レディ・ジョーカー(上) 新潮文庫

髙村薫【著】

• 内容紹介: 人質は350万キロリットルのビールだ― ビール業界最大手・日之出麦酒の社長が誘拐される事件が発生。未曾有の企業テロはなぜ起きたのか？犯罪が犯罪を呼び、増殖し続けるレディ・ジョーカー事件。そして、合田刑事に待ち受ける驚愕の運命とは―男たちを呑み込む闇社会の凄絶な営みと暴力を描く、社会派ミステリーの大作！
• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2010/03/27
• JAN: 9784101347165

商品レビュー

2024/08/23

単純なもので、誘拐犯側から見れば日之出という会社が酷いものに見えるのに、日之出側から見ると犯人達の誘拐がとても卑劣で、酷いものに見えてくる。埋もれていた差別の歴史が、戦後と現代に繋がっていく。社会で頑張って働いても何も得られなかった。そう思うと、どんなに善良と言われていた人でも犯罪を犯してしまうのかもしれない。犯罪を犯すきっかけなんて、本当に些細なものだ。誰にも看取られず、何か名声や財産を残した訳でもない、兄の死に様。孤独死になる確率なんて、この時より今の方がむしろ高くなっているのではなかろうか。物井のような人が存在する一方で、今も老後もとりあえずはお金の心配をしなくて良い人間達が居る。資本主義の悲しい現実で、貧富の差は広がり続けている。何だか悲しくなる。どう足掻いても抜け出せないのは、彼等自身に問題があるのか。それとも、社会なのか。単なる社長誘拐事件では終わらない、この事件。中巻を早速読もうと思う。

2024/01/31

大学生の頃？その前に？読んだものを、20年以上経ってAmazonオーディブルで聴いたけど、かったるくなって休止。

つまらなくはないんだけど、進みがゆっくり…。
そのうち続きを聴こう…気が向いたら…。

昔読んだときは合田は年上だったのに、作中の合田は30前で、めっちゃ若いな！
複雑な気分(^_^;)

2023/12/27

下巻まで、全部読んじゃいました。
特に後半は先が気になってどんどん読めました。
ある意味人生って、社会って、嫌なことばっかりです。
自分とは立場の違う人のことを想像する為にも、こういう本を読むのはいいことだと思います。
読み始めた頃から、最後どうなるんだろうと思っていたんですが、衝撃的でした。
映画化されているみたいなので、観てみます。