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日本の歴史(22) 政党政治と天皇 講談社学術文庫1922
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日本の歴史(22) 政党政治と天皇 講談社学術文庫1922

伊藤之雄【著】

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日本の歴史(22) 政党政治と天皇 講談社学術文庫1922

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2010/04/14
JAN 9784062919227

日本の歴史(22)

¥715

商品レビュー

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2024/11/21

統治機構制度としての明治憲法は制度だけを見ても規定されない部分が多すぎて何も見えてこない。形式上は天皇に全権限が集中しているが実際に運営に当たる機構が乱立し、それぞれの分掌が一体どう機能するのか見当もつかないからである。 本書は明治憲法が実際にどのように機能していたのか、その一端...

統治機構制度としての明治憲法は制度だけを見ても規定されない部分が多すぎて何も見えてこない。形式上は天皇に全権限が集中しているが実際に運営に当たる機構が乱立し、それぞれの分掌が一体どう機能するのか見当もつかないからである。 本書は明治憲法が実際にどのように機能していたのか、その一端を「政治」の視点で丹念に描いている。それぞれの内閣においてどの勢力が実権を握り、誰が決定を左右したのか、重要な場面において一次資料に基づいて分析が行われている。 そこで見えてくるのは、天皇、宮中、元老、枢密院、首相、大臣、軍部、議会、官僚、政党、そして市民運動が相互に権力の掌握を争い、次々に主役が入れ替わり誰一人として一定期間決定権を持ち得なかったという歴史である。これは権力の実態というよりも、制度自体がそのように構想されていたというべきではないか。天皇に権力を集中しながらその専制を許さず、権力分立的な実態と形式があったとも考えられる。次第にこの権力の所在のあいまいさが軍部による対外膨張への飽くなき行動を許してしまうことにもつながるが、内閣が国民の意向を受けて解散せざるを得なくなった護憲運動や要求を飲んで利用された普選運動に鑑みても、少なくとも大正期までは上からの改革ではない農村部にまで広がりを見せる市民活動の盛り上がりにも寄与したといえる。長引く不景気にも関わらず、国民の人気に支えられた浜口内閣など今日の社会の隅々にまで広がった政治的無関心とは全く異なる世界が展開されていたことがうかがえる。 しかし、一向に回復する兆しの見えない景気は徐々に人々の心を蝕み、極右思想の浸透を許してしまう。この極右思想の陽の面として著者が明治天皇とその時代の理想化を挙げているのは示唆的である。そして全く統制の取れない軍隊は通信交通技術の限界もあいまって誰も暴走を止めることができず統治機構としての明治憲法は終わりを迎えることになる。権力は分立してさえいれば正しく機能するわけではないことを歴史に思い知らされる。

Posted by ブクログ

2015/05/11

明治天皇崩御から五・一五事件へー 近代日本の君主制はなぜ崩壊に至ったか? 張作霖爆殺事件後、昭和天皇はなぜ田中義一首相を問責したかー。東アジアをめぐる国際環境のうねりのなか、変容していく近代日本の君主制。「天皇の政治関与」の理想と危うさとは。のびやかな大正時代が閉塞の昭和を迎える...

明治天皇崩御から五・一五事件へー 近代日本の君主制はなぜ崩壊に至ったか? 張作霖爆殺事件後、昭和天皇はなぜ田中義一首相を問責したかー。東アジアをめぐる国際環境のうねりのなか、変容していく近代日本の君主制。「天皇の政治関与」の理想と危うさとは。のびやかな大正時代が閉塞の昭和を迎える過程で、庶民は何を感じ、どう行動したか。明治天皇崩御から五・一五事件による政党政治の崩壊までを、斬新な視角で活写する。

Posted by ブクログ

2013/08/21

明治天皇の死から、大戦前夜の醜い時代までの、日本の始まりつつあった政党史、政治史 プロローグとエピローグで語られる前畑さんはあり得たもう一つの日本史の暗喩だろうか

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