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想い雲 みをつくし料理帖 ハルキ文庫時代小説文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 角川春樹事務所 |
| 発売年月日 | 2010/03/15 |
| JAN | 9784758434645 |

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想い雲
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商品レビュー
4.2
382件のお客様レビュー
やっぱりこのシリーズも面白い。女の料理なんか食えるかという風潮を、その素晴らしい料理の腕で払い除けていく。頼もしい限りです。 出来る事なら、"菊花雪"で一杯やりたいなあ。
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「豊年星 --「う」尽くし」 戻ってきた簪だけれど。 嘘か本当か確かめる手段がなかったのかもしれないが、全て鵜呑みにして大切なものを渡してしまうのは安易すぎただろう。 「想い雲 --ふっくら鱧の葛叩き」 狐の中に紛れた一人は。 扱いに慣れている者がいるというのに、助言の一つも聞...
「豊年星 --「う」尽くし」 戻ってきた簪だけれど。 嘘か本当か確かめる手段がなかったのかもしれないが、全て鵜呑みにして大切なものを渡してしまうのは安易すぎただろう。 「想い雲 --ふっくら鱧の葛叩き」 狐の中に紛れた一人は。 扱いに慣れている者がいるというのに、助言の一つも聞こうとせずに捌いたらせっかくの食材が無駄になってしまうだろう。 「花一輪 --ふわり菊花雪」 偽物の店の評判のせい。 一度広まってしまった噂を消すことは難しいが、それを上塗りするような印象を与えることが出来たら変わるのだろうな。 「初雁 --こんがり焼き柿」 一人だけ幸せになった。 今の暮らしに不満が一つもないからこそ、いなくなってしまった原因が自分であるのではと自ら追い詰めてしまったのだろ。
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つる家に持ち込まれる様々な出来事は、一見ばらばらに見えながら、いずれも「人と人との縁」と「誠実さ」を軸に収斂していく。本作の魅力は、まさにそこにある。 坂村堂の依頼で再会する富三、そして天満一兆庵の佐兵衛をめぐる騒動。芳の簪をめぐる一件では、人の欲と弱さが露わになる一方で、澪の...
つる家に持ち込まれる様々な出来事は、一見ばらばらに見えながら、いずれも「人と人との縁」と「誠実さ」を軸に収斂していく。本作の魅力は、まさにそこにある。 坂村堂の依頼で再会する富三、そして天満一兆庵の佐兵衛をめぐる騒動。芳の簪をめぐる一件では、人の欲と弱さが露わになる一方で、澪のまっすぐな怒りが印象に残る。だがその結末は単なる勧善懲悪には終わらず、どこか人の業を感じさせる余韻を残す。 一方で、吉原・翁屋での鱧料理のくだりは、澪という料理人の真価が最も鮮やかに描かれる場面であろう。「女の料理人」という偏見を退けるのは理屈ではなく、ただ一皿の料理である。あさひ太夫の存在とともに、この場面は本作の大きな見せ場の一つとなっている。 さらに、つる家の偽物騒動。商いにおける信用とは何かが問われる展開である。目先の繁盛ではなく、積み重ねてきた誠実さこそが客を呼び戻す――その当たり前のことを、丁寧に描いている点に好感が持てる。 健坊の失踪では、日常の延長線上にある不安と祈りが描かれる。陰膳というささやかな行為に込められた思いが、やがて小さな救いとして返ってくる展開には、作者らしい温かさが滲む。 そして物語の底流には、「土圭の間」に象徴されるもう一つの世界が流れている。食を司る者たちの頂点とも言える存在――小松原の正体をほのめかしながら、物語に静かな緊張感と奥行きを与えている。 華やかな事件や劇的な展開に頼るのではなく、人の営みの中にある小さな善意や誠実さを積み重ねていく。その積み重ねこそが、読み終えたときの確かな余韻となる。やはりこの作者の作品には、人の心をほどく力があると改めて感じさせられた。
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