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人間の建設 新潮文庫
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小林秀雄, 岡潔【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2010/02/26
JAN 9784101007083

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商品レビュー

4

188件のお客様レビュー

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2024/12/19

話の内容について、さすがに古いと思う所もあるけれど、難しい蘊蓄や専門用語も余りなく、真摯に深いところを探るような対談で面白かった。 真面目に様々な事を考えて、哲学の域まで行く人というのはさほどいないと思うし、そこまで行っている両者の対談というのは貴重なものではないだろうか。 数学...

話の内容について、さすがに古いと思う所もあるけれど、難しい蘊蓄や専門用語も余りなく、真摯に深いところを探るような対談で面白かった。 真面目に様々な事を考えて、哲学の域まで行く人というのはさほどいないと思うし、そこまで行っている両者の対談というのは貴重なものではないだろうか。 数学者の岡氏が、情や、情緒というものを大切に思っているというのが意外だった。

Posted by ブクログ

2024/12/04

批評家小林秀雄と数学者岡潔の対談。 今の感覚からするとうーん、と思う部分も多々あるが対談の端々から感じる知性の瑞々しさや柔らかさからはキラキラと光るものも多く感じる。 特に「情緒」≒「直感」の考え方はとても面白く感じた。 あと小林秀雄がどうしても岡潔とベルクソンを引き合わせたい...

批評家小林秀雄と数学者岡潔の対談。 今の感覚からするとうーん、と思う部分も多々あるが対談の端々から感じる知性の瑞々しさや柔らかさからはキラキラと光るものも多く感じる。 特に「情緒」≒「直感」の考え方はとても面白く感じた。 あと小林秀雄がどうしても岡潔とベルクソンを引き合わせたい感が面白かった。

Posted by ブクログ

2024/11/05

「〔岡〕昔の(日本の)国家主義や軍国主義は、それ自体は、間違っていても教育としては自我を抑止していました。だから今の個人主義が間違っている。自己中心に考えるということを個人の尊厳だなどと教えないで、そこを直してほしい。 《中略》 神風の恐しさは見たものでなければわからない《中略》...

「〔岡〕昔の(日本の)国家主義や軍国主義は、それ自体は、間違っていても教育としては自我を抑止していました。だから今の個人主義が間違っている。自己中心に考えるということを個人の尊厳だなどと教えないで、そこを直してほしい。 《中略》 神風の恐しさは見たものでなければわからない《中略》ものすごい死に方をしている。」(p.119) 「〔岡〕私は日本人の長所の一つは、《中略》神風のごとく死ねることだと思います。《中略》 あれができる民族でなければ、世界の滅亡を防ぎ止めることはできないとまで思うのです。」(p.139) 「〔小林〕特攻隊というと、批評家はたいへん観念的に批判しますね。悪い政治の犠牲者という公式を使って。特攻隊で飛び立つときの青年の心持になってみるという想像力は省略するのです。」(p.140) 批評家・小林秀雄と数学者・岡潔の対談。 話題が広範に渡り、無限の知の泉が2つ湧いているかの如く。 岡氏の専門である数学と物理学との関係、ベルクソンと時間概念に焦点を当てた哲学議論、ピカソやゴッホなどの絵画芸術 、ドストエフスキーとトルストイに関するキリスト教とロシア文学論、など。 哲学史や美術史から物理学の簡単な解説まであり、登場人物も多いので、手元に置いておくと、ちょっとした「大人の百科事典」のように使えそうだ。 その中で特に印象的だったものを、ここの冒頭に引用した。 戦後の個人主義とそれを基礎とした教育制度についての問題提議である。 個人主義の反対概念として、特攻のような「自己を捧げる」行動については、バーリンやラインホールド・ニーバーが主張した「(宗教道徳に基づく)自己犠牲の精神」と通ずるものがある。 また、「特攻ができる日本人でなければ、世界の滅亡を防ぐことはできない」という岡氏の言葉は、タルコフスキー監督の映画『ノスタルジア』を想起させた。 世界を救うために自らの命を擲つ2人の男性の物語だ。 近代思想のメインストリームである単純な個人主義礼賛・全体主義批判では、特攻とは若者の未来を奪う許されざる戦法と批判される。 現代の日本では、自分も含めて、そういうパターンがどこかに染みついているが、それは思考停止でもある。 それをずばり指摘した小林氏の、「悪い政治の犠牲者という公式を使って」と言う言葉は、あまりに核心をついている。 この対談の当時、両氏のように問題提議する賢人がいたことは、社会の財産であったと感じた。 「自己犠牲」というテーマは今後さらに掘り下げたい。 この本はたまたま飲みつつ読んだが、知的な肴のおかげで大変良い時間を過ごせた。 茂木健一郎は解説で、本書について、「声に出して読みたい対話」「音楽に似ている」と語っていたが、飲酒で程よく脱力した脳にすっと吸収するような読み方も悪くなかった。 そのような体験を提供してくれる読書は素晴らしい。 酒の肴になるような、知性溢れる本が他にも無いものか、と探してみたくなった。 蛇足であるが読書メモとして、 去年読んだ小林秀雄の『本居宣長』は「失敗作」という評判であることを読後に知ったのだが、本著で小林氏が『本居宣長』執筆のくだりから、 「この頃、仕事をしていて、とんでもない失敗をするかもしれないなと、いつでも思う」 と自ら予告しているのには思わず吹いた。 作家の永井龍男と小林秀雄が友人同士、ということも知り、洒落た2人にもほのぼのした。

Posted by ブクログ