- 中古
- 書籍
- 文庫
- 1225-06-05
腕くらべ 新版 岩波文庫
定価 ¥770
550円 定価より220円(28%)おトク
獲得ポイント5P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2006/02/16 |
| JAN | 9784003104125 |
- 書籍
- 文庫
腕くらべ 新版
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
腕くらべ 新版
¥550
在庫なし
商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
芸者(遊女)を題材にした花柳小説。 あまり好きなジャンルじゃないので、気にはなってたが、長いこと読まなかった作品(作家)。 あまり、どういう作家か知らないので、悲しい結末だったらどうしようとヒヤヒヤした。 文章は端正で知的で良い。 結末も、人情噺みたいで、悪くはない。 ただ、...
芸者(遊女)を題材にした花柳小説。 あまり好きなジャンルじゃないので、気にはなってたが、長いこと読まなかった作品(作家)。 あまり、どういう作家か知らないので、悲しい結末だったらどうしようとヒヤヒヤした。 文章は端正で知的で良い。 結末も、人情噺みたいで、悪くはない。 ただ、やっぱり、遊女という身のはかなさが、読んでいて悲しい。侘しい。
Posted by 
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この作品は正直、現代人には解説を読まないと理解できないと思う。人情や粋を大事にする江戸文化と、金銭を最優先にする現金な資本主義時代の対比がそこにはあるそうで、主人公の駒代はその時代の狭間で揺れ動き、結局新時代の人間にはなりきれず、新時代派の新しい芸者に敗れてしまうが、それがまさに江戸文化と資本主義時代との橋渡しになっていて、且つその駒代が敗れることが新時代への批判になっているらしい。 駒代と争って勝つ側の芸者には、粋も人情も関係なくただ身体を売ることにしか興味のない菊千代がいて、この人は駒代にふられた吉岡とのちに一緒になるが、吉岡も花柳界通を自負しながらも実は人情にも粋にも通じていない俗人。駒代が吉岡を捨てて惚れ込んだ瀬川もやはり人情には通じていない人間で、持参金つきの芸者・君龍と一緒になり、駒代のプライドを傷つけるが、この君龍をかわいがり、駒代を疎んじた瀬川の母が京都人という設定で、計算高い人物として描かれている。 フランスから帰朝した作者は江戸文学に浸ったそうで、新しい日本が資本主義を旗印に古きよきものを価値のないもののように捨て去っていくのをみて憤ったというか、悲しんだというか、とにかくに馴染めなかったらしい。それで、廃れゆく運命にあると悟ったその江戸文化を文章にとどめ、ようと思ったかどうかは知らんが、とにかくにそれと新時代を対比して、守銭奴の幅を利かす資本主義時代を批判するために本作を書いたらしい。『ふらんす物語』ですでに当時の政府を批判する内容を書いて発禁となり、本作でもこりずに政府の方針と社会の変貌を批判する永井おじさんの儚い抵抗に心打たれる。 心打たれるとかいいつつも、解説よむまでは退屈でしかなかった。吉岡も瀬川も菊千代もそのほか色々とでてくる人物もなぜか粒ぞろいに小憎たらしいやつばかりで、駒代は駒代で器量よしの負けん気がつよい人物ながらどこか頼りなく情けないところが多い。結局はそれが永井おじさんの狙いだったわけだが、知らずに、というか気づけずに読んでいたので、安っぽい筋書きとしか思えなかった。 p.138に「南巣は紅葉眉山ら硯友社の一派にもさしたる関係なく、……新文学も知らず、逍遙不倒ら前期の早稲田派とも全く交遊する機会なく、……」なんて書かれているのは自分自身を言ったのではなかろうか。何にしても、新時代と旧時代の対立を描くことが主眼なので、物語として読んでワクワク、ドキドキするような代物ではそもそもなかったのだと解説読んではじめて気づいた。 伊藤整が、小説を読むことは時代を知ること、みたいなことを書いていたが、筋を辿ってドキドキしようとしていた、それも明治・大正の文学にそれを期待していた自分が浅はかだったと気づき、反省させられた。
Posted by 
図書館で借りた。 永井荷風の小説。岩波文庫としては緑色で”現代文学”だが、既に100年以上前の作品だ。 「君はウイスキイだったね」「いや、ビイルにする。おい、ボオイさん…」この語感だけでも頭の中に浮かぶ色合いが変わってくる。 花柳界を舞台とした人間模様が描かれ、近代日本の”どらま...
図書館で借りた。 永井荷風の小説。岩波文庫としては緑色で”現代文学”だが、既に100年以上前の作品だ。 「君はウイスキイだったね」「いや、ビイルにする。おい、ボオイさん…」この語感だけでも頭の中に浮かぶ色合いが変わってくる。 花柳界を舞台とした人間模様が描かれ、近代日本の”どらま”を楽しめる作品だ。 朝の通勤電車で読むには濃い内容だったが(笑)、個人的には苦手な小説モノの中でも読み込めたと思う。
Posted by 
