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故郷のわが家
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故郷のわが家

村田喜代子【著】

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故郷のわが家

定価 ¥1,870

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2010/01/30
JAN 9784104041039

故郷のわが家

¥880

商品レビュー

3.9

16件のお客様レビュー

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2025/07/08

良いですね、村田喜代子。 母が亡くなり無人となった故郷の家の処分をするために、愛犬と共に九州久住高原に戻ってきた65歳の笑子さん。家の中に残された沢山の物を片付けながら、家の購入希望者を待つ日々を描いた日記風の連作短編です。 でもそこは村田さん、しばしば幻想が混じり込んできます。...

良いですね、村田喜代子。 母が亡くなり無人となった故郷の家の処分をするために、愛犬と共に九州久住高原に戻ってきた65歳の笑子さん。家の中に残された沢山の物を片付けながら、家の購入希望者を待つ日々を描いた日記風の連作短編です。 でもそこは村田さん、しばしば幻想が混じり込んできます。南洋に残された兵士、恐竜好きだった長兄、大量の兵士の遺骨、老女ばかりの村、大雲海、温暖化による洪水、、、夢と現(うつつ)の境界を彷徨いながら進む物語。話はしばしばグランドキャニオン、シルクロードなど世界をめぐり、さらに故郷の住民たちとの交流も楽しく。 時に笑え、時に恐怖を感じ、時に懐かしく、何処か「粋」を感じる物語です。

Posted by ブクログ

2021/03/25

笑子さんの故郷の家での5ヶ月間、読んでいる間も読後もいい感じ。ただ、あのように過去を思い出すのも、あのような夢を見るのも、笑子さんが孤独だからだと思う。孤独を否定するわけではないし、笑子さん自身「寂しい」みたいなこと一言も言ってないから、「寂しいよね」みたいなことを思うべきではな...

笑子さんの故郷の家での5ヶ月間、読んでいる間も読後もいい感じ。ただ、あのように過去を思い出すのも、あのような夢を見るのも、笑子さんが孤独だからだと思う。孤独を否定するわけではないし、笑子さん自身「寂しい」みたいなこと一言も言ってないから、「寂しいよね」みたいなことを思うべきではないかもだけど。 両親が亡くなり、夫が亡くなり、息子たちが独立する。もちろん笑子さんはお金もあり、自由だし、これからまだまだ楽しいことがあるに違いない。でも…と思う。

Posted by ブクログ

2019/02/21

父や母が亡くなり、兄弟たちも戻らず、誰も住む者のいなくなった故郷の家を処分するという行為をすごく恐れている。悲しく寂しく、帰る場所を失い途方に暮れるんだろう、私はひとりでそれに耐えられるだろうかと。 でもあと30年くらいこの世間の荒波にもまれていれば、もしかしたらそんなことは小さ...

父や母が亡くなり、兄弟たちも戻らず、誰も住む者のいなくなった故郷の家を処分するという行為をすごく恐れている。悲しく寂しく、帰る場所を失い途方に暮れるんだろう、私はひとりでそれに耐えられるだろうかと。 でもあと30年くらいこの世間の荒波にもまれていれば、もしかしたらそんなことは小さな悩みになっているのかもしれない。人類が繰り返す愚かな行為にため息をつき、胸を痛め、それでも最後は人間のいるところで終わりたいと思えるようになったら。私たちはどうしようもなく孤独であるけれども、必要以上にそれを悲観することはない。

Posted by ブクログ