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夜の終り 創元推理文庫
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夜の終り 創元推理文庫

ジョン・D.マクドナルド(著者), 吉田誠一(著者)

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夜の終り 創元推理文庫

619

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 1963/10/15
JAN 9784488151010

夜の終り

¥619

商品レビュー

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2023/01/18

1960年発表作。当初、混同する筆名を用いたロス・マクドナルドとのエピソードで、名前だけが先行していた〝もう一人のマクドナルド〟。その本格的な紹介が本作から始まっている。日本の読者は、その実力に驚いたことだろう。このマクドナルドも凄いと。 冒頭に置いているのは、或る看守の手紙だ...

1960年発表作。当初、混同する筆名を用いたロス・マクドナルドとのエピソードで、名前だけが先行していた〝もう一人のマクドナルド〟。その本格的な紹介が本作から始まっている。日本の読者は、その実力に驚いたことだろう。このマクドナルドも凄いと。 冒頭に置いているのは、或る看守の手紙だ。それは死刑囚4人の刑執行を事細かく伝えるものだった。男3人と女1人からなる連続殺人犯。読み手は、後に何度も読み返すことになるだろう。つまり、電気椅子へと向かう彼らの様子から、事件に繋がる殺人者たちの人格と狂気を、この最初の部分から読み取ることができるからだ。 このショッキングな幕開けから、一気に引き込まれていく。物語は過去へと遡り、主犯格の男スタッセンに焦点を当て、凶行に至るまでを追っていく。 構成は練られており、主に三つの視点で時間軸をずらしながらストーリーは進む。スタッセンの獄中記、被告側弁護士の手記、事件を記録した執筆者の叙述。これを交互に挿入していくのだが、大きくボリュームを占めるのはスタッセンの独白である。最初はただの世間知らずのやさぐれた男だが、放蕩する中で徐々に狂気の度合いを増す。極めて凡庸だったスタッセンは、或る事件を機に変貌。そして、あとに〝群狼〟と呼ばれることになる他の三人と組み、残虐な犯罪に走る時点から、完全なる異常者と化す。その荒んだ精神状態は明確に語られることがない。それだけに、より一層不気味さが増している。動機無き蛮行を繰り返していく群狼らは、行き当たりばったりの無計画であるがために捜査陣を混乱させ、なかなか尻尾を掴ませない。だが、地獄の門は着実に近付きつつあり、遂には「夜の終わり」を迎える。 本作はドキュメントタッチの犯罪小説ではあるが、今ではノワールに組み込まれるかもしれない。マクドナルドの視点/筆致は終始醒めており、登場人物らを冷酷なまでに突き放している。感情移入を妨げているが故に、かえって異様な迫力を生じさせるのである。 トラヴィス・マッギーシリーズが始まる3年前に、こんな快作を著しているジョン・D・マクドナルド。やはり只者ではない。

Posted by ブクログ

2014/02/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ある弁護士の奮闘と、 4人の犯罪者のうちの1人の 告白が書かれているユニークなテイストの作品。 犯罪の心理を見事に描いています。 確かに、彼らの行った一連の犯罪は えげつないにつきますが、 人というのは強いけれども、 時に弱さを含む、ということ。 特にこの手記を書いた男は、 ある出来事が終始己が体を 離れることはありませんでした… でも、そんな人たちも 自称普通の人間たちには キチガイに見えるのでしょうね。

Posted by ブクログ

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