戦略経営論 競争力とグローバリゼーション

マイケル・A.ヒット, R.デュエーンアイルランド, ロバート・E.ホスキソン【著】, 久原正治, 横山寛美【監訳】

• 販売会社／発売会社: センゲージラーニング/同友館
• 発売年月日: 2010/06/10
• JAN: 9784496046759

商品レビュー

2018/11/14

グローバル企業の経営論について、米研究者により教科書的に述べられた本。企業の実例を挙げながら、わかりやすく述べられている。訳も良い。印象的な箇所を記す。
「伝統的な経営管理の考え方に従っていては、企業が戦略的競争力を獲得するのは難しい。経営者は、柔軟性、スピード、イノベーション（技術革新）、経営統合、そして絶えず変化し続ける状況から生じてくる挑戦を重視する新しい考え方を採用せねばならない。激しい競争状況は、世界規模で競争するに必要な投資額が巨額に上り、失敗したらその結果は残酷であるという危険にあふれたビジネスの世界をもたらすのである」
「電話が米国の全家庭の２５％まで普及するのに３５年かかった。テレビは２６年かかった。ラジオは２２年、パソコンは１６年、インターネットは７年かかった」
「株主価値を顕著に高めるには、競合企業よりもっと賢く学び、企業全体にその知識を競合企業よりもっと迅速にかつ広範に活用しなければならない」
「１０億人をやや上回る人が先進国に住み、他方５０億人以上が発展途上国に住んでいる」
「企業が、競合他社の強みに対抗しまた彼らの弱みに付け込むための戦略を策定し実行できるように、主要なライバルを研究することは極めて大事なことである」
「ポラロイド社では、意思決定者が、インスタント・フィルムカメラを作るのに使用した技術が、いまだ世の中に通用する技術であると信じ続けていた。ポラロイド社のような誤りが起きたとき、意思決定者は毅然として誤りを認め、正しい措置を取らなければならない。企業は誤りから学んでさらに成長できる。（ポラロイド社は、それができずに倒産した）」
「どのような競争優位も永遠には続かない。時間がたつにつれて、ライバル企業は、独自のユニークな経営資源、組織能力、およびコアコンピタンスを用いて、異なった価値創造の提案を形作り、その企業の競争優位である価値創造の組織能力を複製する」
「平均的な犬の飼い主は、仮に可能な限りのサービスが利用できたとすると、ペットの一生涯に１万５０００ドル以上のお金を使うという調査結果が出た」
「書店で最も大きな店舗を持つバーンズ・アンド・ノーブル社は、平均２万５０００平方フィートある７９３店舗で、２０万点以上の本を取りそろえている。他方で、アマゾンは、４５０万タイトルを常に提供し、増え続ける顧客との接続網が国境を越えて構築され、数千万のコンピュータ画面上に店舗が存在している」
「ザラは３週間で新たな製品ラインを開発し製造開始することができる。それに対し、業界平均は９ヶ月を要する。約１万アイテムが年間で生産されて、すべてが週に2回、中央配送センターから直送されてくる」
「買収案件のおよそ３分の２で、買収を行うと発表した直後に買収を仕掛けた企業の株価は下落する。買収を仕掛ける企業が買収プレミアムに値するだけのシナジーを達成できるか疑わしいと、投資家が懐疑的になっていることを示すものだ」
「研究によれば、すべての合併や買収のおそらく２０％が成功し、約６０％が失望する結果を生み、そして残りの２０％は明らかに失敗するという」
「上海汽車工業はそのパートナーシップから多くを学習し、ライセンスされた技術によって独自のブランド車を立ち上げ、売り出すことを決めた」
「やがては米国を含むグローバル市場で中国の自動車メーカーは成功し、上海汽車工業がリーダーの一角になるものとアナリストは予測している」
「上海汽車工業はGMやフォルクスワーゲンとのパートナーシップから新しい組織能力を学習した」
「以前は、（取締役会メンバーにとって）厳しい質問をすることは、なにかしら無礼であり不適切な行動であると考えられていたが、現在では厳しい質問をしないことが無責任だと認識されている」
「日本の企業が保有する余剰資源（現金と株式）は長期的視野を持つことに役立っているかもしれないが、アクティビスト投資家の目には、これは有効に利用されていない資金として映り、もし使われないのであれば、配当か株の買戻しによって、株主に返還されるべきものであるとみられている」
「戦略的リーダーは、絶えず好奇心旺盛であるべきである。その結果彼らは、接触するどの人からも、彼らができるすべてのことを学ぼうとする基礎を持つであろう」
「グーグルの組織構造はフラットで、経営管理者の数は少ない。各チーム・メンバーは持ち回りでプロジェクト・リーダーになる。グーグルでは、休憩時間におやつ、食べ物、ビデオゲームでリラックスし、楽しんでいる。グーグル文化の魅力は、グーグルではほとんど離職がないという事実によって示されている」
「文化は、組織に活力を与える、あるいは与え損なう、社会的エネルギーである」

2012/02/19

グローバルな戦略のため、企業は如何にあるべきか。競争優位の為のコアコンピタンスをもち、外部環境の対応とと会社内部の調整を行う。企業買収も書かれている。概論

2010/10/13

ビジョンは企業のミッションの基礎となるもの。ミッションとは企業gあ競争しているビジネスと、その企業が対象とする顧客を明確に述べること。
グローバル市場はリスクを伴う。
現代自動車は品質が優れているのに、なぜ売れないのか？
インドのタタグループは250社から91社に事業の数を減らした。タタグループの雇用は約22万人で、140カ国に製品を輸出し、インドのGDPの2.6％の売上がある。
複雑なグローバル経済の中でいのベース四活動を行うのにしばしば必要となる専門的な知識へのアクセス手段を得るため、企業は他社と戦略的提携のような強調的な関係を構築する。その他社の中には競合他社も含まれている可能性もある。