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夜の終り 創元推理文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 1963/10/15 |
| JAN | 9784488151010 |
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夜の終り
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衝動的な犯罪や殺人を繰り返す 群狼と呼ばれた4人の 男女犯罪者を描いたミステリ。 1960年の作品。 ドン・ウインロウズの「ストリート・キッズ」に 作家名が出てきたことから気になった。 本作はスティーブン・キングが 「20世紀のもっとも偉大なアメリカ小説のひとつ」 と絶賛した。...
衝動的な犯罪や殺人を繰り返す 群狼と呼ばれた4人の 男女犯罪者を描いたミステリ。 1960年の作品。 ドン・ウインロウズの「ストリート・キッズ」に 作家名が出てきたことから気になった。 本作はスティーブン・キングが 「20世紀のもっとも偉大なアメリカ小説のひとつ」 と絶賛した。 物語はドキュメンタリーの手法を取る。 4人の死刑執行から始まり、 弁護士の手記、犯罪者本人の手記、 3人称の記述などを交えながら進む。 群狼と呼ばれる4人。 カービー・スタッセン、元大学生。 サンダー・ゴールデン、麻薬常習のビート族。 ナネット・コズロフ、元モデルの女。 ロバート・エルナンデス、怪獣。 彼らは偶然4人になり、 車を盗み、偶発的に殺人を犯し、 衝動と暴走を繰り返す。 大学生だったカービーは ある日、大学を辞め、 ニューヨークへ向かう。 そこで出会った映画監督とその妻で俳優の 運転手を務めることになり、旅が始まる。 カービーの手記が 群狼メンバーと出会うまでの間 かなりの長さで続く。 そこでの衝撃的な事件が彼を揺り動かす。 そして、群狼の3人との出会い。 破滅の歯車が動き出す。 一方、群狼の4人に誘拐された ヘレン・ウィスターの消息は 最後まで明らかにされない。 彼女を待つ婚約者で建築家のダラス・ケンプ。 群狼事件は次第に大きな騒ぎとなり、 人々は彼らの行方を気にしだす。 そして、冒頭の死刑からわかるように ある日、捕まる。 時系列が入れ替えられているので、 初めのうちは4人が死刑になった犯罪が 読者にはまったくわからない。 手記をたどり、地の分を読み、 次第に詳細が見えてくる。 この感じはまさに彼ら4人が こうした犯罪を犯すことになった あいまいさを際立たせる。 そして、ラストは 驚くほどさっと終わる。 読後。 深夜に車を走らす群狼の4人が まだいいるのではないかと、 ヘレン・ウィスターは まだ生きているのではないかと、 ダラス・ケンプとの幸せな新婚生活を 送っているのではないかと妄想してしまう。 ラスト間近。 群狼の4人の関係性が変わる場面や カービーがヘレンを救おうとする行動に 物語の最後の脈動を感じる。 キングが激賞したのは、 構成の妙と、 それによって生まれる 読後の得も言われぬ ザラりとした喪失感だと思う。 「夜の終り」 「THE END OF THE NIGHT」 というタイトルも深くしみる。
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1960年発表作。当初、混同する筆名を用いたロス・マクドナルドとのエピソードで、名前だけが先行していた〝もう一人のマクドナルド〟。その本格的な紹介が本作から始まっている。日本の読者は、その実力に驚いたことだろう。このマクドナルドも凄いと。 冒頭に置いているのは、或る看守の手紙だ...
1960年発表作。当初、混同する筆名を用いたロス・マクドナルドとのエピソードで、名前だけが先行していた〝もう一人のマクドナルド〟。その本格的な紹介が本作から始まっている。日本の読者は、その実力に驚いたことだろう。このマクドナルドも凄いと。 冒頭に置いているのは、或る看守の手紙だ。それは死刑囚4人の刑執行を事細かく伝えるものだった。男3人と女1人からなる連続殺人犯。読み手は、後に何度も読み返すことになるだろう。つまり、電気椅子へと向かう彼らの様子から、事件に繋がる殺人者たちの人格と狂気を、この最初の部分から読み取ることができるからだ。 このショッキングな幕開けから、一気に引き込まれていく。物語は過去へと遡り、主犯格の男スタッセンに焦点を当て、凶行に至るまでを追っていく。 構成は練られており、主に三つの視点で時間軸をずらしながらストーリーは進む。スタッセンの獄中記、被告側弁護士の手記、事件を記録した執筆者の叙述。これを交互に挿入していくのだが、大きくボリュームを占めるのはスタッセンの独白である。最初はただの世間知らずのやさぐれた男だが、放蕩する中で徐々に狂気の度合いを増す。極めて凡庸だったスタッセンは、或る事件を機に変貌。そして、あとに〝群狼〟と呼ばれることになる他の三人と組み、残虐な犯罪に走る時点から、完全なる異常者と化す。その荒んだ精神状態は明確に語られることがない。それだけに、より一層不気味さが増している。動機無き蛮行を繰り返していく群狼らは、行き当たりばったりの無計画であるがために捜査陣を混乱させ、なかなか尻尾を掴ませない。だが、地獄の門は着実に近付きつつあり、遂には「夜の終わり」を迎える。 本作はドキュメントタッチの犯罪小説ではあるが、今ではノワールに組み込まれるかもしれない。マクドナルドの視点/筆致は終始醒めており、登場人物らを冷酷なまでに突き放している。感情移入を妨げているが故に、かえって異様な迫力を生じさせるのである。 トラヴィス・マッギーシリーズが始まる3年前に、こんな快作を著しているジョン・D・マクドナルド。やはり只者ではない。
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ある弁護士の奮闘と、 4人の犯罪者のうちの1人の 告白が書かれているユニークなテイストの作品。 犯罪の心理を見事に描いています。 確かに、彼らの行った一連の犯罪は えげつないにつきますが、 人というのは強いけれども、 時に弱さを含む、ということ。 特にこの手記を書いた男は、 ある出来事が終始己が体を 離れることはありませんでした… でも、そんな人たちも 自称普通の人間たちには キチガイに見えるのでしょうね。
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