だったり指が関わる物が多い事は理解しているが。
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ミスマープルの登場は十章から。あえて登場しなくてもって感じ。美味しいとこだけいただきました的なマープルさんだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
学生時代からいったい何回読んだだろう。 マイフェアレディのようなプリティウーマンのようなストーリーの本筋とはちょっと違うところに楽しみがある。 マープルの思い切りの良さがかっこいい。 そして犯人は本当に最後まで卑劣で嫌な人だった。すごく不幸で傷ついた人がたくさん出た。それは切ない。
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